JR東日本E129系|FTN trainseat.net

JR東日本 E129系

写真: ニイA15

首都圏のみならず地方の路線で使用される国鉄形も次々置き換えるJR東日本ですが、その中にあって115系が活躍する長野と高崎、それに新潟は取り残されている感がありました。特に新潟地区には初期車も残存、中には製造50年が見えてきた車両もありました。そんな115系を置き換えるべく長野地区には211系を転用した一方、2014年から新潟地区に投入したのが本頁でご紹介する新車E129系を投入です。…ただ、最初に置き換えたのは北陸新幹線延伸に伴い並行在来線に転用されることとなったE127系で、115系の置き換えは年度を跨いでからとなりました。運用範囲は115系が運用されていたほぼ全域、既に115系が姿を消した区間もあるようです。
編成は2連と4連、ステンレス車体の3扉車という構成は仙台地区のE721系に通ずるところもあります。一方機器類を見てみると、主電動機を各車均等に搭載するなど新機軸も見られます。2連30編成と4連25編成が投入される予定ではありますが、これだけでは新潟の115系を全て置き換えるには至らないような気もするので115系共々今後に注目したいと思います。


ニイAB-車内全景1ニイAB-車内全景2

車内全景です。3扉の近郊型と言うことで、新潟で活躍する115系や本形式のベースとなったE721系のような近郊形伝統の配置かと思いきや、2か所ある扉間のうち片方はロングシートとされています。ボックスシートは1両4箇所と首都圏の4扉近郊型よりも少なくなっており、列車や時期によっては争奪戦が必至かも。座席モケットは車体の帯と同様に朱鷺をイメージしたのか、他では見られないピンク系のものを用いています。

ニイAB-車端部

車端部です。奥行きが深いのはJR東日本に限らず最近の近郊形ではあまり見られませんでしたが、やはりE721系と同じ寸法。優先席なので壁はクリーム系、床は濃淡赤の縞模様、吊革やスタンションポールの黄色が目立ちますが、E233系と共通品であろう貫通扉付近は通常部と同じ色のようです。

ニイAB-車端部3

新津・村上方先頭車にはトイレを設置しています。

ニイAB-トイレ1ニイAB-トイレ2

トイレは大型で車椅子に対応したもの、E233系やE721系とほぼ同等でしょうか。扉が淡いピンクなのは本形式独自の配色です。内部も同等ですが、手洗いとトイレットペーパーの位置関係や手洗いの真上を横切る握り棒など、配置はもう少し何とかならなかったのか…と思います。

ニイAB-車椅子スペース

トイレの反対側には車椅子スペースを設置。固定金具の類いは無く、握り棒も必要最小限ですが、パネルヒーターは多めに設置されているようです。E721系ではこの位置に2人掛け席を設けていましたが、左に写る機器室が大型化しているせいか本形式にはありません。

ニイAB-乗務員室仕切

大きな窓が目立つ乗務員室仕切です。貫通扉に目が行きますが運転台直後や車掌台側の窓も大きくなっており、115系ではほとんど期待できなかった前面展望を十分楽しめます。一方でこの貫通扉、車内でほとんど唯一となる銀色無塗装の扉となっています。折角なので化粧板を貼ってほしかったですが、或いは乗務員室であることを示したかったのか…

ニイAB-液晶モニタ

扉上には液晶モニタを設置、ワンマン運転を行う列車では運賃を表示します。

ニイAB-車端部2

再び車端部の登場です。本形式は2連と4連がありますが、ここまでご覧いただいた通り先頭車は乗務員室側と連結面側で奥行が違っています。元々2連が前提のような割付ですので中間車はどう作るだろうと思ったら、先頭車と同じ割付のまま車端を客室にしてきました。この考え方は近鉄や南海の通勤車で見られますが、両社ともその設計を改めて20年以上経過しており、まさかJRの新型車で見ることになるとは思いませんでした。
更に2連と4連ではボックスシートや優先席の位置も合わせてあり(1か所だけ異なりますが)、本形式の4連は「2連を2本繋いで中間の乗務員室とトイレを取り払ったもの」と言ってしまっても良いと思います。

ニイAB-扉1ニイAB-扉2

扉は周囲に合わせて白の化粧板を貼っていますが、窓はE233系とは異なり丸みを帯びています。LED式の情報案内装置は千鳥配置ですが、それが設置されていない扉上には液晶式の「車内ビジョン」を設置できるようになっています。1編成だか2編成だかで試験をやっているとは聞いていますが、本格的に設置が進むかどうかが見物です。

ニイAB-LED

情報案内表示器は一段のLED式で、列車や駅の案内を行います。そういえばジェロって今何やってるんでしょう

ニイAB-天井

天井です。ラインデリアは無く、LED式とした照明の内側に空調吹き出し口があります。吊革はE531系・E233系で一般的になった黒いタイプ。

ニイAB-床

床は灰色一色、これがE233系のようなベージュ系だとまた車内の印象が違ったかもしれません。

ニイAB-窓ニイAB-窓(ボックス部)

窓は扉間2枚・車端1枚ですが、扉間の片側は桟が入っており大きい方を下降窓としています。ボックスシート部は窓框を広く取っていますが、E721系のようなテーブルはありません。

ニイAB-ボックスニイAB-ボックス1

ここから座席をご覧いただきますが、まずはボックスシートから。先頭車・中間車とも1両に4区画、いずれも乗務員室から遠い方に設けられています。形状はE233系3000番台とほぼ同等、座面は良いもののやはり背摺りが…という評価も相変わらず。窓側には隙間埋めのためかクッションが設置されていますが、製造から日が浅いというのに既に浮いたり取れたりしてしまっています(右画像の窓側、座面と壁の間の黒いものがそれです)。因みにこの座席、片持ち式ではありますが窓側に脚のような物があります。
ボックスピッチは1610mmとかなり広め、空いている車内でボックスシートを占領し足を投げ出す乗客も時折見かけますが、この座席でその体勢を取って快適と感じるのは足が長い人に限られそうです。 自分ですか?試しましたけどすぐ止めました…

ニイAB-2人掛けニイAB-2人掛け優先

ボックスシートを設けた扉間の扉横には2人掛けを設定、一部は優先席とされています。優先席はお馴染み赤系の背摺りに黒い座面、付近の壁はクリーム色にしています。

ニイAB-11人掛け

扉間のロングシートは11人掛け、スタンションポールが間に2本入ります。

ニイAB-4人掛け優先1

2連と4連の1-2・3-4号車間の車端部は4人掛けで、連結位置を問わず優先席とされています。2人掛けと共に片持ち式ではありませんが、E721系も同じ部分が脚付きの座席だったことを思い出しました。

ニイAB-3人掛け

4両編成のほぼ中央部には3人掛けの座席を設置。座り心地はやはりE233系と同等です。


ニイAB-運転台ニイAB-車掌室

運転台は前面貫通式のためコンパクトな作り。貫通時には貫通扉などを使って通路を形成、車掌室部分には入れないようになっています。


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