名鉄1700系|FTN trainseat.net

名鉄1700系

1601

1999年、支線直通特急で尚も活躍していた7000系白帯車を置き換えるべく登場したのが1600系です。白帯車は間合いで急行や普通にも充当されましたが、本形式投入で特急指定席は全車が専用車両化され「特別車」に改称されています。名鉄では珍しく3両編成で、いちおう『パノラマsuper』の愛称を掲げてはいますが前面貫通式として幌を繋ぎ2編成併結しての運用を想定しています。足回りはVVVFインバーター制御・電気指令式ブレーキを採用、同時期の通勤車3100系をベースとしたものです。4編成のみの投入、それも7000系をそのまま置き換えるような格好だったため主に津島線~西尾線特急など支線運用が主。2004年には特急車として2000・2200系が登場、完全に地味な役回りが続くかと思われました。

しかし2006年に特急営業政策の変更で2000系以外の全車特別車特急を廃止し、経年の浅い本形式は2200系の一般車側と組み合わせた一部特別車編成化すると発表されました。全車特別車としての運行は2008年6月までで、同年12月に方向転換・Tc車の廃車(一部機器は新造の一般車に流用)・塗装変更(右写真はオンマウスで旧塗装になります)などを行い一部特別車編成「1700系」として再デビュー。2015年からは2200系の塗装変更に合わせ1600系時代を彷彿とさせる塗装に再変更されました。
2200系と共通運用で、名古屋本線や犬山線、空港輸送を含めた知多半島方面などの快速特急・特急に幅広く充当されています。


60-車内全景s17-車内全景

車内全景です。茶系の落ち着いた色合いで、1000系「パノラマsuper」とも2000・2200系とも異なる空間としています。左は全車特別車時代、右は一部特別車化後ですが、大して手を加えておらず印象は変わりません。

60-仕切りドア(2)s

デッキ仕切です。全箇所が両開き式の仕切戸を採用、幅1000mmを確保しています。空港輸送への充当も何ら問題ない設計ですが、それ以上に名鉄名古屋・金山など乗降の多い駅に短時間しか停車できないという名鉄特有の事情があるようです。

17-デッキ仕切117-デッキ仕切2

一部特別車化改造に合わせ、1人掛け席は車椅子対応席を除きすべて撤去し2200系同様荷物置場に改造しました。

17-荷物置き場s17-荷物置場

荷物置場は2000・2200系の増設箇所と同様に下段を大きな荷物に対応したものとしていますが、仕切は板状の単純な形状です。窓は埋めること無く常時カーテンを閉め切る形で対応、荷棚の補助照明は流石に塞がれています。なお左写真は改造直後、右写真は近年の様子で、「大型スーツケース置場」のステッカーは最近追加されたものです。

60-LED案内s17-LED

情報案内装置はLED式で仕切戸上に設置。名鉄では通勤車でもお馴染みの装備で、列車情報はもちろんのこと中日新聞ニュースも流れるなど情報量は豊富。一部特別車化後(右写真)も2200系並みの液晶式案内装置に変更されること無く(たぶん寸法的に無理)現在に至っています。

60-天井s17-天井

天井です。照明はカバー付き直接照明、その内側に空調吹き出し口が設けられていますが、窓柱に対応する位置のみ一段出っ張っており照明も小型のものが別途設けられています。以前の照明は電球色のような色だったような覚えがあるのですが、近年は一般的な蛍光灯になっています。

17-窓

窓は2席で1枚、カーテンは横引き式です。荷棚下部の窓柱と同じ位置に補助照明が設置されています。

17-床60-床柄s

床敷物は細かいブロックパターンですが、通路部と座席部ではパターンが違うようです。遠目だと薄い灰色と濃いめの青灰色に見えますが、拡大するとオレンジや緑も混じっています。

60-2人掛け席s

座席はデッキ付近を除き2人掛け、先に全車特別車時代の写真をご覧ください。独特なフォルムと低めの座面が特徴だった1000系とは異なり、パーツに共通品があるのかどことなく新幹線を連想させる新たな座席を採用しています。シートピッチは1000系に続き1000mmと十分な数字。

