JR西日本 キハ120形(リニューアル車)

DC120-22NDC120-331N

1992年に登場したJR西日本の閑散ローカル線用気動車キハ120形も製造から25年が経過。同世代の車両を保有する第3セクター鉄道各社が新車への置き換えを進める中、同社の気動車の中では新しい部類に入る本形式は2017年度からリニューアルが開始されました。外観では前照灯のLED化(一部リニューアルと関係なく実施された車両もありますが)や貫通扉のワイパー設置、スカートの強化などが実施され微妙に印象が変化。塗装は各車ともそのままで、高山線を走る美祢線色や大糸線を走る岡山色などイレギュラーと思える取り合わせも変わりありません。

今回は高山線で活躍する300番代を中心に、どういう訳か1両だけ富山にやってきた0番代の様子もご紹介します。


DC120NL-車内全景DC120N-車内全景

まずは車内全景から、左は0番代・右は300番代です。茶系で大人しめ、ともすれば沈み気味だった工事前に比べ、白系の化粧板に緑のモケット・カーテンなど、黄色の吊革や握り棒は別にして落ち着いた印象もありつつ明るくはっきりした色遣いになりました。

DC120N-車端部

車端部です。片隅式運転台の基本構成は変わりませんが、運転台直後の窓は下半分に黒いフィルムが貼られたほか、車外からも目立つ右妻部の機器箱上には手摺が増設されています。

DC120N-扉

扉は900mmの折戸でステップ付き。従来半自動扱い時は重い手動開閉となっていましたが、体質改善工事で半自動押ボタンが設置され随分楽になりました。

DC120N-天井

天井です。照明は中央に1列、両側に張り出した風洞など構造は従来通りですが、照明を反射式LEDにしたことで随分明るい車内になりました。特に夜間は違いが一層際立ち、未更新車と連結した場合は離れていても一目で判別できるほど。

DC120N-床

床敷物は張り替えられ、近年の同社標準と言える砂目柄を使用。

DC120N-窓

窓は全て固定式、横引き式カーテンは生地を交換しました。荷棚は従来品を再用しており、一部ロングシート部に無い状態もそのまま。

DC120N-ボックスシートDC120N-ボックスシート1

ここからは座席を見てみましょう、まずは300番代のボックスシートから。更新前と変わらず1両4か所の設置でボックスピッチ1520mmも変更はありませんが、座席自体が交換され近年の新潟トランシス製軽快気動車(いわゆるNDC)等で見かける形状になりました。当サイトで紹介済の車両では古い例だと甘木鉄道AR300形、変わったところでは205系600番代「いろは」でも採用された、近年よく見かける形状です。

近代的な見た目とは裏腹に、背摺りが立ち過ぎていることなどが悪い方向に働いている印象。掛け心地としては悪い部類に入ると言わざるを得ません。

DC120N-12人掛け

300番代の長いロングシートは近年の新車と同様に1人当たり幅を拡大した上、間に2か所の間仕切りも設けたため12人掛けだったところが11人掛けになりました。リニューアル前に比べ座面がしっかりして着座位置も少し高くなった印象、座面はバケット形状がやや強くなった一方で従来あった背摺りの縫込みは無くなっています。1人当たり幅は計算すると470mm程度でしょうか。

DC120NL-16人掛け2DC120NL-16人掛け1

こちらは0番代の16人掛け。300番代とは異なり3人毎に仕切が入っており、5分割された中央だけが4人掛けとなっています。車掌用機器との兼ね合いか、トイレの無い側は窓のある箇所にも容赦なく(?)大型袖仕切を設置しているのが一寸珍しいかもしれません。

DC120N-4人掛け優先

トイレの向かいは4人掛けロングシート。排気管との兼ね合いで出現した区画で、ボックスシートとの隙間には近年各所で撤去される傾向にあるゴミ箱を存置。

DC120N-トイレ1DC120N-トイレ2

トイレは2004年頃から追設されたもので、今回特段変更はありません。

DC120N-運転台

運転台です。マスコンとブレーキの間にある扉開閉スイッチは従来のトグルスイッチから押釦式に変更されており、その周辺だけ色が異なっています。


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