神戸市営地下鉄5000形|FTN trainseat.net

神戸市営地下鉄 5000形

写真: ks5105

三宮と新長田の間には既に地下鉄山手線が通っていますが、2001年にはハーバーランドや和田岬などを経由する海回りの路線として海岸線が開通しました。日本3番目の鉄輪式リニアモーター地下鉄となり、開業に際して小柄で柔らかな曲線を描いた前面スタイルの5000形が投入されました。緑帯は神戸市電以来の伝統、海沿いの路線とあって青帯を纏っています。そういえば鉄輪式リニア式地下鉄でホームドアが無いのも海岸線くらいになったでしょうか。

開業時は「夢かもめ」の愛称でPRされており阪急の駅でそんなポスターを見たような覚えもありますが、愛称の定着云々以前に利用が全然伸びていないようで… 10編成が同線全列車に充当されています。


ks50-車内全景

まずは車内全景から。関西圏ということでどうしても元祖リニアモータ地下鉄である大阪市交70系と比べてしまいたくなりますが、天井周りの造作の兼ね合いか特に車端部の妙な圧迫感や暗さを感じない、ともすれば明るい印象すらあります。奥行きが浅いのや幅が狭いのは今更言うまでもありません。

ks50-車端部

車端部は妻窓付き、全箇所に貫通扉を設けています。

ks50-乗務員室仕切

乗務員室仕切です。右側運転台のため仕切戸は左に寄せており、運転台直後となる右側に窓を設けています。

ks50-天井

天井はほぼフラット、カバー付き蛍光灯が車体全長に亘って設けられているため割と明るい印象。空調吹き出し口は手前中央を含め数か所にあるほか、局所的ながら大阪の小断面地下鉄には無いラインデリアを設けています。いくら天井が低くてフラットだからと言ってそこに広告を貼るのは驚きで、しっかり見ようとすると首が痛くなりそうです。

ks50-床

床敷物は柄の入ったクリーム色、貫通路と同じ幅を明るい色としてフットラインを形成していますが濃淡の差が微妙な感もあります。

ks50-扉

扉は両開き1300mmと一般的な寸法、複層ガラスをボンディング取付したので窓と扉が面一になっています。鴨居部の情報案内装置については後述しますが、それとは別に鴨居両端には扉開閉予告表示灯を設けています。

ks50-LEDks50-マップ式案内

扉上にはLEDによる文字情報とマップ式の情報案内装置を交互に配置。西神・山手線3000形では両者を一体に千鳥配置していましたが、それを分割し大型化したことで視認性が向上しています。特にLED式の文字情報はかなり大きめ、関西圏の電車でこの手の装置を搭載する車両はJR・私鉄問わず割と小さめの文字サイズになっている印象なだけにその意を強くします。一方マップ式の情報案内装置というのは液晶式表示機の台頭で既に過去の物になりつつありますが、21世紀に入ってからの新車ではあまり見かけない気がします。あまり聞かない「夢かもめ」の愛称も記されています。

ks50-窓

窓は扉間2枚・車端1枚で前者は一段下降式、全線が地下ですからカーテンは無く広告ステッカーも目立ちます。

ks50-6人掛け

座席を見ていきましょう。扉間は6人掛け、ラインカラーが青の海岸線で通常席のモケットに赤系を採用したのは意外な印象です。バケットシートの採用は神戸市交初で1人当たり幅は450mm、片持ち式座席が主流となりつつあった時期ですがスペースの無い小断面地下鉄ですから蹴込付で中には機器が収納されている物と思われます。些かの冒険心が見られるのは袖仕切で、樹脂とパイプの組み合わせですが樹脂製の袖板には穴が開いており肘掛として使用できます。大型袖仕切のなり損ないと言ったところでしょうか、類例が全く無い訳ではなく都営6300形の初期車でも似たような思想の袖仕切が見られます。 …そういえば採用時期や形状こそ異なりますが何れも川重製ですね、偶然でしょうか。

ks50-4人掛けks50-4人掛け優先

車端部は4人掛け、優先席は西神・山手線と同じくモケットをオレンジ色として区分。妻面側は背摺りの高さまでの機器箱を設けており幾分余裕があります。

ks50-車いすスペースks50-2人掛け優先

車椅子スペースは各車に設置、レール方向の握り棒と非常通報装置を設けています。その横は2人掛けで、優先席とされています。

ks50-運転台

海岸線は全駅が島式ホームということで、運転台を右側に設置しています。マスコンはワンハンドル式、運転台モニタにはホームのカメラから画像を転送し表示する機能もあります。しかし「鉄人列車」とは何とも強そうな名前、冒頭の外観写真でヘッドマークを掲げているように「鉄人28号」による街おこしの一環です。


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