名鉄3150・3300系 初期グループ
2004年に登場した3150系(2連)と3300系(4連)は、名鉄本線系初のステンレス車であると同時に、これまで3R車(電気指令式ブレーキ使用する通勤車グループ)では初めてとなるクロスシートを装備して登場しました。2002年登場の小牧線用300系を本線用の寸法にした格好ですが、車体も車内もこれまでとは大きく異なるその車両に多くの利用者が驚いたと思います。ところが運用は従来車と共通、これまでロングシートしか無かった3R車に紛れてこんな車両が入ってくる訳で、昼間は快適ですがラッシュ時にはこの車両が来たときだけ積み残しを出すという悲惨な状態に。流石に問題視されたようで、2007年の3150系2次車からはオールロングシートになりました。
両形式とも増備が続いていますが、クロスシート付の3150系は4編成(51F~54F)、3300系は5編成(01F~05F)あります。
まずは車内全景から。300系の配置を本線用に並べかえたもので、転換クロスシートとロングシートを交互に配置しています。登場時は右側の写真のように握り棒すべてをピンクに塗っていましたが、削れたり削られたりしてしまい2012年から入場の折に左側写真のように無塗装になっています。
車端部です。先頭車の連結面寄りと中間車の運転台から遠い車端はクロスシート、中間車の運転台に近い車端はロングシートです。貫通扉の窓が上下に伸びたほか、6000系列以来久々に車番が貫通扉上に帰ってきました。ただ号車案内のLEDは車番の横に取り残されています。
乗務員室仕切りです。窓の天地寸法が全体的に小さくなりましたが、特に運転台直後はずいぶん小さくなりました。乗務員室扉は従来の引き戸から折り戸に変更されましたが、これは乗務員室側・客室側の両方に開くことが出来ます。
扉は両開きの1300mm。窓はゴム押さえで平滑な仕上げになっています。
床も300系と同様、灰色(中央は黒)を地色に粒を散りばめたような柄になっています。
天井です。外側に蛍光灯、空調吹き出し口があって中央はラインデリアが設置されています。写真は1次車ですのでラインデリア周辺の部品にはFRP製で枕木方向に模様が入っていますが、火災対策を強化するため両形式とも2次車以降はアルミ製で模様の無い部品に変更されています。そんな機会があるかどうかは別にして、3300系だと車番を見ずして1次車・2次車を判別するポイントになります。
窓は扉間に固定窓が2枚、車端は1枚ですが上3分の1が内側に折れて開きます。熱線吸収ガラスにしてカーテンを省いていますが、やっぱりカーテンは欲しいですね…
さて座席を見ていきましょう。まずは本グループの特徴であるクロスシートです。1200系のものをベースに軽量化を行った300系のものをそのまま採用していますが、シートピッチは名鉄標準の900mm。1200・1800系に続いて足元は空いており、足を伸ばすことも出来ます。モケットは通常席が青系、優先席が赤系です。軽量化が図られているようで、肘掛は一枚板、背摺りも軽く1200系に比べると軽めに転換できます。座面はバケット形状になっていますがロングシートほどではありません。
端部の仕切りには小テーブルが設置されています。携帯電話とペットボトルくらいなら余裕ですが、忘れないよう注意したいところです。
扉間のロングシートは8人掛けです。背摺り・座面とも3-2-3に分割されていて、分割されている部分にスタンションポールが設置されています。
車端部のロングシートは5人掛けですが、今回扱うグループだと3300系にしかありません。その中でも優先席の無い区画となると、3号車岐阜寄りにしかありません。
運転室後ろは2人掛け。窓サイズの関係で少々厳しめではありますが、前面展望を楽しむことが出来ます。
その向かいには車椅子スペースがありますが、2人掛けの補助座席を設けました。基本的には展開された状態で、車椅子利用者が乗車するときは閉じてほしいようですが、中々そう上手く行きそうにはありません。折り畳むと手摺りの他に何やら色々設置されていますが、注目は奥の黒い物体、これは車椅子を固定するベルトです。座席を再び展開する際はその下にある白いボタンを押しながら座面を引くのですが、その旨の表記が無いため展開させるのに難儀する様子を時折見かけます。ちなみにこの補助座席、リニモのものとほぼ同じものです。
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