京阪8000系(2階建て車・リニューアル)|FTN trainseat.net

京阪8000系(2階建て車・リニューアル)

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1989年に登場した8000系は京阪特急の顔として7連10編成が揃えられましたが、1995年には1編成のみ残った3000系に「2階建て車」を「自社改造で」組み込み京阪特急の新たな魅力となりました。そうなると8000系にも…という話になり、1997年から8連化用の中間車として製造されたのが8000系の2階建て車(8800形)です。外観は8000系に合わせていますが、車体構造の関係もあり鋼製車体、2階建て部には時代祭行列のイラストを貼り付けた点が特徴でした。
2008年からの新塗装化では赤と黄色のツートンの境界に入る金帯が円弧を描くようなデザインとされ、編成上でのアクセントとなっています。2010年からのリニューアルでは他車同様手が加えられていますが、平屋建て車とは様子が幾分異なるようです。

なお平屋建て車プレミアムカーはそれぞれ別頁でご紹介していますので、併せてご覧ください。


80END-階段

車内に入るとまずは「2階席」「1階席」「平屋席」を選ぶことになるでしょう。混雑を考慮し階段は上下とも直線式、階下席に下がる階段は向かって左側にオフセットされ、階段の無い側は機器室と補助座席になっています。


【2階席】

80END-2F車内全景

どうしても2階席に足が向いてしまうことでしょう、ということでまずは2階席から見ていきます。電球色の照明は2階建て車独自の仕様で、車内の配色自体は平屋建て車同様ですがまた違った雰囲気を醸し出します。身長が低い管理人でも天井の低さが気になりますが、こればかりは致し方ありません。

80END-2F端部

端部です。向かって右側は階下席への階段がある部分で不透明のガラスを配しており、直後の座席はスペースの兼ね合いから転換不能になっています。

80END-2F窓

窓は2席で1枚、上部を僅かに曲げているようですがJR東日本の普通列車グリーン各形式ほどのものでは無く、窓の天地寸法も小さめに見えます。間柱部に風洞があるのか鴨居部に吹き出し口が見えます。

80END-2F天井

天井です。2階建て車を内製してしまった旧3000系では中央に照明を集中配置していましたが、本形式ではレイアウトを大きく変更し照明を湾曲部に設け内側に荷棚を設けています。旧3000系では2階建て席にも個別の読書灯を設ける程度には暗かったのですが、本形式はそんなことも無く十分な照度を確保しています。荷棚はアクリル製、この収容力では別に無くてもいいような気がするんですが…

80END-2F床

床は通路部をカーペット敷き、座席部を床材張りとしています。いずれもリニューアル前から交換されていませんが、意外と違和感はないように思います。

80END-クロスシート

座席は転換クロスシートですが、現在は座席を交換しています。「現在は」というのがポイントで、どうやら必ずしもリニューアルと同時に交換されたわけでは無いとのこと。平屋建て車では交換しておらず、それより新しいのに何故…と考えると思い当たるのは元々の座席の背摺りが中折れ機構付きの舶来品だったと言うこと。1時間に1度転換を行うというのは中折れ機構付きの転換座席では結構過酷な使用条件で、変えたくなる気持ちも分かります。

この座席、見た目こそ新3000系に近いですが屋根高さの関係もあり背摺りは低め。窓側肘掛は設けておらず、窓框がほぼ同じ高さにありますのでそれで代用する格好のようです。


【1階席】

80END-1F車内全景

1階席の全景です。平面な天井が気にならないでもありませんが、アプローチ部の構造の関係か比較的静かな空間です。

80END-1F端部

端部です。階段は向かって右側、正面は壁で機器箱になっているようです。右側の仕切りはガラス製のようですが、目隠しには現在の色調には合わない水色っぽい色を用いています。この部分についてはリニューアル時に手を加えていないらしく、青基調だった登場時の色遣いを今に伝える存在…ではありますがここだけ浮いている感が無きにしも非ず。

