JR四国7000系|FTN trainseat.net

JR四国 7000系

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「気動車王国」とまで言われた四国の国鉄も瀬戸大橋開通を控えた国鉄末期に予讃線高松~観音寺間と土讃線多度津~琴平間が電化されましたが、JR四国になってからは電化区間を予讃線伊予市まで伸ばすことになりました。まず松山近郊の伊予北条~伊予市間が電化されることになり、合わせて登場したのが今回ご紹介する7000系です。
同年登場の1000形気動車と同様の設計思想とはいえ21m級の車体や両運転台というのは国鉄・JRの電車には珍しく、片側3扉(両端片開き・中央両開き)の軽量ステンレス車体としています。また片運転台の制御車7100形も製造し、適宜組み合わせて効果的に運用しています。足回りではJR全体や私鉄含めた四国全体で見ても早期にVVVFインバーターを採用しています。

7000形25両・7100形11両が製造され、本形式のみならず6000系や(121系→)7200系との併結も含めて自由自在に組成する様はまるで気動車… 運用範囲は予讃線高松~伊予市と土讃線多度津~琴平で、右写真のように高松~松山間のロングラン運用も存在します。そういえば山陰地方に随分年の離れた兄弟が登場したようですが…


EC7000-車内全景EC7000-車内全景2

まずは車内全景から。左は7000形、右は7100形でいずれも松山方から高松方を見た様子です。基本的な思想は1000形気動車と同様、国鉄・JRの電車には珍しい21m級の車体に紫のモケットを用いたクロスシートとロングシートを点対称に配置しています。後年1000形で全車に対し設置されたトイレは設けられていません。

EC7000-乗務員室仕切EC7000-車掌台

先頭部です。乗務員室は半室式でワンマン運転に適した配置になっていますが、1000形とは異なり左右の扉位置を同じにして仕切は無いながら乗務員用の窓や各種スイッチを設置。また隅にはゴミ箱も置いています。

EC7000-LCD

現在の運賃表示機は次駅案内等も兼ねた液晶式。

EC7000-車端部

増結用制御車の7100形は松山方にのみ運転台を設けており、高松方は客室として座席も設置しています。妻面に窓は無く、貫通扉はありますが基本的に開け放たれています。

EC7000-扉1EC7000-扉3

扉は2種類、先に常時使用する車端の片開き扉です。幅は1000mmと1000形気動車より広く取っている上、内側は化粧板を貼っている点も異なります。

EC7000-扉2

中央扉は両開き。周囲はロングシートとして立席スペースを確保しています。半自動扉扱いは当初から可能だったようですが、押釦は後年設置との由で随分高い位置に付いています。

EC70-天井

天井です。吊革はボックスシート部以外に設置、扉部分には枕木方向にも設けています。電車にしては照明が少な目な印象です。

EC7000-床

床はクリーム色の柄入りだったようですが、経年なのか少し汚れてきたようです。

EC7000-窓

窓は一段下降式、カーテンは巻き上げ式で3段階の調節が可能です。

EC7000-ボックスシートEC7000-ボックスシート2

ここからは座席を見ていきましょう、まずはボックスシートから。1000形とは異なり国鉄形車両のボックスシートを踏襲した形状としており、背摺りを切り欠き大型化した取っ手は121系譲りです。黒のフレームに紫のモケットと新鮮な配色の一方で座席自体は堅実というか保守的というか…
モケットの紫色も曲者で褪色が目立ちやすく、右写真の背摺りと座面の色合いが違っている(座面の方が本来の色合い)のはまだ良い方で、かなり白くなってしまっている写真も見たことがあります。そういえば管理人の地元の電車も紫のモケットに手を焼いたらしく、最終的には別の色に変更されてしまったのを思い出しました。そろそろ更新されても不思議ではない頃合いですが、さてどうなるでしょうか。

EC7000-3人掛け

中扉のボックスシート横には3人掛けロングシートを配置。気動車と電車の差はあれ1000形と7000系は共通の思想で作られていますが、各部寸法が微妙に異なるために本形式では袖仕切と扉横取っ手までの余裕がほとんどありません。形式図を見ると1000形初期車のようなボックスシートは収まらないようで…

EC7000-2人掛け

運転台直後には2人掛けロングシートを配置。写真は優先席とされている箇所ですが、モケットによる区分はありません。袖仕切はパイプ式ながら1000形のそれとは異なり手すりも兼ねた独特の形状になっています。

EC7000-2人掛け2EC7000-3人掛け2

増結用制御車の7100形の高松方は向かって左が2人掛け、右が3人掛けです。2人掛けの方は袖仕切に整理券発行機を設けており、どうやらその為に1人分削ったようです。

EC7000-12人掛け

扉間は15人掛け、背・座とも4分割されていますが写真だと手前から2番目になる部分だけ他より短めになっています。1000形とは異なり着座位置プリントが無く、間の仕切もありませんから定員着席はちょっと難しそう。

EC7000-運転台

運転台はツーハンドル式、211系に近い配置としています。


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