JR西日本205系0番代(体質改善車)|FTN trainseat.net

JR西日本 205系0番代(体質改善車)

写真: I601

 軽量ステンレス製車体と界磁添加励磁制御の採用が特徴の205系ですが、関西圏への投入は国鉄時代の京阪神緩行線(0番代・7連4編成)とJR化後の阪和線(1000番代・4連5編成)に留まりました。JR西日本の本格的通勤車は1991年のVVVFインバーター制御を採用した207系まで待つこととなり、本形式の大量増備を行ったJR東日本とは対照的です。
 0番代は京阪神緩行線に321系が投入されると1000番代と同じ阪和線に移籍しますが、同社では比較的新しい電車ながら少数派な上付随車の活用にも困ったようで朝夕ラッシュ時しか動かない8連という何とも勿体ない編成も出現。活躍は長く続かず2011年に京阪神緩行線に321系並みの帯を纏い復帰しますが、運用はラッシュ時のみに限られ2年後には阪和線に復帰。更に阪和線普通電車に近郊型が投入された2018年には阪和線からも撤退、103系が残る奈良線での運用を開始しています。

京阪神緩行線に復帰した2011年から体質改善工事を施工しましたが、問題の付随車は既に先が長くないと決まっていたようで施工対象から除外。奈良線では電動車ユニットを1組抜いた4連で活躍しており、余剰となった車両は既に廃車されています。今回は2016年に撮影した、阪和線で活躍していた頃の体質改善車の様子をご覧いただきます。


2050N-車内全景

まずは車内全景から。201系のページと似たような感想になってしまいますが、第一印象は「あれそんなに変わってないよね」… 配色等は新車並に変更され、この後ご紹介するように「新車並」を謳いながら従来の体質改善工事では何故か設けられなかった設備も追加されてはいるのですが、103系や113・115系のような全く別物という趣では無く従来の設備を生かしながらの更新となっています。

2050N-車端部

車端部は化粧板の交換を実施、最近の阪急電車ではありませんが妻面は濃いめの色を採用。貫通扉は321系並みの金属地剥き出しで窓が縦に大きい物に交換しています。

2050N-乗務員室仕切

乗務員室仕切もやはり濃いめの化粧板、握り棒も黄色にしています。これは製造時からのことですが仕切窓が大きいことが特徴で、201系との差は一目瞭然。

2050N-天井

天井です。構成は従来通りながら火災対策として一部材質を変更しているとのこと。吊革は黄色くて径の太い吊り輪に交換されています。

2050N-床

床は灰色の砂地模様、フットラインはありません。

2050N-扉

扉です。無塗装で窓が小さいのは従来同様ですが、窓は複層化して車内側が平面になるよう仕上げています。また扉付近の床は321系などと同様ステンレス製の滑り止めを採用。

2050N-LED

従来の体質改善工事では新車並の内装であっても情報案内装置は省略され続けていましたが、本形式からは扉上にLED式の情報案内装置が設けられました。号車表示もLED式で521系と同一品と思われます。

2050N-窓

窓は一段下降式、カーテンも巻き上げ式で変わりなく荷棚も網棚のまま。

2050N-7人掛け2050N-7人掛け優先

座席は扉間と車端の2種類のみ、まずは扉間の7人掛けから。201系の体質改善車に続いて座席そのものは以前と同様でバケットシート化等の改造は無く、既に一定程度の水準であると見做されているようです。モケットや化粧板の更新は行われているはずですが、言ってしまえばその程度です。このうちモケットは体質改善工事施工時点では207系や321系と同じ緑系だったようですが、所属する日根野区にそんなモケットを使う電車が無いためか青系モケットに交換されたとの由。
一方で握り棒の黄色塗装や袖仕切の改良など、225系など近年の新車に共通する事故発生時の被害軽減策を講じています。袖仕切については枕木方向のパイプの上に仕切板を追設した格好で発想は良いと思うのですが、登場時の紹介記事の記載では「袖仕切の大型化を実施」…いやいや。

2050N-3人掛け2050N-3人掛け優先

車端部は3人掛け。1人当たり幅は430mm強と国鉄形標準ではありますが現代の感覚では狭め、この車端部においては妻面側にある背摺りと同じ高さの機器箱が一寸の余裕を生んでいます。

2050N-車椅子スペース

過去の体質改善工事で何故か設けられなかった設備として、情報案内装置と車椅子スペースがありました。配線等が必要になる情報案内装置はともかく車椅子スペースなんて座席を撤去するだけなのに…と思いますが、今回の改造では非常通報装置や壁掛けヒーター付きと新車並の装備で両先頭車に設置されています。

2050N-運転台

乗務員室は従来通りの様子、塗り直しはしているでしょうが緑系の配色は些か古めかしく感じます。JR化後に投入された1000番代とは最高速度が異なるため、その旨注意を促すステッカーが複数貼ってあります。


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