JR東海 キハ25形0番台
様々な仕様が登場していた313系ですが、2010年には遂に「気動車版」とも言えるキハ25形が登場しました。投入先は同時期に電化が発表された武豊線で、同線のキハ75を快速「みえ」の増強に充てるためのものでした。外観の特徴としては313系そっくりながら貫通扉上の前照灯を省略したこと、スカート形状を変更したこと、そして将来の転用に備えステップ設置の準備工事を行っていること…でしょうか。機関出力は先輩格の気動車キハ75形より低く、併結運転も出来ません。
当初は武豊線と朝夕の東海道線直通運用に充当されていましたが、2015年の武豊線電化で高山・太多線に転用。岐阜~猪谷間および美濃太田~多治見間で活躍しており、2014年からキハ11形・キハ40系置き換えを目的に新製投入されたキハ25形1000番台とは運用が分かれているようです。
車内全景です。ここ最近電車と気動車の垣根は徐々に低くなっていましたが、313系と何ら変わらない車内には驚いてしまいました。3扉・扉間クロスシートの車内は同時期登場の313系1300番台と同等です。
トイレの無い車端部は下り先頭車にあります。あれ?と思われた方もいらっしゃるかもしれません、313系とはトイレの位置が反転していることになります。これに関しては同じ気動車のキハ75形に合わせた形のようです。
トイレは上り先頭車に設置されています。設置場所こそ違えど造りは313系と同等で、手前の客用扉が写っていなければ313系の画像フォルダに紛れ込んでいても気づかないと思います。
そのトイレは車椅子対応の洋式、出入扉は押しボタン式です。
反対側には車椅子スペースを用意、パネルヒーターも設置されています。どういう訳か非常通報装置の位置が同時期の313系とは異なるようです。
乗務員室仕切は左半分の窓を分割し一部を開閉式にしたワンマン運転対応のタイプ。上部には運賃表示用の液晶ディスプレイも設置されています。
扉は左写真のように元々313系同様に化粧板を貼ったもので、ステップもありませんでした。しかし高山線転用に際しては準備工事としていたステップを設置、扉は2014年に登場したキハ25形1000番台と同一品に交換されています。出入り口付近の床を黄色くしたのは本形式および313系4次車からで、これも従来車に反映されています。
半自動扱いの際の押しボタンは従来車に比べて大きなものになりました。緑と赤の色遣いは既存車に対しても追加のシールで反映しているようです。
扉上にはLED式の情報案内装置を設置しています。
天井も313系並み。左手前にオレンジ色の吊革が写っていますが、本形式および313系4次車からはオレンジ色を用いて優先席を目立たせるようにしています。
床は模様の入った濃淡グレー。
窓は座席に合わせて5分割されたタイプ。カーテンはフリーストップ式です。
座席を見ていきましょう、まずは扉間の転換クロスシートです。ダブルリンク機構の付いた背摺りに幾分狭めのシートピッチは313系と全く同様です。一方で武豊線にはキハ75形の捻出を目的に投入されたわけで、そちらと比べてしまうとシートピッチ・幅ともに幾分余裕の無い座席のようにも見えてしまいます。優先席は枕カバーをオレンジ色にして区別していますが、313系では1次車のロングシートのみモケットを変え、3次車ではそれも止め…と迷走気味だったのでようやく落ち着いたようです。
扉横は固定クロスシート。
座席の背面には寄りかかるためのクッションを設置。武豊線時代は勿論、現在も時間や区間によっては混むこともありますので…
岐阜方先頭車の車端部には4人掛けロングシートが設置されています。袖仕切りは大型に、また中間にもスタンションポールが設置されました。座面が低いのと端部の肘掛のような出っ張りが大して使い物にならないのは相変わらずです。
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