熊本電気鉄道6000形|FTN trainseat.net

熊本電気鉄道6000形

写真: kumaden6231A

1968年に登場した都営三田線6000形は1989年から冷房化改造を開始しましたが、一方で1993年からは非冷房だった初期車の置き換えが開始されました。この頃地方私鉄向けで出回っていたのは18m級のオールステンレス車である東急7000系、20m級のセミステンレス車である本形式は中々買い手も付かず…と思いきや併用軌道のような区間もある熊本電気鉄道が手を挙げました。静岡鉄道から購入した500・600形の老朽化が待ったなしだったとのことで、降圧やワンマン化工事、冷房化などを行って車番もそのままに投入され、特に20m級の大型車が併用軌道のような区間を走行する姿は名物となったようです。1999年からは都営時代に冷房化された車両も入線、2連5本の陣容となり主力車両として運用されました。

台車交換に合わせ「くまモン」をラッピングした車両も登場するなど話題になりましたが、老朽化の進行などもあって2018年から廃車が発生しています。代わってやってきたのも東京の地下鉄、しかし今度は営団→東京メトロの銀座線や日比谷線ということで車体長の面では適正化されたと言えましょうか。熊本での活躍もそう長くはないかもしれません。


kumaden60-車内全景

まずは車内全景から。都営時代に冷房化と車体修繕を行っており、その際化粧板が現在の白系に変更されたようです。日中にも関わらず何となく薄暗いのは照明が間引かれている影響が大きいでしょうか。

kumaden60-車端部

車端部は広幅で貫通扉はありません。フリースペースは各車1か所ずつ設けられているようです。

kumaden60-乗務員室仕切

乗務員室仕切りです。4扉車ながら扉から車端部までは余裕があるようで、形式図によると仕切は扉から700mm程度奥に設けられています。旧来の仕切戸に代わって下部のみの仕切戸が設けられており、客室側には運賃箱を設置しています。両側の窓の下に広告が幾つも貼られていますが、これは戸袋窓に妻窓にと本来広告枠を設けたい位置に悉く窓があるためでしょうか。

kumaden60-LCD

仕切戸上には液晶式の運賃表を設置。

kumaden60-扉

扉は無塗装、角ばった窓が特徴です。後述しますが座席幅が狭めなこともあってか、20m級4扉の車両にしては扉横に余裕がある印象です。戸袋窓があっても何とか広告を設けたかったのか、窓の上から直貼りしている箇所も幾つかありました。

kumaden60-天井

天井です。前述の通り今回ご紹介している編成は都営時代に冷房化された編成で、左右に分かれたダクトは天井に直接取り付けることで工期を大幅短縮したとの由。節電の為か照明が半分しか点いておらず、いくら薄曇りとはいえ日中にしては暗い印象でした。吊革は荷棚から伸びたパイプへの設置が主です。

kumaden60-床

床は薄い茶系の単色。

kumaden60-窓

窓は二段式、上段が下降するようですが現在下段は固定されているようです。カーテンは巻き上げ式で5段階と細かな調整が可能、戸袋窓にも抜かりなく設置されています。

kumaden60-7人掛け1kumaden60-7人掛け2

座席は扉間と車端部の2種類、先に扉間の7人掛けからご紹介します。1人当たり幅は420mm程度と現在の感覚では幾分狭め。袖仕切はパイプ式、103系のそれに縦棒を1本追加したような形状です。ご覧の通り灰色のモケットは劣化が見られ、座面だけ緑のモケットになっている箇所も見られました。

kumaden60-4人掛け優先

車端部は4人掛け。写真の箇所は優先席で、これは窓に貼られたステッカーからも明らかなのですが、灰色のモケットはそれを踏まえての物なのかどうか… 前掲した扉間の座席の灰色と比べると微妙に緑がかって見えるような、そうでないような… 整理券発行機は扉と座席の間に余裕があるお陰で丁度収まったようです。

kumaden60-車椅子スペース

御代志方先頭車の車端部にはフリースペースを設置。低い位置の広告枠や手摺、独立して立っているスタンションポールなどが特徴です。

kumaden60-運転台

運転台です。貫通扉は機器が追設されており、開閉できなくなっているようです。


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