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名鉄7000系

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名鉄7000系、言わずと知れた「パノラマカー」です。優等列車用として1961年に登場し14年に亘って24編成116両が製造されたほか、定速制御と回生ブレーキを常用したパノラマカー7500系も12編成72両ありました。7000系は主要機器が1959年登場のSR車5500系と同じだったため扱いやすく、改造で他編成・他形式との併結も可能だったため結果的に高性能な7500系よりも長く残ることになりました。改造や組み替えも多く、編成ごとに特徴があったので地元ファンには姿を見ただけで車番を当てることができる人も少なくなかったような気がします。
14年に亘って製造、また改造も受けており、本当は実に様々な形態があったのですが、今回は「普通」の姿で引退した初期車(1・2次車)の7001F、中期車(3~6次車)の7019F、後期車(7・8次車)の7043Fを中心に見ていくこととします。9次車(7100系)と第2次特急車化整備を受けた車両は別ページで紹介しています。


(00)車内全景s00-車内全景2

車内全景です。パノラマカーはついつい展望席ばかりに気を取られてしまいますが、多くの部分は2年前に登場した5500系の設計を引き継いでいます。そのため転換クロスシートで戸袋部分だけロングシートという基本構成も(9次車を除いて)同じです。左側は中期車、右側は後期車の写真です。

00-車端部2車端部s

車端部です。貫通扉は両開き、横には温度計があります。妻窓は製造時は全車設置されていましたが、特別整備や第2次特急車化改装で埋められた車両があります。左側写真は7043Fの中間車、車番の通り7700系ですが、車内は7000系7次車とほぼ同じです。右側写真の車両(7019F)は特別整備で埋められた…はずです。

展望室s前面展望s

肝心の先頭部はこんな写真しかありませんでした。座席が4列あり、その前には冷房装置を床置きしています。右側の写真は前面展望の様子で、手前に見えるのが空調吹き出し口です。

00-車番(トップナンバー)

展望席の3列目・4列目の上には運転室があり、展望室の入り口付近には運転室の出入口も用意されていましたが、余程の場合でない限り車外ステップを使用していました。3・4列目の照明と車番、出入口左側にあるブルーリボン賞プレートの跡も併せてご覧ください。

車掌室s

ここまで見てきて、運転室は上の方にありましたが車掌室は見当たりません。写真は先頭車の連結面側ですが、クロスシートが1脚だけあり車端には何やらいろいろあります。この位置が車掌室…いや「室」にはなっていませんが、車掌業務を行うスペースで、車掌業務に関わる機器は全てここに設置されています。

車掌台s

車掌用スペースに近づいてみました。車掌扉の上には使用中か否かを示す表示灯があり、点灯していないときはこの部分にある折り畳み式の補助座席がを使用することができました。

天井2s天井s

天井です。15年に亘って製造されただけあり、冷房は3種類ありそれぞれ天井の形状も異なります。写真は左側が初期車、右側が中期車です。

網棚s

荷棚は網棚ですが、7次車以降はパイプになっています。

座席番号s

カーテンの上には座席番号札が残っていました。登場から1970年代後半までは特急にも座席指定のものとそうでないものがあり、車両も分け隔てなく使用されていました。以後の転換クロスシート車には無い、貴重なアイテムです。

中間車掌台s

一部の扉横には扉スイッチが設置されています。

カーテンs

カーテンです。元特急用車は取り換えられたものもあり、編成によって違うようです。

ドアs

扉は1100mmの片開きです。

床柄s

床はグレー一色。特急車化改装を受けたことのある車両は両脇がこの色、通路は柄の入った赤色になっていました。

中期転換クロスs後期クロスs

座席に入ります。左が中期車、右が後期車の座席ですが、肘掛と取っ手に変化が見られます。肘掛は初期~中期車が「エ」の字のような形であったのに対し、後期車は一枚板になっています。また背摺りの取っ手も初期~中期車は円を描いているのに対し、後期車は角ばっています。因みに5500系とも別物で、肘掛や脚台が異なっていました。このうち肘掛に関しては旧型車から転用した座席を用いた9次車(7100系)と同じものでした。

いずれの写真もこの座席の手前は扉になっています。この部分の座席は立客との境目が無く(数編成のみ後付でパイプの仕切りが設置されていたようですが…)、1つ後ろの座席と向かい合わせになるよう転換させておく乗務員の方も多かったような気がします。この問題については設計陣も分かっていたのか、後期車は扉横の座席にだけ背摺りを鉄板で強化していたそうです…

向かい合わせs

向かい合わせにするとこんな感じ。車端部はこうしておかないとロングシートの乗客を眺めながら乗車することになります。

袖仕切内側2s袖仕切内側s

初期~中期車の肘掛の内側です。7001Fは茶色く塗られていましたが、7019Fは緑色でした。登場時の座席モケットは緑でしたので、後者が本来の姿です。前者はモケット交換の折に塗り替えたのでしょうか…

枕カバーs

座席の枕カバーは5700・5300系や1200系など後のクロスシート車とは異なり布製でした。

ロングs

戸袋部だけはロングシートです。座面部分を化粧板で覆い、仕切はパイプを曲げたものとしています。

元1白帯ロングs

7001Fなどは、座面こそそのままですが板状の袖仕切りにビニールで覆った肘掛を載せたものになっています。これは第1次特急車化改装の名残で、第2次改装を受けずに格下げされそのまま残った車両も少なくありませんでした。

元2白帯ロングs

7033Fは第2次特急車化改装を受けましたが数年で一般車に格下げられました。そのため晩年はソファ風の座席に茶色のモケットと言う、不思議な組み合わせになっていました


座席からs

実は完全引退が濃厚になった2008年になっても、先頭部以外はこの通りガラガラでした。今でも、もう少しだけでも乗ったり撮ったりしたかったなあ、と思っています。

座席系

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