近鉄12410系
12410系は1980年、名阪ノンストップ特急向けの新車が登場しました。今でこそ「アーバンライナー」が投入される近鉄特急の花形運用の1つですが、当時は東海道新幹線開通で利用者が激減し単行運転を本気で検討されたと言われるほどの状況でした。そんな中で新車を、それも近鉄特急では珍しい3両編成で登場したのは、国鉄の運賃・料金値上げにあると言われています。ベースは12400系で、外観だと標識灯・尾灯が、また機器類も一部が変更されています。尤も3連での活躍はごく僅か、最後に登場した第5編成は最初から4連でした。
2000年から2002年にかけ車体更新工事が行われ、車体・車内がリニューアルされました。5編成しか無いので当たればラッキー、と言いたいところですが、12400系や12600系はもっと少ないですし、更にそれらと区別がつかない辺りが何とも…
まずは車内全景から。
デッキとの仕切りは模様の入ったものになっています。当初は広告枠があったそうですが、現在は撤去されています。扉は着色されていますが透明なガラス。そのせいで管理人の姿が(汗
次駅案内などの情報案内装置の設置は無く、号車・禁煙か否か・トイレの使用状況を示す装置が壁に設置されています。この号車表示、柔軟な運用の汎用特急車ではかなり重要でして…
D号車! 取材した列車は賢島から大阪と京都に行く列車を併結したもので、京都に行く方はA~D号車としていたのです。現在伊勢方面絡みの併結特急は消滅しましたが、代わりに(?)京都から奈良・橿原神宮前という系統が登場しています。
天井です。照明はカバー付きの直接照明、中央に空調吹き出し口が貫いています。右側、小さいですが吹き出し口と照明の間に黒い部分があります。実はこれ空調のスイッチで、ここを扱えば風量などを変えられる模様。
窓とカーテン。2席で1枚の大きな窓と、横引き式のカーテンから「特急車らしさ」を感じさせます。
座席です。2000年頃から更新を受け、21000系「アーバンライナー」タイプの座席に変更されています。リクライニングと共に座面がスライドする仕組み、基本的には12200系などと変わりありませんがこれまでより背摺りが幾分薄くなっているようです。テーブルはインアーム式、中央の肘掛はありませんが、これらも従来車と同様です。
座席の背面には網ポケットが設置されています。この網ポケットの貼り方に古さを感じないでもありません。
枕カバーはリゾート地伊勢志摩をイメージしたものです。
車端部には固定式のテーブルが設置されていますが、すべてに設けられている訳では無い模様。
荷物棚。大きめの座席番号も書かれています。近鉄特急では多く見られる補助照明の類ですが、この車両では見当たりません。
扉は特急車伝統の折戸。内側に開くので、駅到着前には注意喚起のアナウンスが入ることも。
トイレです。12200系では当時としては異例の洋式トイレが設置されていましたが、利用が少なかったという事で12400系からは和式トイレに戻されていました。12410系でも引き続き和式だったようですが、更新時に改造されたのでしょうか、洋式になっていました。手洗いはボタンを押すと一定時間水が出るタイプ。
ゴミ箱はデッキにあります。
運転台は基本的に通勤車と同じような配置。
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