高松琴平電鉄1200形|FTN trainseat.net

高松琴平電鉄 1200形

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1967年に登場した京急700形は同社初の4扉車で、自社線専用の通勤車として4連21編成が製造されました。全電動車の1000形に対し2M1Tの経済編成として1000形並みの性能を確保する…はずだったのですが、実際は中間付随車を2両組み込んだ4連で登場しそれが常態化。1998年からは廃車が発生し、2002年廃車分からは経営再建を図る高松琴平電鉄に譲渡されることになりました。主な改造としては2連化にあたって主電動機の半減がなされたほか、従来車との併結を可能にするため制動装置の変更を実施。外観では高松築港寄り先頭車のパンタグラフが撤去されています。
2003年3月に1200形としてアイボリーと黄色のツートンカラーを施し琴平線に投入され、2005年までに8編成が投入されました。また2006年には長尾線の大型車対応工事が完了したため、同線向けにアイボリーと緑色のツートンカラーとした50番台が3編成投入されました。2011年には琴平線の1編成が長尾線に転属しているため、現在は琴平線7編成と長尾線4編成の計11編成が活躍。琴平線では最大勢力となっています。
(※写真は長尾線の1250形1253編成で撮影したものです)


tk120-車内全景

車内全景です。縦の方向の握り棒が扉の脇以外に無いため広々した印象で、同時にモケットと床の色のお蔭でやけに緑色が目立つ車内になりました。

tk120-車端部

車端部は京急ではお馴染みの折妻、貫通路は1100mmの広幅で貫通扉はありません。

tk120-乗務員室仕切

乗務員室仕切、写真は琴平・長尾方の様子です。側窓に比べ天地幅が小さい仕切り窓は着席しての前面展望が幾分難しく感じる高さで、握り棒が窓の部分に設けられている点も特徴です。運転台窓には担当乗務員を掲げる名札が設置されていますが、これも琴電再生に向けた取り組みの1つでしょうか。

tk120-天井tk120-扇風機

天井です。冷房は全車1980年代になって設置されましたが、扇風機も残存しており車掌の判断で稼働します。小さいながら三菱のマークとKHKの文字が入っている点に注目です。蛍光灯はカバー無しで数も少なめ、扉の部分には設置されていないようです。吊革は琴電に移る際すべて三角形の物に交換されており、優先席付近では黄色くしています。

tk120-床

床は京急時代灰色だったような気がするのですが、濃い緑色に変更されています。照明が幾分少ないこと、黒い汚れが目立っていることも追い打ちをかけてか、夜間は少し暗めの印象になります。

tk120-扉

変な角度になってしまいましたが扉です。1200mmの片開きは800形までの京急標準、相変わらずステンレス無塗装です。写真は最終増備車の1971年製造組で、1000形との共用品を採用したグループです。

tk120-窓

側窓は扉間が通常の窓と戸袋窓が1枚ずつ、車端部は1枚でどちらか一方という配置。窓は1000形に比べ小さめで角もあるため随分印象が異なりますが、大きさについては伝統的に他形式が大きかっただけという見方も出来ます。下段は固定されていますが保護棒は残しています。カーテンは巻き上げ式です。

tk120-7人掛け

座席は扉間と車端部の2種類のみ、先に扉間です。1人当たり400mmと正に必要最低限な寸法で、6人掛けとしてはかなり苦しいものがありそう。モケットは琴電標準のゴールデンオリーブ色です。

tk120-3人掛けtk120-3人掛け優先

車端部や乗務員室直後は3人掛け、優先席は赤のモケットです。車端部は折妻ですので、間を埋めるような形の機器箱が設置されており幾分余裕があります。そうは言っても1人当たり幅はやはり400mm、窮屈なのは間違いありません。
元々短距離利用を前提としたこと、また立席スペースを増やすために座席を浅め・高めとした点が特徴だった京急700形。てっきりそのままだと思って乗車したのですが、実は座り心地改善の為に座面を旧1000形のそれに交換していたようです。もっとも奥行は改善されても脚台がそのままですから高さは従来通り、効果の程は…?

tk120-車いすスペース

高松築港方先頭車の車掌台直後には車椅子スペースが新設されています。装備の少なさも相まって新設とは思えない印象で、特に線路方向に短い握り棒を1本設けただけですから、せめて乗務員室仕切にも握り棒が欲しかったところです。


tk120-運転台

運転台は主幹制御器と制動弁が交換されています。

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