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JR四国 キハ185系

DC185-17DC185-21

国鉄分割民営化を翌年に控えた1986年、経営基盤が脆弱になると見られた北海道・四国・九州地区向けに言わば「置き土産」的な性格を帯びた新車が複数投入されました。四国に投入された特急形気動車キハ185系もその一員で、ステンレス車体と急行型・一般形気動車然とした1両単位での運用を前提にした点が特徴です。当初は左写真のような緑帯で登場しましたが(写真は復刻塗装)、JR化後はコーポレートカラーの水色帯を纏います。
JR化後も増備され民営化直後に開業した瀬戸大橋フィーバーも経験しましたが、その後は世界初の振子気動車2000系の登場と予讃線電化の影響で活躍の場が狭まった結果、JR九州に譲渡されたり普通列車用に格下げされる車両まで発生する有様。一方で2000系の老朽化で置き換え用2700系が登場した2019年になっても残存している本形式は安泰、2000系の軽量設計に比べると頑丈なのでしょうか。近年観光列車化された車両もありますが、今回は主に徳島線特急「剣山」などで使用される通常仕様の車両をご覧いただきます。


■客室■

DC185-車内全景

まずは車内全景から。全体的に寒色系でまとめた色調は改装の結果のようですが、その雰囲気はJR化後登場の2000系とも大きな差を感じないものとなっています。もっとも登場から大きなリニューアルを受けていないため各部の造りに古さを感じないでもなく、個人的には窓より上の各パーツから現在の車両にはない雑然とした印象を受けます。

DC185-車端部DC185-車端部2

デッキ仕切は水色の自動扉がアクセント、情報案内装置の類は現在に至るまで追設されておらず号車や自由席・指定席などのプレートをそれぞれ掲出します。先頭部の仕切は前面展望を考慮し仕切戸の窓を大きくしたほか車掌台側の壁にも窓を設置、更にデッキと車掌台の仕切に壁を設けなかったので眺望は良好。この位置の窓は以後の新造車にも脈々と引き継がれています。

DC185-仕切テーブル

仕切にも折り畳み式テーブルを設置。ちなみに先頭部仕切とテーブルの化粧板は名鉄5300・5700系と同一の模様で少々驚き。

DC185-天井

天井です。照明はカバー付き、荷棚は前飾り付きとは言えパイプ式。

DC185-床

床は通路部を水色、両側をクリーム色としています。

DC185-窓

窓は2席で1枚、カーテンは青系の横引き式。座席番号札の上部に見えるのはスポットクーラーです。

DC185-座席DC185-座席展開

座席は2人掛けのリクライニングシート。国鉄末期~JR初期の特急形によく見られる一般的な座席で、モケットは一度変更されたほか肩部の取っ手はどうやら後付けのようです。シートピッチは940mmでキハ183系と同様以前の特急形に比べ幾分広め、ただ写真の区画のように座席下に機器箱があり足を前に伸ばせない区画もあります。中央肘掛は無く、両側の肘掛袖体には灰皿も設けていますが現在は全車禁煙で引き出すことは出来ません。

なお既に存在しませんが、中間車キロハ186形の普通車は当初0系の廃車発生品である転換クロスシートを1020mmピッチで設けていたとのこと。「標準シートピッチの自在腰掛」と「シートピッチが広い転換腰掛」が同じ普通席で混在するというのは何とも微妙…

DC185-座席背面

座席背面にはテーブルと網ポケットを設置。テーブルの色は変色しているのか随分黄色くなってしまっています。


■デッキ・その他設備■

DC185-扉

各車2か所に設置した扉は特急形気動車伝統の折戸、2枚で一体に見える窓デザインが特徴的です。

DC185-デッキ

デッキは幾分暗め、飾り気の無い空間になっています。

DC185-トイレDC185-洗面所

便洗面所は0番台に設置。

DC185-運転台DC185-車掌台

運転台は貫通式とあってコンパクト。車掌台側の仕切はパイプ1本とかなり開放的な構造です。


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