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伊予鉄道700系

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名車との呼び声も高い京王5000系、廃車後も軌間の相違にも関わらず18m級の手頃な車体長から地方私鉄への譲渡が複数成立しました。そのトップバッターとなったのは伊予鉄道向けで、吊り掛け駆動・非冷房の5100系を一挙28両導入しました。もっとも足回りは台車の交換と共に高性能化されており、冷房も後年自社で改造し搭載。3両編成は2両+1両の構成としてラッシュ時は3連、閑散時は1両を解放し2連で運用することとなり、ラッシュの終わりに単行で回送されていく様は「坊ちゃん列車」や路面電車との平面交差と共に伊予鉄名物でもあります。

2009年からは京王3000系が一挙10編成導入され、本形式からも3編成が廃車されましたが内1編成(2両)は何と関東に戻って銚子電鉄に再々就職。残った車両は2015年から塗装をよく目立つ濃オレンジ1色に改められています。現在は2連7編成と増結車5両が在籍しており、3000系と共に郊外線各線で活躍しています。


iyo70-車内全景

車内全景です。クリーム色の化粧板に蘇芳色のモケットは京王時代と変わらない模様、移籍から30年が経過しても冷房化を除いては大きな改造なく丁寧に使い続けているようです。

iyo70-車端部

車端部です。扉の無い貫通路は側扉より幅が広いようで、隣の車両と一体であるかのような構成としています。

iyo70-乗務員室仕切

乗務員室仕切です。側窓と同じ天地寸法の仕切窓は前面のパノラミックウインドウと相まって開放的な印象、仕切戸は前面貫通型な割には狭め。

iyo70-扉

扉は片開きで幅は1200mm。座席は窓がある部分のみの設置のため、扉横には若干のスペースがあります。

iyo70-LCD

情報案内装置はLED式のものを設置していたようですが、2020年に乗車すると液晶式に交換されていました。液晶式としては小さめながら、列車案内のみならず駅間では広告も入るなど表示内容は豊富。

iyo70-天井

天井です。ほぼ全車が非冷房の状態で伊予鉄にやってきて、冷房化されていた1両を含めた全車が1両3基の集約分散型冷房を搭載しています。冷房装置の直下には蛍光灯の並びに吸気口があるなど独特な構成です。

iyo70-床

床はクリーム色。写真は少し暗めに写ってしまいましたが、実際はもう少し明るく見えます。

iyo70-窓

窓は戸袋窓を含めて2段式。カーテンは巻き上げ式で4段階での調整が可能です。

iyo70-8人掛け

座席を見て行きましょう、まずは扉間から。形式図を見ると1人当たり400mm程度の9人掛けを想定したのかな、と思いますが実際にはそれより少ない人数で着席する機会が多いでしょうか(以後も着席定員は形式図を基にした推測です)。京王時代の構造をそのまま保っているようで、柔らかい座面を維持しています。

iyo70-6人掛け

車端部は6人掛け、妻面のモケット張りは京王時代からの名残のようです。写真は優先席ですがモケットでの区分は無くステッカーのみの対応。

iyo70-2人掛け

乗務員室直後は3人掛けのようですが、これは流石に狭そうです。なお「自転車持ち込みスペース」は高浜・郡中港方先頭に設定されており、土休日のみ郊外電車のほぼ全駅から有料で自転車を載せることが出来ます。あの大きな松山市駅からも載せることが出来るそうで…

iyo70-運転台

運転台は運転室を仕切ることが出来る構造になっています。


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