近鉄8400系|FTN trainseat.net

近鉄8400系(ワンマン対応車)

写真: B13(8413)

奈良線系の架線電圧昇圧を控えた1968年に登場した8400系は、8000系をベースとしつつ補機類を集約することで8000系では出来なかった3連の組成が可能となりました。主に足回りの変更が主ということで外観は8000系とほぼ同一、写真の車両の車番が「8313」と番号が形式名より若いこともあって、理解していないと車番ですら判断し辛いという難しさがあります。既に空気バネ台車の採用が標準になっていた中、写真の編成を含め数編成がどういう訳かコイルバネ台車を履いています。

その3両編成は田原本線でのワンマン運転開始にあたって、1992年からワンマン化改造を実施しました。7編成ありますが田原本線ではせいぜい4編成程度しか使わないため、2編成併結で奈良線等の運用に充当される姿も見られます。今回はそのワンマン対応車の様子をご紹介します。


84-車内全景

まずは車内全景から。昔からの「普通の近鉄電車」の印象で、適宜手を加えつつ綺麗に使っているようですが、流石に製造から50年弱が経過しており古さを感じないではありません。

84-車端部184-車端部2

車端部は例によって側窓1枚分と2枚分の2種類があります。この時期の近鉄一般車の貫通路は狭幅・広幅の両方がありますが、3両編成がある本形式は全て狭い幅…

84-車端部3

…では無いようで、広幅貫通路も存在します。どちらかと言うと前掲した「奥行きの浅い車端+狭幅貫通路」がイレギュラーになるかと思いますが、にしても面倒そうなことをやっているものです。

84-乗務員室仕切

乗務員室仕切です。田原本線のワンマン運転は乗務員による運賃収受が無く(中間駅は無人な上に改札機も無いようですが…)、仕切や座席の改造は行われていません。車掌台側は使用しない際には折り畳むことができる構造になっています。

84-天井

天井です。蛍光灯はカバー付き、元からラインデリアを装備しており改造で設けられた冷房は台形の吹き出し口が目立ちます。

84-床

床敷物は砂柄の物に張り替えられています。

84-扉

光の当たり方が大変なことになってしまいましたが扉です。窓は後年の改造で複層化された様子、更に近年になって戸袋側には縦に黄色い帯を入れています。

84-窓

窓は一段下降式、扉間は2枚・大半の車端は1枚です。カーテンは巻き上げ式ですが、フックが最下部にしかありませんので開けるか閉めるかしか出来ません。

84-7人掛け

座席を見ていきましょう、扉間は7人掛けです。1人当たりの幅は約430mm、撮影時(2015年末)は赤無地のモケットでしたが今はどうでしょう…

84-3人掛け184-3人掛け2

乗務員室直後は3人掛けです。車掌台側の仕切を折り畳み開放出来る構造のため、直後の座席は本来不要な仕切側にも袖仕切を設けています。

84-3人掛け優先184-3人掛け優先2

優先席はモケットを灰色として区分。左写真は車端部の様子です。

84-6人掛け

中間車、伊勢中川方の車端は6人掛けですが、片方は優先席に指定されています。


84-運転台

運転台はワンマン化改造の折でしょうか、計器周辺を茶色に改めています。写真には写っていませんが改造で足踏み式デッドマンを設けています。

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