キハ185系「アイランドエクスプレス四国II」|FTN trainseat.net

JR四国キハ185系「アイランドエクスプレス四国II」

DC185-11DC186-9

国鉄時代にこれと言ったジョイフルトレインが無かった四国地区、JR化後すぐに余剰の50系客車を大改造し「アイランドエクスプレス四国」を登場させました。しかし機関車牽引のスタイルは運用上問題があり、更に老朽化も無視できなくなってきたことから、1999年に高徳線高速化で余剰となっていたキハ185系を「アイランドエクスプレス四国II」として改造しました…が、ジョイフルトレイン然とした改造がなされたのは中間車のキロハ186形を全室グリーン車化した新形式「キロ186」2両のみ。コーポレートカラーを纏っていた初代に対し、こちらは四国の自然美がテーマの全面ラッピングとしたため非常に目立つ存在となりました。

先頭車は中間車から続くラッピングを便洗面所部に施したキハ185-11・12を主に充当しますが、この2両は必ずしも「アイランドエクスプレス四国II」専属ではないため特急「剣山」などに充当される姿も見られます(普通車の車内はこちらをご覧ください)。2両あった中間車の内1両は2017年に土讃線の観光列車「四国まんなか千年ものがたり」に供出され、現在は1両のみの存在です。

※写真は関西大学鉄道研究会様・名城大学鉄道研究会様の貸切列車にて撮影したものです。関係者の皆様にこの場を借りて御礼申し上げます。


DC185I-車内全景2

まずは車内全景から。元は普通席・グリーン席の合造車で中央部に仕切がありましたがこれを撤去、通路を片側に寄せた変則2-1配列としました。各部パーツも既存品が目立つほか、荷棚の前飾りの赤と反対側の電球色の飾り灯を除きモノトーンな色合いも相まって、ジョイフルトレインにしては大人しめで飾り気の無い印象です。

DC185I-ステージDC185I-モニタ

車端部、まずはカラオケ機器とステージを設けた元普通車側から。元からのデッキ仕切の内側にもう一枚壁を設け、大型モニタを設置しています。鉄道雑誌に掲載された新車記事の写真と見比べると、モニタは少なくとも一度交換されているようです。カラオケは通信カラオケの「DAM」、画面は管理人がスターダスト・レビュー「本日のスープ」を歌っているときの様子です。

DC185I-冷蔵庫

仕切の裏側の隙間にはカラオケ装置を設置、その上には冷蔵庫が鎮座しています。

DC185I-デッキ仕切DC185I-下駄箱

一方の元グリーン車側は従来の仕切をそのまま使用、座席の前にはパイプ式の仕切を設置して通路を形成しています。また座席側には下駄箱を設けておりスリッパも用意されていますが、使用機会は多くなさそう。

DC185I-扉

一度デッキに出てみましょう。扉は折戸で銀色無塗装、元車掌室は形式図を見ると「荷物室」とされていますが内部がどうなっているかはよく分かりません。種車のキロハ186形に便洗面所は無く、前後の伴走車(キハ185形)のものを使用します。

DC185I-窓

窓は元々普通席・グリーン席の合造車だったことから車両中央を境に幅が異なっており、もちろん現在のシートピッチと窓割が合っていません。カーテンは横引き式、鴨居部には座席番号ステッカーを貼っています。

DC185I-天井

天井は従来の構成を引き継いでおり、カバー付きの蛍光灯がレール方向に連続して設けられています。荷棚は通路を設けた側を撤去、電球色の飾り灯を所々に設置しています。

DC185I-床

床敷物は通常の床材を使用、座席部が水色、通路部が柄入りの灰色系としています。

DC185I-2人掛けDC185I-2人掛け展開

座席を見てみましょう、まずは2人掛けから。50系客車の初代「アイランドエクスプレス」の座席をモケット張替えのうえ流用しており、大柄ながら低めの背摺りが特徴です。レグレストは脇のノブで操作、座席の回転ペダルはレグレスト間という珍しい位置にあります。シートピッチは1280mmとかなり広めで、設けても使いようがないとの判断なのかフットレストはありません。ほとんど角度が付けられていない肘掛にはインアームテーブルを装備します。

DC185I-座席背面

座席背面にはテーブルと網ポケットを装備。しかし先述の通りかなり広めなシートピッチな上、天板を手前に引き出せる訳ではありませんから使い勝手はよくありません。

DC185I-座席45°

座席は45度刻みで固定可能、6人で車座を形成することも出来ます。

DC185I-座席窓向き

そういう訳ですから窓向きに固定することも出来ないではありませんが、窓柱の関係もあって眺望を楽しむのはちょっと厳しいかも。

DC185I-1人掛け

通路側は1人掛け。こちらも2人掛け同様45度刻みでの回転が可能ですが、回転ペダルがレグレストの裏側という極めて分かり辛い・操作し辛い場所にあります。
背摺りが低く座面とリクライニング角度が存外浅いため、それらを補おうと着座位置が前寄りになってしまいがちです。もっともカラオケをしたり仲間と談笑したり、更には歩き回ったりも多いですからそこまで気にならないという話はあります。


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