阪神5001形|FTN trainseat.net

阪神5001形

写真: 5009

競合他社に先駆けて冷房化を進めていた阪神ですが、普通用車両「ジェットカー」への本格実施は急行用車両(赤胴車)の冷房化完了を待ってからとなりました。このうち初期のジェットカーは改造せず廃車することとなり、代替車として1977年に登場したのが2代目の5001形です。車体は赤胴車3801・3901形を踏襲した屋根高め・幕板広め、一部車両の台車は本形式での置き換え決定前に機器更新を始めた5201形から流用しています。1981年には同様の車体で電機子チョッパ制御を採用した5131・5331形も登場しています。

2連16編成が製造され、夜間以外は適宜他車を併結して運用していました。これが変わったのは1988年、前年の普通電車全4連化で2編成を1組にする改造が行われました。併せて方向幕の設置、前面幌枠の撤去が行われ外観は現在の姿に。阪神・淡路大震災でも被災は無く全車健在、震災後登場の5500系と共に普通運用を担ってきましたが、新車5700系の登場で2015年から5131・5331形の置き換えが行われ2019年に全廃。本ページ作成時点で5001形に廃車はありませんが、2023年度までに置き換えが行われることが明らかになっています。かつての阪神電車の雰囲気と、強烈な加減速を味わえるのもそう長くなさそうです。


50-車内全景

まずは車内全景から。以前は緑色の化粧板・床に蘇芳色のモケットとメリハリのある色遣いでしたが、モケットまで緑色になり一面緑色の空間になりました。19m級3扉の車内は登場時から大きく手を加えられることも無く現在に至っており、8000系以降の新車・リニューアル車とは外観だけでなく内装でも古さを感じてしまいます。

50-車端部

車端部です。従来車と同じ構成ながら、向かって右側の妻窓は本形式の増備途上で開閉式から嵌め殺しに変更されています。

50-車端部2

4両固定編成化に際して中間に挟まる乗務員室は撤去されました。三面折妻の形状は変えられませんでしたが乗務員室仕切を撤去し座席を延伸、乗務員扉の位置には客室と同様の窓を設けた結果、一見しただけではそれと気づかない仕上がりになっています。現在も簡易運転台を設けており、妻面付近は幾分余裕のある構成になっています。

50-乗務員室仕切

乗務員室仕切です。大きな窓は左右とも二段式、仕切戸に握り棒が付いているのも昔の阪神電車の文法です。

50-扉

扉は他社より幾分広めの1400mm、周囲の化粧板と同様緑色としています。戸袋への引き込み事故を防ぐべく、近年になって縦に黄色いステッカーを貼っています。

50-天井

天井です。冷房は分散式、その間にラインデリアを設けています。蛍光灯はカバー付き。

50-床

床も緑色。

50-窓

側窓は上段下降・下段上昇の2段式、巻き上げ式のカーテンはモケット交換と同時に生地を変えたのか1000系と同じ柄が入っています。

50-8人掛け

座席を見ていきましょう、扉間は8人掛けです。8000系以降の車両が大半となり、その8000系も内装の更新を行った今、阪神でバケットシートでは無い座席を有するのは本系列だけとなっています。以前の蘇芳色のモケットの時は沈み込みが過ぎるくらい柔らい座面だったのですが、1000系同様の緑モケットに変えたタイミングで中の詰め物も変えたのか沈み込みがほとんど無い驚きの硬さになってしまいました。いずれにしても本系列の高加減速についていけない節があり…

50-5人掛け50-5人掛け優先

車端部は5人掛け、優先席は以前と変わらず灰色のモケットを使用します。形式図を見ると5人掛けとするには些か広すぎます(1人当たり幅415mmとすると丁度6人分)が、左写真妻面の大きく張り出した消火器などを見るとあまり現実的ではありません。

50-車椅子スペース

中間車には車椅子スペースを設けています。座席を従来の半分程度に短縮し手摺を設置した格好で、最低限の設備と言った印象。

50-3人掛け50-3人掛け優先

乗務員室直後は3人掛け、優先席は神戸方の先頭です。


50-運転台

運転台です。右側の計器上の半円状の張り出しは戸閉表示灯で、レール方向に青胴車を示す青い帯が入っています。

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