阪神7890・7990形|FTN trainseat.net

阪神7890・7990形

写真: 7890

1986年に登場した7890系は、元々現在の阪神なんば線、および近鉄直通を見越して製造された3801・3901形がルーツとなっています。車体は7001形と同等で、制御装置は抵抗制御です。しかしこの3801・3901形はブレーキ形式の相違で連結できる車両が登場直後に廃車されそうになったり、不具合が多く特に3901Fに至っては果ては原因不明の脱線が数回起こるという有様で、1985年の脱線で懲りたのかついに廃車に。1986年には残った8両で本線優等用の8901Fと武庫川線用7890Fにそれぞれ改造されました。こちらは武庫川線専用車ということで、必要な設備の追加や不必要な装備の撤去が行われています。

その後、車いすスペースの設置やワンマン運転対応工事が行われましたが、外観が大きく変わることもなく、のんびり武庫川線を行ったり来たりしています。
※取材は2009年なので、現在とは様子が異なっているかもしれません。


789-車内全景

車内全景です。えんじ色のモケットはかつての阪神の標準です。

789-車端部

車端部です。7861・7961形と同等で、扉は左に開き、右側の窓は開閉可能な構造です。

789-運転台仕切り1789-運転台仕切り2

運転台との仕切りです。左が武庫川方、右は武庫川団地方で、武庫川方の車掌台側には車いすスペースが設置されています。よく見ると扉の窓の大きさや造りが両車で異なっています。実はこの編成、1編成の両側を持ってきて仕立て直したのではなく、別々の編成から先頭車を持ってきています。武庫川団地方の7890は3901形1次車の元3904、武庫川方の7990は同2次車の元3905で、1次車は同線に残っている7861形と同じような構造です。このような違いがあるとは正直意外でした。

789-ドア

扉は他車より少し大きめの1400mm。化粧板でなく塗装で周囲とマッチするように努力しています。開閉の際にはブザーが鳴ります。

789-天井

天井は蛍光灯を両側に配置しラインデリアを設けたスタイル。分散冷房を搭載していますので、所々に少し張り出した吹き出し口があります。蛍光灯はカバー付きです。

789-床

床は柄なしの灰色、割と明るめな気がします。

789-カーテン

窓周りです。カーテンは3段階にストッパーのある巻き上げ式、窓は2段窓です。

789-8人掛け

さて、座席に入りましょう。メインは8人がけです。よく沈み、これが本線だと跳ねるような感じにもなってしまいそうですが、45km/hまでしか出せないこの車両ではそんな心配は要りません。

788-5人掛け789-優先5人掛け

車端部は5人掛けと思われます。判別に困る場合は着座の跡なども見て判断することがあるのですが、取材時はそれもありませんでした。優先席は灰色。

789-3人掛け789-優先3人掛け

乗務員室直後は3人掛けです。各車両とも武庫川団地方車端が優先席です。

789-運転台

運転台は2ハンドルを採用。カプセル薬のような出っ張りが気になりますがこれはドア閉め表示灯で、ドアが閉まると内側が光ります。オレンジのラインは赤胴車であることを識別するためのものだと思います。

789-行先選別機

まず使われない行先表示選別機が残っていました。特急や急行などといった優等列車の幕や、今は亡き準急まで…


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