JR西日本115系3000・3500番台|FTN trainseat.net

115系3000・3500番台

写真: N-19

今回ご紹介するのは115系3000番台、それから元117系の3500番台です。115系3000番台は1982年に並行する広電や路線バスなどとの対抗策として、関西地区の快速で使用されていた117系並みの設備を持った車両として登場しました。同年秋のダイヤ改正では「ひろしまシティ電車」として短編成化とともに高頻度運転を開始しましたが、このとき3000番台は6編成と、編成短縮で捻出された111系を組み込むための両端クハが15組…
この間に挟まった111系は既にかなりの経年車、一部は早くも翌年に3000番台での置き換えがなされたほか、残りも115系0番台に置き換えられました。これで全編成セノハチ越えはできるようになった訳ですが、一部は非冷房車と言う有様でこれを置き換えるべく1992年に登場したのが117系改造の3500番台です。広島地区のほか岡山地区にも投入され、前者は写真のように外観も車内設備も一見整ったように見える編成になった一方、後者は先頭が3扉なので実に目立つ編成となりました。
2004年から体質改善工事を実施し相変わらず活躍を続けていましたが、2015年から115系3000番台以来となる新車227系が投入されたことにより廃車が発生。混雑に対応しきれない2扉である点も不利に働き、2016年春改正以降は岩国以西のみでの運用になってしまうようです。


115N0-車内全景

車内全景です。扉付近にロングシートがあるとはいえ、扉間は転換クロスシートが並ぶ当時の国鉄としては破格の仕様です。

115N0-車端部2

車端部、トイレのある下関方の先頭車の様子です。通常の115系に比べると車端は長めになっています。貫通扉は体質改善工事で窓が縦長のものに取り替えられ、左側には車椅子スペースを設置しています。

115N0-乗務員室仕切

先頭部です。やはりここも端までが長めになっています。仕切り自体は115系と同じ構造ですので、運転台側が手前に張り出しています。

115N0-扉

扉は115系と同等のステンレス無塗装。扉の右側には半自動用扉扱いの際に使用する押しボタンを追設しています。

115N0-天井

天井は逆台形の風洞を設け、脇に蛍光灯を設置する115系の仕様。

115N0-窓

窓とカーテンです。窓は117系のバランサ付き上段下降・下段上昇から二段上昇式としてコストダウン、カーテンは引き下ろし式です。

115N0-転換座席

座席、まずは扉間のクロスシートから。体質改善工事を行ってからも従来と同じものを引き続き使用しています。灰色にも見える薄い茶色のモケットも引き続き使用、これは山陽線エリアで主にボックスシートの車両で見られるもの。背摺り肩部の取っ手は体質改善工事に合わせて223系などと同等のものに取り換えられているようです。

115N0-固定座席115N0-固定優先

扉の横は固定座席としています。右写真は3000番台に唯一存在する「クロスシートの優先席」で、ここだけ優先席を区別するため枕カバーを設置しています。何だか寸足らずな感はありますが…

115N0-2人掛け

扉横や車端部にはロングシートも設けられています。扉間の戸袋部分は2人掛け、この部分が2人掛けロングシートなのは他の115系も同じです。1人当たりの幅は440mm、扉側はともかくクロスシート側は肘掛などが無いので窮屈そう。

115N0-3人掛け

運転台直後は3人掛け。優先席はモケットで区分、ピクトグラムを散りばめたお馴染みの図柄ではありますが、車両によってベースが茶系だったり緑系だったりしていました。マウスを写真に載せると緑色になります。

115N0-4人掛け

乗務員室の車掌台直後とトイレ付近は4人掛け。茶系モケットは521系、緑系モケットは京阪神緩行線の通勤車からでしょうか。

115N0-7人掛け

車端部は7人掛けです。背摺り・座面は3人と4人に分割しています。本当なら優先席を設けた区画もご紹介したいのですが…


写真: 115N-窓

取材した編成は3000・3500番台の混成編成でした。ここからは元117系の中間車である3500番台の様子をご覧いただきます。写真は左が115系、右が元117系の3500番台です。そう、よく見れば色々違うんですが…

115N5-車内全景

車内全景です。同年登場の117系300番台と同様に、扉付近のクロスシート3列ずつを撤去しています。少数派ですが、117系300番台を経て115系に編入された車両も存在します。

115N5-車端部

車端部は117系時代から変わらず転換クロスシートが並びます。化粧板が一通り取り換えられているので、117系の印象は随分薄れています。

115N5-扉

扉です。117系時代は化粧板を貼ったものでしたが、体質改善工事のタイミング?でステンレス無塗装に変更されたようです。単に化粧板を取っただけかと思ったら取っ手の形状も違うので、もしかしたら取り替えたのかも。右側には半自動扉用のボタンを設置しています。

115N5-天井

上を見ると117系。天井はフラットでカバー付き蛍光灯の内側に細い空調の吹き出し口があります。奥にはかなり頑張って取り付けたことが感じられる吊革が並びます。

115N5-床

床は体質改善車共通のクリーム色。撮りそびれてしまいましたが、これは3000番台も同様です。

115N5-転換座席115N5-転換優先

座席に入ります。まずは転換クロスシートですが、扉間はクロスシートが4列と随分寂しくなってしまいました。座席に関しては3000番台と変わりません。一方車端部にクロスシートが残ったことにより、優先座席が設定されています。クロスシートの優先席枕カバーは後ろのものとは違い自然な感じです。

115N5-固定座席115N5-固定優先

車端部にクロスシートがあるのは元117系の3500番台のみ。優先席を示す枕カバーは相変わらずです。

115N5-6人掛け

扉間のロングシートは6人掛け。ここも117系300番台と同様の仕上げです。

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