JR西日本207系|FTN trainseat.net

JR西日本 207系

写真: T25

1991年に登場した「JR西日本の」207系、こう書くのは国鉄がVVVF試験車として既に207系の形式を用いていたためですが、JR西日本初の新製通勤車、またVVVFインバーター制御を採用した車両として登場しました。貫通扉を設けたのは全線地下の片福連絡線(JR東西線)開業に備えるため、既存の103系の置き換えを念頭に製造されています。当初は片町線、次いで福知山線、更には京阪神緩行線の各電車区に2・3・4・6連が必要に応じ配置され、最大8連でも運転されました。4連+3連に統一されたのはJR東西線開通の1997年で、その後も増備が続き484両の勢力になりました。
2010年には片町線の増解結運用が無くなり321系と共通運用になっているようで、主に京阪神緩行線の京都~西明石、片町線・JR東西線・福知山線で活躍していますが、ラッシュ時には更に郊外に足を延ばす運用もあります。2014年からは体質改善工事が行われており、現在の姿はあと数年で見納めとなるでしょう。今回は主に1000番台の車内をご覧いただきます。


207-車内全景

車内全景です。車体幅を近郊型と同じ2950mmとしたのは何気に国鉄→JRの通勤形としては初めて、加えて明るい色の化粧板や床のお蔭もあってか広く明るい車内になっています。

207-車端部207-車端部2

何度見ても違和感しか無い、貫通扉が片側(山側)に寄った車端部です。特異なこの配置は下降式とした窓による換気を目的としたものですが、山側座席に座った乗客は足元が狭いですし、貫通路も従来車に比べ狭くなっているなど、何というか割を食っている面の方が多いように見えるんですが…

207-消火器

窓が開く理由はもう一つ、外側に設置した消火器を取り出すため…ですが、これは考え方自体に無理があるような感も無いではありません。

207-乗務員室仕切

乗務員室仕切は221系ほどでないにしろ大きな窓が印象的。仕切戸は若干車掌台側に寄っていますが、車端部を見た後だと大して気にならないレベル。

207-天井

天井です。黄色い吊革が目立ちますが、このうち枕木方向については後年増設されたものとなります。蛍光灯はカバー付き、通勤車では国鉄時代には考えられなかった装備ですがJR西日本では並行私鉄に倣ってか標準装備です。写真は和田岬線代走時のもので、吊り広告を始め広告類が一切撤去されています。

207-床

床は柄入りの明るいベージュ色。

207-扉

扉は化粧板張り、両端の黄色いテープや滑り止めの黄色化はいずれも近年行われたものです。半自動扱い時の扉スイッチは製造時の通勤形としては珍しい装備だったかと思いますが、JR西日本では標準装備になりましたし近年は並行私鉄でも採用されるようになりました。

207-LED

扉上にはLED式の情報案内装置を千鳥配置。表示内容は多彩で、3色LEDを生かした表示を行います。ただ文字サイズが小さいのは何とかならないでしょうか… 

207-窓207-窓2

側窓は扉間・車端とも1枚で済ませており、前者は固定式、後者は下降式としています。カーテンは巻き上げ式で3段階での調節が可能です。荷棚は通勤形ながら前飾り付きとしています。

207-7人掛け207-7人掛け優先

座席は扉間と車端の2種類のみ、まずは扉間の7人掛けです。片持ち式ですがこれは増備途上の変更点の一つで、初期の車両は銀色の脚台が座席を支えています。モケットは元々青でしたが2010年から順次緑色に変更、ピクトグラムを散りばめた優先席は通常席が交換された後も青地で残っている例がありましたが、これも順次変更されているようです。
袖仕切は板とパイプを組み合わせた形状、201系とは異なりパイプを荷棚まで伸ばしていないので立客の握り棒としては機能しません。袖板は座席側がモケット張り・扉側は化粧板張りですが、後者は元のモケットに合わせたか青灰系、今の車内の色遣いではどうしても浮いて見えます。

207-4人掛け207-4人掛け優先

車端部は従来の通勤形が3人掛けであったのに対し、本形式では4人掛けとしています。201系に比べ扉間を縮め車端を伸ばしていますが、その他にも車端側の機器箱を無くすなどして1両当たりの着席定員を増やした格好です。
座り心地は阪急を意識したのか、と思ってしまうような柔らかさ。快速運用を考慮してある程度の長時間乗車を考慮しているようです。1人当たり幅は440mm程度、モケットの着座痕を見る限りいちおう定員通り座ってもらえているようですが…

207-車椅子スペース

2000番台には車椅子スペースを設置しています。固定金具や非常通報装置はおろか握り棒の類いすら少なめで、物足りない印象はあります。側面には裾絞りのある車体形状に対して立客がもたれ掛かりやすいよう、近鉄通勤車で見られる「パーチ」を設置しています。

207-運転台

運転台は2ハンドル、JR西日本の初期VVVF車特有の全ての計器類がデジタル式のものです。ただ光の当たり具合で見辛くなってしまうのは避けられず、2000番台では一般的な計器に戻っています。


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