北陸鉄道7000系

写真: H7102_7201

金沢市の中心から少し外れた野町からJRと接続する新西金沢を経由し鶴来に至る北鉄石川線、かつては更に先に向かう金名線や寺井から鶴来に至る能美線などの路線網を誇り「石川総線」と総称されましたが今は昔。旧型車を置き換えるべく1990年に投入されたのが元東急7000系の7000系で、非冷房の7000形・冷房付の7100形・冷房付で先頭車化改造車の7200形の3種類があります。外観では腰板に橙帯を巻いたこと、また当初は時期によって着脱していたようですが大きなスノープラウが特徴です。足回りは東急時代日立製の機器を使用していたグループですが架線電圧の相違から総取替となり、台車は国鉄や西武から、制御装置や主電動機は国鉄形電車から、MGは西武から、CPは営団から…など各地からの寄せ集めとなっています。

本形式投入後も予備車として旧型車2両が残存しましたが、あくまで予備との位置づけから基本的には本系列による運転となりました。2007年に旧京王3000系の7700系が投入されてからは非冷房の7000形が予備車の立ち位置に回っており、管理人は動いている姿を見たことがありません。製造から55年、北鉄に来てから30年程度が経過しますが、置き換えは浅野川線の元京王3000系が先行するようで、まだ当分活躍しそうですね…


H71-車内全景

車内全景です。クリーム色の化粧板に臙脂色のモケットを維持、東急時代の雰囲気を色濃く残しています。

H71-車端部

車端部です。幅1300mmと広い貫通路は乗客の通り抜けは勿論のこと乗務員室からの見通しも良さそう、ワンマン運転を考えて作った電車ではありませんが非常に都合の良い造りな訳ですね。写真左上には冷房送風機を設置しており、荷棚は使えなくなっています。

H71-乗務員室仕切H72-乗務員室仕切

大きな窓が特徴の乗務員室仕切です。左は当初からの先頭車、右は先頭化改造車の様子ですが両者に特段の差異はありません。運賃表示機は無く紙の運賃表で対応、仕切戸の前には運賃箱を車掌台側には機器箱を追設しています。

H72-お守り

車番の下には白山比咩神社のお守りを設置。厚みがあり反射材になっているタイプで、実際に貼っている車は見たことが無いものの本来は自家用車に貼るような物です。

H71-扉

扉は1300mmの両開き、片側3か所にありますが中扉は有人駅でも開きません。

H71-天井

天井です。冷房の設置以外は大きく変わっていないようで、扇風機も冷房を補助する役割もあってか存置しています。

H71-床

床は茶系で柄はありません。

H71-窓H72-冷房

窓は扉間3枚・車端1枚、上段下降・下段上昇式で開口部は950mmと大きめ。カーテンは巻き上げ式で3段階の調整が可能です。荷棚は網棚ですが、ご覧の通り冷房機器が鎮座して使用できない箇所があります。

H71-10人掛けH72-10人掛け2

座席は2種類、まずは扉間から。1人当たり幅450mm程度の10人掛けでしょうか、右写真のように冷房への配管を袖仕切に沿わせて立ち上げた箇所もあります。経年車ではありますが丁寧に使い続けているようで、掛け心地も悪くありません。

H71-4人掛け

車端部は4人掛け。整理券発行機が扉側に張り出すような形で設置されていますが、撮影日は鶴来駅でのイベント等の関係かカバーが被せられていました。軌道の問題か台車の問題か割と揺れる印象で、車端部ですとその意をより強くします。

H71-運転台H72-運転台

運転台です。左が元からの先頭車、右が先頭化改造車ですが、レイアウトは特徴的な形状の計器カバー含め極力統一されています。水間鉄道の車両と比べるとマスコンや計器回りの色の違いなどが目立つでしょうか。いずれも計器カバーが白みがかっているのは少し気になります。


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