JR西日本 225系5000番台
1994年の関西空港開港に合わせて登場した阪和線向け223系、その後1999年以降はコストを抑えた2500番台が登場しましたが、尚も103系や113系などが大量に残存している状態でした。2010年に登場した225系5000番台は同年登場の東海道・山陽線向け0番台を阪和線向けにアレンジした車両で、外観は223系同様前面帯は無く側面は窓周りが灰色、腰部には青白のグラデーションとしています。
223系の陰に隠れがちな0番台とは異なり、5000番台は4連29編成が増備され223系とほぼ同等の勢力になりました。113系と一部の103系、それに奈良区の221系による阪和線運用も置き換え、阪和線の快速系列車を223系と共に一手に引き受けています。
車内全景です。223系0・2500番台に慣れた目で見ると鮮明な青のモケット、黄色い吊革や取っ手などによる影響か従来の車両より明るくなったような印象を受けます。
車端部です。貫通扉が無塗装になり窓が天地方向に拡大されていること、やはり液晶の表示機が目立つことが主に目につく点でしょうか。
乗務員室の仕切りです。高運転台になったので窓の天地寸法も従来より短くなりました。乗務員室への扉は引き戸になっており、貫通構造にしても対応できるような作りになっています。そしてここにもやっぱり液晶の表示機。
トイレは和歌山・関西空港方先頭車に設置しています。
トイレです。扉が円弧を描くような形状として内部空間を拡大しています。
天井です。黄色い吊革が並んでいます。情報案内装置と吊り広告が交互に設けられています。空調吹き出し口付近はデザインを変更しています。蛍光灯には定番のカバーがついています。
車内の情報案内装置は枕木方向に設置された液晶式。321系でこの向きに搭載したのは流石によく分かりませんでしたが、クロスシート車であればこの方が良いのではないでしょうか。
扉は片側3か所、5000番台は補助座席もありませんから純粋な立席スペースとして使えます。座席周りの通路も広く、まあ詰め込みも十分効くとの判断だとは思いますが、流石に通勤形を置き換えることになるとは思いませんでした。
床は砂目柄、線路方向のラインは無くなっています。
窓は従来の5連窓から1+3連+1の変則的な配置となりました。側面強度を考慮してのことだそうです。因みに検討段階では2連+2連の配置も検討されたようですが、中央部の座席が柱とご対面する格好になる為ボツになったとのこと。
座席です。転換シートは扉間に設けられています。223系2000番台のものをベースにしていますが、座面が少し高くなったように感じます。モケットは従来の今一つパッとしない青色で模様の無いものから、はっきりした青色で模様が入ったものになりました。なお優先席は右写真のように枕カバーを変えることで区別しています。
車端部と扉横は固定座席を設置。なお先ほどから黄色っぽく見える写真が混じってきていますが、機材の関係もさることながら日の当たり方や製造からの経年など色々な要因がありそうです。
立席客にも負担を軽減するため、固定座席の裏にはクッションが設置されています。
久々に乗車すると仕切部に手を加え避難梯子を設置した箇所を見つけました。後付ではありますが下部に支えを設ける形として床への直置きは避け、また腰当てを張り出した構造として乗客に直接当たらないようにしています。
223系2000番台をベースに所々変更された運転台です。そういえば15年前、223系0番台の頃はデジタル計器の採用が多かったですね…運転台座席モケットは0番台の客室と同じものです。