JR西日本223系2500番台|FTN trainseat.net

JR西日本 223系2500番台 

写真: E428

1994年に「関空快速」用として登場した223系0番台ですが、1999年「紀州路快速」の運転開始に合わせて従来6連と2連だったものを5連と3連に組み替えることになりました。このとき先頭車が不足し、2000番台が既に登場していたこともあり、同番台をベースに各部仕様を0番台並みとして2500番台が先頭車2組分だけ登場しました。
正直なところこの2組(4両)だけで終わりかな、なんて思っていたのですが、予備車確保のため2006年に2500番台だけの編成が登場、翌年には全編成を4連化する組替を行うのに伴い、増備分も合わせてまとまった数が製造されました。

現在は2500番台だけで編成を組むのが8編成、間に1両だけ0番台が挟まっているのが11編成、0番台の編成に1両だけ2500番台が挟まっているのが7編成あります。およそJR化後に登場した形式とは思えない複雑さですが、関空・紀州路快速のほか阪和線内の快速系列車、近年は普通にも進出しています。なお取材は2006年以降に登場した車両で行っており、1999年製の車両との相違については「最初の4両」という表現で時折紹介しています。


25-車内全景

車内全景です。0番台に続き扉間は2列+1列で広々とした印象、大型荷物に対応した配置…ということだったはずですが、現在では立席スペースとして通勤形の代役も務めるようになりました。

25-車端部

車端部は2000番台と同様2列+2列の配置です。妻面の化粧板は側面より幾分濃い色、床面高さを下げたのに対し貫通路の床高さは従来通りのようでスロープが設置されています。

25-車端部225-トイレ

和歌山方先頭車の車端部にはトイレを設置しています。2000番台同様車椅子に対応した台形の大型トイレで、洋式トイレが設置されています。

25-車椅子スペース

反対側には車椅子スペースを設置。手摺りは少ないですが妻面にはクッションを、また壁掛け式ヒーターを設置しています。

25-乗務員室仕切

乗務員室仕切は既存車と同様窓を大きく取っており、眺望に配慮しています。

25-扉

扉は基本的に2000番台と同一、右側の戸袋部には半自動扱い時の扉開閉スイッチが設置されています。後述しますが補助座席は無いので左右のスペースはそのまま立席スペースとなり、混雑時にはその威力を発揮します。

25-LED

扉上にはLED式の情報案内装置を千鳥配置。

25-天井

天井です。扉間にも吊革が並んでいますが、通路幅が広いので通路中央部に立ってしまうと掴まるものがなくなってしまいます。枕木方向にもパイプを伸ばして吊革を付ければ良いのですが、これについては後継形式である225系で概ね実現しています。蛍光灯カバーは最初の4両以外321系で採用された半円形のものです。

25-床

床敷物はアイボリー色の石目柄ですが、どうやら最初の4両は2000番台と同じものだったようです。

25-窓

側窓です。223系の中でも終盤に製造された車両が多いため、最初の4両以外は開閉可能な2枚目・4枚目の窓が内折れ式では無く下降式となっています。カーテンは巻き上げ式です。

25-1人掛け

ここからは座席をご覧いただきますが、写真によってはオンマウスで優先席の様子になります。
座席は0番台がダブルリンク機構を奢ったものであったのに対し、2000番台と同様の座席になりました。使用実態からしてダブルリンク機構の採用に無理があったようで、転換座席については0番台もこの座席に交換されています。
モケットは全車0番台と同じくすんだ水色(?)で登場しましたが、225系5000番台の登場後順次交換されています。詳しく調べたわけではありませんが、元のモケットは色褪せや汚れが目立ちやすいこともあるのか、東海道・山陽線のグループよりもモケットの交換が早いように感じます。何気に2000番台とは枕カバーの形状が異なっています。

2人掛け固定席は扉横と車端部のボックス区画にあります。座席幅は妻面寄りの座席でも他と同一です。

25-固定座席背面

2000番台では扉間の固定座席背面に補助座席が設置されていますが、本番台では省略されています。ただでさえ2列+1列の配置で座席数が減っているので、補助座席はあっても良かったのではないかと思うのですが、どのような判断で省略されたのでしょうか。0番台との兼ね合い、1人掛け補助座席の新規設計の回避など、幾つか想像は出来ますが…

25-非常用梯子

東日本大震災以降、海沿いを走る電車では避難梯子の設置が進んでいます。本形式も紀勢線まで入ることがありますので、中扉の座席背面1か所に避難梯子を順次追設しています。

1人掛けの固定座席は扉間のみ設置。固定座席は座面と車体側面の隙間を埋めるパーツが取り付けられていますが、転換座席にも付けてほしかったところです(最初の4両は設置)。固定座席は座面が厚いように見えますが座り心地に大差はなく、一般的に背摺り形状に無理のある転換座席より固定座席の方が良いなどと言われることもありますが、本系列に限っては背摺りの薄さのせいか背中が疲れてきます。新快速とは違い長く乗っても1時間半程度なので、まだ何とかなる範囲かなあ、とは思います。


25-運転台

運転台は2000番台と同様。

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