JR西日本 207系(体質改善車)
1991年に登場した207系も登場から25年程度が経過、体質改善工事の順番が回ってきました。外観は前面が321系を意識した濃紺基調、前照灯はHID灯に変更するなど印象が一変しましたが、側面はほとんど従前と変わりません。既に片町線の分割運用が消滅して久しく、7両半固定編成として運用されている状況ではありますが、製造時期の相違もあってあくまで3連・4連といった従来の編成単位での施工となっています。またVVVFインバーター制御車ということで足回りの寿命も近づいていることから、機器更新も同時に行っています。
2014年に開始された体質改善工事ですが、時々関西圏に行くとじわりじわり増えているかなあ、と言う程度の増え方で、本項作成の2021年春の時点でも半数に達していない様子。さて完了まであと何年かかるでしょうか… 今回は2016年に撮影した0番代の様子をご覧いただきます。
車内全景です。体質改善工事前に比べスタンションポールの追加や袖仕切の大型化で賑やかな印象を受けるほか、濃色の床や黄色の握り棒の影響か従来よりはっきりした色合いになったように思います。
車端部です。体質改善工事後も貫通扉が片側に寄った特異な構造は変わっておらず、妻面化粧板は濃色、貫通扉は金属地肌剥き出しと321系チックな配色にはなりましたがやはり違和感は拭えません。205系や221系などでは貫通扉ごと交換していましたが、本形式では流用しているようです。
乗務員室仕切は引き続き大きな窓が特徴。握り棒は太いものに交換されているほか、仕切戸のものはどういう訳か左側が斜めに下がっています。
天井です。基本構成はそのまま、照明はカバー付き蛍光灯から照明を上部の反射板に当てて拡散させるタイプの間接照明に変更しています。
床は灰色の砂目柄、フットラインはありません。床だけを写すと明るく見えますが、ここまで見てきたように光の加減で濃く見える場合もあります。
扉は引き続き化粧板張り、窓ガラスを複層化することで押さえ金を廃し平滑に仕上げています。床は滑り止めとして凹凸のあるステンレスを使用しています。
扉上には情報案内装置を設置、321系以降の新形式では液晶式を採用していますが本形式は体質改善工事後もLED式としています。ただ何も手を加えていない訳では無く、号車表示が追加されています。
側窓は引き続き大きな一枚窓、カーテンは巻き上げ式で3段階での調整が可能です。
座席を見て行きましょう。扉間は元々7人掛けでしたが、改造で6人掛けに変更されています。これは1人当たり幅の拡大(440mm→470mm)と中仕切の設置によるもの、脚台は流用かと思いましたがどうも寸法が違うようですので造り直したようで、当初から片持ち式の車両はそのまま片持ち式です。座席自体もバケットシート化されており、以前のソファ然とした掛け心地から詰め物が詰まった硬めの仕上がりになっています。
袖仕切は521系2次車以降で見られる内側がモケット張りの大型袖仕切、大きいのは良いのですが内側には窪みが無くただの壁のような造りです。また中仕切は弧を描いており、かつての東急・京急や近年の阪急のように肘掛としては使えそうにありません。
車端部は引き続き4人掛け。優先席は地色は同様にピクトグラムをプリントしたものを使用しています。
車椅子スペースを新造時から設けていたのは2000番代のみ、従って大半の車両は体質改善工事に合わせての新設となります。2000番代に無かった非常通報装置や不足気味に思われた握り棒なども十分に設けています。
運転台は2ハンドル、計器類は引き続きデジタル式としています。
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