京阪8000系30番台|FTN trainseat.net

京阪8000系30番台(旧3000系)

8531写真: 8531_last

「8000系30番台と言われても…」という方も少なくないでしょう、1971年登場の3000系特急車です。伝統の特急色に廃止の動きもあったテレビカーも残し、現在まで続く京阪特急像を確立した車両と言っても良いのではないでしょうか。京阪の顔として20年活躍したのち、主役の座は8000系に譲り1編成を残し廃車されました。なお一部の車両は富山地鉄や大井川鉄道に譲渡されています。1995年には車内や足回りを8000系並みとする改造を実施、また同年には既存車から改造した2階建て車を組み込み後に8連化、2008年に中之島線用の3扉・クロスシート車が3000系を名乗るため8000系に編入されました。
しかし残った1編成も老朽化などの理由で2013年に惜しまれつつも引退、廃車されました…が、2階建て車が富山地鉄に譲渡されたのは流石に想定外でした。また先頭車1両が全盛期の姿に復元されくずはモールに保存されています。

ここでは晩年の、2階建て車以外の様子をご覧いただきます。2階建て車は富山地鉄移籍後の写真も交えつつ別ページで紹介しています。


803-車内全景s

車内全景です。座席や化粧板こそ8000系並みに改装されていますが、同系に比べ丸めの天井や1列1つの窓配置などが特徴です。

803-車端部

車端部です。妻窓は無く、かつては金箔を散りばめた飾り壁というとても無料特急とは思えない装飾を施していましたが、1995年の改造後は側面より濃い目のブラウンとしました。広告枠は設けていますが掲げられているのは広告ではなく絵画である点も独特です。

803-4列区画s

6号車(3655→8681)の京都方車端部は通常3列である座席が4列になっています。この車両は元々京都方先頭車で、8連化に際し増結された車両です。

803-車端部(TV)s

5号車(3755→8781)にはテレビと公衆電話が設置されていました。貫通扉に2つ小さな金具がありますが、入替時に使用する簡易運転台のものだと思われます。

803-テレビ2803-テレビ1s

テレビは京都方にのみ画面があり、この車両だけは大阪行きであっても画面のある京都向きに座席がセットされます。また、画面付近の蛍光灯はテレビが付いていると自動で消えるようになっています。一方で晩年は地上デジタル放送化により京阪間の両端にある地下線では放送を受信できなくなっていました。

803-電話室跡s

カード式公衆電話は8000系登場時に中間封じ込めとされていた先頭車の車掌台に設置されていましたが、1995年の改造工事では中間車に扉の付いた個室を作って電話を設置しました。ただ携帯電話の普及で利用が減少、2009年には撤去され出入口の扉も取り払われています。その手前の席には先頭部と同様のテーブルを設置、側窓と同じサイズの窓も設置されていますが、電話室の中が着席している状態から丸見えなのは良いのか悪いのか…

803-運転台仕切り2

乗務員室仕切です。通勤車とほぼ同様の構造で、8000系ほどでもありませんが前面展望も十分楽しめます。右上に掲げられているのは成田山のお守り。

803-床s

床は茶色1色。電動車であっても点検蓋はありません。

803-天井

天井です。蛍光灯はカバー付き、その内側に所々吹き出し口が設けられています。

803-ドア

扉は片開き式。幅は1100mmと京阪間ノンストップ時代は十分と言える寸法でした。

803-側窓s803-窓・カーテン

側窓は1列1枚、製造時から冷房を設置していますが2段式で開閉可能としています。カーテンは一般車と同様にワイヤ式のフリーストップカーテンです。戸袋部は何かを隠すためでしょうか、下部に何やら加工が施されています。

803-座席(赤系)803-座席(茶系)

座席は1995年の更新時に取り替えており、8000系と同じものとされています。取替前の座席についても触れようかと思いましたが、よく考えたら富山地鉄にはほぼそのままで残っていました(汗
座席は自動転換機構があり、モケットは赤系と茶系の2種。窓側にも肘掛が設置されていますが、かつては側壁に埋め込まれるような形で樹脂製の肘掛が設けられていました。シートピッチは改造前と同様の900mm、車端部の一番端の席も改造前と同様に転換できません。とはいえ従来の特急車は電動車が床下点検蓋の関係で車端部ロングシートだったため、初の全席クロスシート車となります。

803-座席下s

座席下は空洞になっているので、シートピッチ900mm以上の広さを感じます。

803-補助座席

補助座席は従来の京阪特急で行われていた「パイプ椅子」のサービスを継いだもので、2次車から設置され後に1次車にも設置されました。通常の座席は全て取り替えられ、内張りも8000系並みに交換された中、これについては改造前からの設備をそのまま引き継いだ格好です。施錠機能が付いており、基本的に下りが中書島発車後、上りが京橋発車後に使用可能となります。0番台とは異なり、1人分ずつ独立した形になっています。

803-車いすスペース

車椅子スペースです。固定金具はなく、また決して広くもありませんが、8000系0番台の車内改造前は同系の最後の2編成と共に特急車では数少ない車椅子スペース設置車でした。

座席系

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