阪急6300系(嵐山線)|FTN trainseat.net

阪急6300系(嵐山線)

写真: 6353a

1975年に登場した京都線の6300系は2扉の特急車、しかもその扉を車体の両端に寄せた点が特徴でした。長らく特急を中心に使用されてきましたが、度重なる停車駅の増加はその設備が仇となって乗降に手間取るようになりました。しかしながらこの車両の車齢は阪急の中で見ると「中堅」レベル、その10年以上前に製造された電車が平然と走っている状況にあって廃車にする訳には行かなかったようです。一方通勤車化したとて車体寸法の関係から堺筋線には入れませんし、するにしても車齢と扉位置が問題になるのは明らかで、結局2扉のまま3編成が8連から4連に短縮され嵐山線用になりました。
転用にあたってはリニューアル工事も併せて施工、車内は大きく変化しました。基本的に嵐山線の全列車で使用されますが、行楽シーズンになると4連では対応しきれず他形式の6連が出てくることもあるようです。


63n-車内全景

車内全景です。扉付近をロングシート化、またクロスシートも2列+1列に取り替えて立席スペースを確保しています。6300系の配置に9300系の要素を持ち込んだ雰囲気です。

 63n-車端部

車端部です。補助座席は姿を消し、代わってクッションが設置されました。貫通扉の窓の天地寸法が大きくなった点や、化粧板が他より濃いのはリニューアル車共通です。

63n-乗務員室仕切

乗務員室との仕切り。化粧板以外は手付かず、大きめの窓で前面展望も良く効きます。

63n-天井

天井は全く触れていないようで、改造前と同じです。

63n-ドア

扉です。やはりリニューアル車共通となっている濃い目の化粧板と大型窓ですが、これが6300系で見れるようになるとは思いませんでした…

63n-床

床もリニューアル車共通のブロックパターンのものに取り換えられています。

63n-窓・カーテン

カーテンはフリーストップタイプ。以前は阪急特有の鎧戸でしたが、扱うのに難儀するのでこちらの方が良いと思います。

63n-棚

棚は9300系のものと同じように交換されました。

63n-2人掛けクロス63n-2人掛け固定

座席の様子を見ていきます。まずは2人掛けクロスシートですが、9300系とほぼ同じものです。異なる点といえば脚台でしょうか、9300系はJR九州の817系に似た「A-train」共通仕様(?)の中央に太い脚があるタイプですが、こちらは窓側と通路側に脚があるタイプです。いずれにせよ、いつものモケットではなかったり、バケット形状を意識していたりと阪急らしからぬ座席に仕上がっています。右側は固定座席で、扉寄り(といっても扉までは随分あるのですが)に設置されています。シートピッチは900mmが基本、固定座席部分だけ980mmと広めです。

63n-1人掛けクロス63n-1人掛け固定

1人掛けは初登場です。形状は2人掛け席と同等、通路側・壁側の両方に脚があるのがよりはっきりとわかります。特急車時代には窓側にも肘掛があったのですが、流石に無くなってしまいました。肘掛が欲しい位置に謎のラインが2本入っていますが、これは一体何なんでしょう…

63n-2人掛け

運転席後ろは2人掛け席です。元々肘掛のついた段織りモケットのロングシートでしたが、やはりリニューアル仕様に改造されています。モケットは9300系に近いものでしょうか、見た目が他の車両とは何か違うような、そうでないような…

63n-4人掛け

4人掛け席は先頭車の先頭寄りにありますが、間仕切りがあるので2人掛け×2の構成です。新造車では9300系から採用されたロングシートの座席間仕切ですが、7300系リニューアル車以降はリニューアル車でも採用されるようになりました。形状は7000系の途中から採用された袖仕切りに近く、9000系などとは異なります。

63n-7人掛け

7人掛けは2-3-2で分割。ロングシートの1人当たりの幅はいずれも475mmと広めです。

63n-車いすスペース

車いすスペースももちろん装備。立席スペース然としていますが、窓に一応車いすステッカーが貼ってあります。なお隣の座席は5人掛けです(撮り損ねてしまいました)。

63n-運転台

運転台はワンハンドル、手直しはしたでしょうが大きな変更はありません。

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