80END-1F天井

天井は平面、照明は間接式としています。旧3000系の2階建て車のことを考えると随分明るい印象です。

80END-1F床

床敷物は2階席と同様張り替えていません。通路部のカーペット敷きはやはり効果が大きく、静粛性を大きく向上させています。旧3000系の2階建て車にあった段差は解消されていますが、通路と座席部の間には黄色いパーツを用いています。

80END-1F窓

窓は2階席と同様2席に1枚、実用上問題ありませんが位置は幾分高めでしょうか。眺望としては当然劣りますが、階下席ならではの低い視点(何)を楽しむのも悪くないでしょう。一部の柱には独特な形状をした補助照明を設置。

80END-1Fクロスシート

座席は2階席と同様交換されていますが、こちらは窓が高いので窓側にも肘掛を設けている点と、側壁と座面間に隙間埋めを設けている点が異なります。新3000系と同様背摺り側面にはタグが縫い付けられていますが、同系のようなブランド生地と言う訳では無いようで「ELEGANT SALOON」のロゴが入っています。

80END-1F階段

階段です。以前は降りたところにも1人掛けの補助座席がありましたが、酔客が階段を転落し補助座席に座っていた乗客が大怪我を負うという事故が発生し撤去されました。まあ正直なところ(事故云々は関係無く)途中停車駅もあるのにこの位置に補助座席は…と思っていたので、まあ妥当な変更でしょうか。


【平屋席】

80END-車端部

平屋部(車端部)は2階席から見下ろすような視線から全体をご覧いただきます。2階建て車でも階段が真っすぐ立ち上がる車両でないと撮れない角度、更にデッキがあると意味がありませんので、さて同じように撮れる車両が国内で他に幾つあるでしょう…

80END-扉

扉は引き続き片開き1100mm、地下線区間の撮影ゆえ窓に反射があり管理人も登場(汗 扉上には液晶式の情報案内装置、その横に入るロゴは「DOUBLE DECKER」の文字も入ります。

80END-5人掛け80END-5人掛け

車端部のロングシートは5人掛け。平屋建て車は6人掛けだったのにどうして…と思い形式図を見てみると、2階建て部の寸法を確保するためか平屋建て車に比べ車端部寸法が300mmほど短くなっているようです。1人当たり幅は平屋建て車と変わらず480mm、背摺り高さは平屋建て車のクロスシートと同等で、転換座席では無い分自然な形状をしています。

80END-車椅子スペース80END-3人掛け

大阪方には車椅子スペースを設置、その横も1人分減って3人掛けとしています。

80END-補助座席

補助座席はクロスシート部のみ引き続き設置。化粧板やモケット以外は変更されておらず、引き続き扉の開口部と重なる位置に設けられています。使用不可の場合は写真のように表示灯が点灯しますが、上手いこと「ELEGANT SALOON」のロゴに組み入れた格好になります。

80END-車端部

ちょっとだけ過去の写真。2009年に塗装変更し出場した8005Fのうち、2階建て車(8805)のみ座席を取り替えるなど変更を施し出場しました。リニューアルに向けた先行改造だったと判明するのは後の話、しかも車端部はクロスシートのままでしたので結果的に異端仕様となってしまいました。

因みに写真は2011年の寝屋川車庫公開時の一コマ、確か車内公開と幕回しで遊ばれる車両になっていたような覚えがあります。本形式は4号車~5号車間で分割可能な構成、入場中の写真とあって貫通扉窓から風景が見えます…

80END-2人掛け80EN-優先2人掛け

座席は新3000系と同等のクロスシートに交換されていました。仕様は現在の2階建て部に近いですが、窓側肘掛が無いのが相違点でしょうか。妻側の座席は前述の車端部寸法の兼ね合いか元々転換不能で、妻壁にはその旨のステッカーが貼られていました。

座席系

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