上田電鉄1000系

写真: ued1003

上田から別所温泉まで10km強を結ぶ上田電鉄別所線。長閑なローカル線ではありますが東急の資本が入っている点が特徴で、その影響か東急から割と新しい電車を譲渡してもらえている印象です。そんな別所線では元東急7200系が活躍していましたが製造から40年以上が経過し老朽化が目立ってきたため、2008年に導入されたのが元東急1000系の1000系です。

4編成全てが池上線・東急多摩川線の新車投入に伴い廃車になったグループで、3連で活躍していたところ中間車を抜き2連化。VVVFインバーター制御、電気指令式ブレーキ、ボルスタレス台車など同社にとっては初物が盛りだくさん。当初は東急時代のまま赤帯で活躍していましたが、その後は各編成に趣向を凝らしたラッピングが施されています。その後2015年になって追加で1編成を譲受しましたが、こちらは中間車を先頭車化改造を実施したため6000系と区分されています。

なお外観写真は2019年の台風19号で流された千曲川橋梁が復旧する直前(2021年3月)に訪問した際の様子、普段は車番の下2桁を表示する運番表示器には全線の運転が再開される日付を表示していました。車内の方は2019年初頭の1003Fの様子をご覧いただきます。


ued10-車内全景

車内全景です。暖色系の配色をはじめ東急時代から大きく変わっていない様子で、管理人も何の説明も無しに「東急時代の写真です」と見せられたら騙されてしまうかなあ、と思う程。

ued10-車端部

車端部です。貫通扉はありますがワンマン運転の関係もあってか常時開け放たれている様子。従来運用されていた7200系に比べ貫通路は狭く、改札の位置の関係から少なくないであろう通り抜けには少し不便かもしれません。

ued10-乗務員室仕切

乗務員室仕切です。仕切戸は前面非常扉に合わせて車掌台側にオフセットしており、上田電鉄移籍に際して設置した運賃箱との位置関係の問題か仕切戸の周りにパイプの柵を設けています。

ued10-LCD

運賃表は液晶式、次駅案内等も行います。なお譲渡当初は運賃箱共々7200系からの流用品を使用していたようですが、後年の更新で大きな1画面式に交換したようです。

ued10-扉

扉は1300mmの両開き。車内収受式ワンマン運転を実施しているため、全ての扉が開くのは上田・下之郷・別所温泉の3駅のみ。なお上田電鉄入線に際しドアチャイムを新設しています。

ued10-天井

天井は一般的な配置、照明はカバー無しの蛍光灯です。地方私鉄では空きが多い印象のある広告枠ですが、撮影当時(2019年初頭)は吊り広告はほぼ全て埋まっていたようです。

ued10-床

床は茶系で柄はありません。

ued10-窓

窓は一段下降式で扉間3枚・車端1枚の配置としています。カーテンは巻き上げ式で2段階での調整が可能。荷棚に網棚を用いるのは東急のこだわりと言えましょう。

ued10-9人掛け

座席は2種類、まずは扉間の9人掛けから。1人当たり幅は450mmと広め、3人毎に座席間の仕切を設けて定員着席を促しています。袖仕切は東急9000系で採用されたパイプと袖板の組み合わせ、車内収受式ワンマンで欠かせない整理券発行機は扉と座席の間のスペースに丁度収まっています。なお写真の座席は中央3人分が優先席とされている様子、あまり見かけない位置への設定ですね…

ued10-4人掛け

車端部は4人掛け。本形式に限らずこの頃の東急車共通の事項ではありますが、見かけによらず硬めの座布団はやはり気になります。

ued10-車椅子スペース

車椅子スペースは譲受に際し別所温泉方先頭車の車端部の座席を撤去して設置しました。暖房能力が落ちる分は壁掛けヒーターを設けて補っています。


FTN trainseat.net>中部地方各社局に戻る

inserted by FC2 system