流鉄5000形

写真: sn5003-5005

常磐線馬橋から流山市を結ぶ流鉄は全長6km足らずのミニ鉄道で、流山市民の足として親しまれています。ただ2005年開通のつくばエクスプレス開通による打撃は想像以上のもので赤字が常態化、乗客減に対応するため2006年から一部列車でワンマン運転を開始しましたが、既存車の老朽取替と共に全列車ワンマン運転化を図るべく導入したのが今回ご紹介する5000形です。

一見して分かる通り同社ではお馴染み元西武車で、今回は手頃な新101系の2両編成を入手できたため改造も最低限で済んだでしょうか。各編成ごとに異なる塗装と愛称の付与は最早同社の伝統、2013年までに5編成を投入して既存車を一掃し従来存在した3両編成は廃止されています。2021年には検査と車両故障で複数編成が離脱、窮余の策として登場した混色編成が存外受けている様子。組替が面倒だったのか離脱した各編成もう一方の車両もそのまま組み合わせて復帰したため、写真のように混色編成が2編成生まれてしまいました。今回ご紹介する編成も流山方が黄地に緑帯の「なの花」、馬橋方が赤地に白帯の「あかぎ」です。


sn50-車内全景

車内全景です。所々手を加えてはいるものの、クリーム色の化粧板に茶色のモケットは往年の「西武電車」をそのまま現在に残しています。

sn50-車端部1sn50-車端部2

車端部です。貫通路は狭幅、貫通扉は一方のみ設けています。馬橋方先頭車の連結面寄りは優先席とされ、黄色い吊革に交換されています。冒頭でも記した通り今回の撮影は近年登場した混色編成によるもの、特に右写真は分かりやすいでしょうか。

sn50-乗務員室仕切

乗務員室仕切です。写真は馬橋方で、車掌台側に車椅子スペースを設けています。単体の写真は撮り損ねましたが握り棒と非常通報装置の設置程度と最低限、化粧板は極力色を合わせたようですが右側は何となく周囲と色が違う気がします。

sn50-LED

仕切戸上にはLED式の情報案内装置を設置、全角6文字程度と最小限の装備です。

sn50-天井

天井です。枕木方向にフィンが入ったラインデリアに点々と設けられた冷房吹出口、扉間にしか無い吊革などは西武時代そのまま。譲渡車らしいのは吊り広告の内容でしょうか、乗車時には水道に関する子供絵画コンクール(?)の上位作品が掲出されていました。

sn50-床

床は灰色一色。

sn50-扉

扉はステンレス無塗装、戸先側に黄色いテープを張って注意喚起しています。

sn50-窓

窓は上段下降・下段上昇の2段式、カーテンは巻き上げ式で4段階での調整が可能です。

sn50-12人掛け

座席を見ていきましょう、まずは扉間の12人掛けです。1人あたり幅は最低限の400mm、。譲渡に際しては中央にスタンションポールを設置しています。背摺りと座席が独立して、その間をスペーサーで埋めた特徴的な見た目は健在です。

sn50-6人掛けsn50-6人掛け優先

車端部は6人掛け。優先席は元々灰色系でしたが、今回乗車した車両は薄灰色に動物の足跡を散りばめたデザインでした。

sn50-2人掛け

乗務員室直後は2人掛けですが些か窮屈な感は否めません。座席の掛け心地自体は悪くありませんが線路が今一つな様子、もっとも全線乗っても15分足らずですから気にする間もなく終点に着いてしまいます。

sn50-運転台

運転台は西武時代と大きく変わっていないようですが、ワンマン運転関連設備が追設されています。


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最終更新:2023/2/11

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