JR東海キハ75形400番台|FTN trainseat.net

JR東海 キハ75形400番台

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 1993年に登場したキハ75形は電車並みの車内設備に電車にも引けを取らない加速・高速性能が持ち味の気動車です。まずは名古屋から伊勢方面の快速「みえ」に投入され、近鉄相手に圧倒的不利だったJRにも少しずつ風が吹き始めました。ただ当初製造された1次車は12両(実質6編成)で最低限の数と言ったところ、1999年にはキハ58系など老朽気動車を置き換えることで快速「みえ」に加えて急行「かすが」、それに名鉄との競合がある武豊線列車を置き換えるべく2次車が一挙28両製造されました。
 2次車のうち16両は0番台と同様に快速「みえ」のほか新たに急行「かすが」、東海道線に直通する武豊線列車に投入されましたが、残る12両は武豊線でワンマン運転を行うための設備を搭載した400番台に区分されました。今回ご紹介するのはワンマン設備を搭載した400番台で、登場から長らく主に武豊線で活躍していましたが快速「みえ」を増結するため2010年にキハ25形が製造されると日中のワンマン運用を同形に譲っています。更に2015年には武豊線電化とキハ40系・キハ11形の置き換えを行うため高山線に転用、耐寒化工事を行い車番を+3000されています。現在は高山線岐阜~下呂間と太多線で、キハ25形と共に持ち前のワンマン設備も活用した運用に就いています。


75-車内全景s

車内全景です。本番台の登場は1999年で313系1次車と「同期」になりますが、同系とは対照的と言っても良い落ち着いた色合いや車内空間はキハ75形0番台譲りのものです。

75-車端部

車端部です。311系によく似た配置で、貫通扉の形や情報案内装置の位置もほぼ同一です。

75-車端部275-トイレ

上り先頭車にはトイレを設置。0番台では正面のトイレの壁に公衆電話を設置していましたが、本番台登場の頃は携帯電話が広まりつつあった時代ですから流石に設置されていません。トイレは洋式、配置は0番台と同様で妻面側に入口があります。

75-運転台仕切り_1s75-運転台仕切り_2s

乗務員室仕切は0・200番台とは異なる構成。前面貫通式の車両にしては珍しく仕切戸が車掌台側に寄っていますが、これは右写真のようにワンマン運転時の運賃収受を容易にするための工夫です。なお運賃表は高山線に移った際に液晶化されていますが、写真は撮り損ねてしまいました…

75-扉

化粧板を貼った扉は電車と同じ1300mm幅。扉脇の立席スペースはほぼ皆無で、整理券発行機を設けたこと、電車に比べて車体が長いことなどの影響もあるとは言え座席が2列多くなっている影響は隠せません。なお床の高さも電車並みでステップも無く、これが仇となり高山線では岐阜から下呂までしか運用できません。

75-整理券収納s

整理券発券機は大きな箱の中に収めて周囲の雰囲気に合わせていますが、高山線転用に合わせて目立たせるために化粧板の色を改められています。その上には半自動扉扱い時に使用する押しボタンが設置されていますが、近年の新車に比べるとボタンは小さく色も目立ちません。

75-LED表示機s

情報案内装置はLED式、車端部の向かって右側に設置されています。わざわざ「自由席」と示していたり、号車表示があったりするのは快速「みえ」に一部指定席が設定されているため。0番台は禁煙マークのところにデジタル式の時計が設置されていましたが、本番台製造の頃には既に過去の設備になっていた感もあり設置されていません。

75-天井

天井は中央にラインデリア、両脇に空調吹き出し口、カバー付き蛍光灯の順。吊革は扉付近のみの設置ですが、混雑する時間帯や運用もありますので扉間にも欲しいところ。そして特筆すべきは吊り広告が皆無なこと。

75-床

床はグレー系が中心ですが、通路は彩度控えめのオレンジとも赤とも取れる色。

75-窓

窓は扉間に6列設けられた座席に合わせて3分割されています。カーテンは横引き式で同時期の近郊形電車に比べ高級感が漂います。

75-転換座席

座席はオールクロスシートですが、まずは扉間の転換座席から見ていきます。見た目は0番台に近いですが、背摺りには同時期登場の313系と同様にダブルリンク機構が仕込まれており、着座時の姿勢が少しでも自然になるよう配慮されています。その代償というか何というか、0番台のシートピッチが940mmだったのに対し本番台は910mmと30mm詰められています。足元は空間になっており、前の席に足を伸ばすことも可能です。

75-固定

扉横と車端部は固定クロスシート、こちらの脚台は座席下が塞がっています。しっかりした座面に加え、転換座席も含めて背摺りの形状が良くなったため座り心地は良好な部類。床高さの問題さえなければ高山や猪谷まで入ってほしいものですが…

75-仕切り

中央扉と座席の仕切りは特徴的な形状。化粧板に一部モケットを貼った座席背面に、窓側は半透明の板が天井まで伸びています。車端部の情報案内装置にあった「自由席」のプレートがここにもありますが、快速「みえ」では2連運用の場合半室のみ指定席になるのでここにも表示板が必要になるのです。

75-固定座席(トイレ横)

トイレの反対側にもボックスシートがあります…が、座面と肘掛の様子が何だか変。ここ、実は車椅子スペースで、座面を跳ね上げると握り棒と車椅子固定金具が出現します。マウスを右写真へ!


75-運転台s

運転台はツーハンドル。少しずつ近づいていたとはいえ、まだ様々な面で気動車と電車に違いが目立っていたころの車両です。

座席系

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関連項目

編成別写真集>JR東海キハ75形

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