JR西日本103系(体質改善40N施工車)|FTN trainseat.net

JR西日本 103系(体質改善40N施工車)

写真: LA5

1963年に登場した103系は、国鉄が分割民営化した1987年以降も通勤輸送の主力として活躍していました。一方で接客設備が大きく改善された201系以降との設備の差は大きく、民営化後各社が投入した車両との差は一層大きくなっていました。国鉄形を引き継いだ各社は延命工事などを施工していましたが、JR西日本は国鉄形でも比較的新しい各形式に対して更に踏み込んだ工事を施工し、新車との設備の差を小さくすることにしました。
そのトップバッターは関西エリアの103系…ですが、外観だけでも前面窓が1枚になり、雨樋は張り上げ式に、側窓も交換され…と最早103系とは思えない見た目になりました。もちろん車内も大幅にリニューアルされているのですが、21世紀に入ると力尽きたらしく外観の変更は見送られています。編成ごと施工と言う訳でも無いため外観が不揃いな編成が多いのがちょっと残念ではありますが、置き換えも終盤に入った103系にあっても遅くまで残ることになる、と思ったんですけど…


103-40N車内全景

車内全景です。両開き4扉・オールロングシートの基本構成は勿論変わっていませんが、新車と見紛うほどの徹底的リニューアルで、鉄道ファンでも103系だと瞬時に認識できなくても不思議ではありません。

103-40N車端部

車端部です。妻窓は閉鎖、貫通扉は窓の天地寸法が大きく軽く開閉できるものに交換されています。

103-40N乗務員室仕切

ようやく103系のような気がしてきた乗務員室仕切です。化粧板は車端部同様ブラウン系としていますが、扉や窓の配置は従来通りです。仕切戸の上に大きな箱が見えますが、乗務員室には収まらなかった機器でしょうか。

103-40N天井2103-40N天井

天井です。当初は天井のフラット化やラインデリアの設置で201系と遜色ないレベルに仕上げていたのですが、途中から既存の設備を生かしての改造に移行しました。恐らくコスト面の問題と思われ、後に改造メニューを接客設備の改良のみに留めた体質改善30N工事に移行しています。照明は何れもカバー付きとしています。

103-40N床2

床はベージュ系一色、以前乗車したときは見事な艶で照明を綺麗に反射していたのですが最近はそうでもないようです。

103-40N扉

扉は従来通り無塗装ですが、窓は金属押さえとしています。

103-40N窓1103-40N窓2

窓は窓枠ごと交換され、扉間は上半分が2分された内折れ式、下半分が1枚の固定式とされています。カーテンは右写真のように巻き上げ式で3段階に調整できますが、この横に大きな窓に対して1枚とした点が特徴です。車端部は中に桟の入らない1枚の固定窓、荷棚は通勤形だというのに前飾り付きの豪華なものに交換されています。

そういえば広告が「天井に張り付いている」と表現しても過言ではない位置にあります。扉の高さに合わせたものと思われますが、せめて扉間だけでももう少し下に出来なかったのでしょうか…

103-40N_7人掛け103-40N_7人掛け優先

座席に入ります。扉間は7人掛けです。座席そのものは従来通りのようですが、詰め物等は一新しているものと思われます。また袖仕切りは201系同様のもの設置しており、袖仕切りの内側にもモケットを貼っています。右写真は外回り先頭車に設けられた7人掛けの優先席で、他の車両と位置を合わせるために生じたようです(後述のように現在はモケットが変更されている車両もあるかと思います)。

103-40N_3人掛け

車端部は3人掛け、妻面には機器箱が設置され幾分高めですが肘掛としても使えそうです。優先席はJR西日本共通のピクトグラムが描かれたものですが、近年は地色が青から緑に変更されているようです(オンマウスで緑になります)。

さて7人掛け優先席では青地の優先席の写真しか無かったわけですが、数を減らしてもなお体質改善40Nで整った編成と言うのは数少なく、寧ろ桜島線用6連が消滅した現在は狙いづらくなってしまったんですね。今回は外回り先頭車だけ30N施工車と言う編成を引き当てたようです…


103系運転台2s

ここまで103系らしからぬ車内をご覧いただきましたが、最後は運転台。ここは大して弄っていないようです。

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