17-2人掛け17-2人掛け展開

一方こちらは一部特別車化改造後の様子ですが、特に何が変わったと言う訳でも無くそのまま使用されています。右写真はリクライニングした様子ですが、リクライニング角度はそう長くない乗車時間もあってか控えめ。形式図を見ると1000系に比べ座席幅が些か狭いらしく、更に窓側肘掛は窓框と重なってしまい使い物になりません。2000・2200系は本形式をベースにした座席を搭載していますが、窓側肘掛周りの問題はしっかり改善されています。

17-2人掛け背面

座席背面です。背面テーブルは自社線内特急では初設置(キハ8500「北アルプス」には設置)、テーブル周りやポケット部分は樹脂製シェルで覆っています。ポケットはこの構造故か従来より有効幅が狭めのようですが… テーブルラッチは一部特別車化改造後どこかのタイミングでチケットホルダーを兼ねたものに変更されたようです。

60-車内案内s17-車内案内s

背面テーブルには車内案内が貼られています。

60-1人掛けs

1人掛け席です。元々デッキ仕切そばの席は全て1人掛けとしていましたが、一部特別車化改造で荷物置場を設置したため通常の1人掛け席は消滅しました。

17-1人掛け17-1人掛け展開

2号車には名鉄特急で初めて車椅子対応席を設置、一部特別車化改造後も唯一の1人掛け席として存置されました。肘掛は跳ね上げ式、他とは形状が異なります。

17-1人掛け217-1人掛け2展開

通常の1人掛け席は前述の通り一旦すべて無くなったのですが、2015年度から方針転換がなされ1人掛け席が再設置されました。各車とも荷物置場1つを座席に戻したような格好ですが、元々付いていたものは既に廃棄済み(ファン向けに販売されたような?)ですから新作しているようです。しかしこれ、よく見ると背摺り形状が従来と異なりますし、よく見るとモケットの張り方も元々のそれとは異なります。更にはリクライニングすると座面チルト機構があり… どうやら2000・2200系の1人掛け席から肩グリップを無くしたもののようです。

60-リネンs

全車特別車時代は一応「パノラマsuper」の一員でしたので、枕カバーにはロゴ入りの物が使用されていました。一部特別車化後は2200系同様「meitetsu」ロゴ入りに変更されています。


■デッキと付帯設備■

60-仕切りドア(1)s

デッキ仕切をデッキ側から見てみます。化粧板は客室内と同様の茶系を用いており、こちらも落ち着いた雰囲気でまとめられています。

17-乗務員室仕切

乗務員室仕切です。運転台側は機器を収めているのか窓を廃した一方、登場時「パノラマsuper」を名乗っていたこともあってか仕切戸と車掌台側は窓を連窓風に仕上げています。

16-トイレ1s17-トイレ

トイレも車椅子対応とされました。扉は2段式の引き戸ですが、通常のボタンを押すとピクトグラムが貼られた側だけが開き、車椅子マークの掛かれたボタンを押すと全てが開く設計です。内部は名鉄初の洋式便器を採用、洗浄や手洗いも自動化されています。このレイアウトはほぼそのまま2000・2200系でも採用されています。

60-洗面所(1)s60-洗面所(3)s

洗面台は1000系とは異なりレール方向への設置、水だけでなく石鹸も自動で出ます。また1000系に続きエアータオルも設置されています。

60-自動販売機s60-自販機案内s

全車特別車時代は1000系ほど大きくはありませんが自動販売機が設置されていました。運用終了が迫った2008年5月の撮影では既に売り切れが目立っていましたが、複数メーカーの飲料が販売されています。

 17-元自販機s

一部特別車化にあたり自動販売機は撤去されました。2200系ではここに男子小用便所があるのですが、流石に新設する訳に行かなかったのか板で塞いだだけの格好となっています。

17-扉

扉は両開き1000mmと特急車にしては広め、空港アクセスを担う2000・2200系もほぼそのまま踏襲しています。足元の灯具は本形式独自の装備です。

座席系

2200系(一般車)を見る

trainseat.net>名鉄インデックスに戻る

その他

編成別写真集>1700系

inserted by FC2 system