名鉄9500系|FTN trainseat.net

名鉄9500系

写真: 9501

本線系初のステンレス車として2004年に登場した3150系・3300系は中断期間を挟みつつ15年かけ一定の勢力に成長、文字通り異彩を放っていた銀色の電車もお馴染みのものになりました。2015年増備車からは制御装置の変更が行われていましたが、2019年度からは制御装置にSiC-VVVFを用いるなど更なる省電力・高効率化を実施した9500系(4両編成)への製造に移行しました。
車体は3300系とほぼ同一、中間車だけ見ると3300系後期車と何が違うのか…と思ってしまうほどですが、前面の塗装は赤と黒を更に派手に配色。灯具は全てLED化し従来には無い自由な配列を実現、一方で6500系以来35年近く引き継がれてきた緑色の標識灯は姿を消しています。車番9000番台は名鉄初採用、これまで千の位が変わると全く別のグループという印象でしたが、本系列は3000番台の各系列と共通運用で写真のように併結運転も実施。初年度は4編成を投入、次年度以降も6000系など古い通勤車を置き換えることになると思いますし、いずれ2両編成の別形式も登場することになるでしょう。


95-車内全景

まずは車内全景。3150・3300系とは打って変わって落ち着いた色合いが特徴ですが、パーツごとに見ていくと「ただ色が変わっただけ」の部分が大半だったり…

95-車端部195-車端部2

車端部も構成は3150・3300系並みですが、貫通路の部分のみ化粧板をクリーム色に変えアクセントとしています。左写真は優先席で床敷物を赤色にしている一方、4連の中間にあたる2-3号車間の車端部には車椅子スペースを設けました。本形式は名鉄通勤車では初めてフリーWi-Fiを設置しており、写真ではほとんど分かりませんが妻面の右上にその旨を示すステッカーが貼ってあります。

95-乗務員室仕切

乗務員室仕切です。こちらも3150・3300系と同様の構成ですが、運転台側の窓が幾分小さくなっているような気がします。仕切戸の部分をクリーム色にしたのは車端部と同様です。

95-扉195-扉2

扉周りも従来車並みですが、ここもクリーム色。見た感じは今までと同じく塗装仕上げのように見えます。扉上の情報案内装置は千鳥配置ですが、それが無い側には名鉄初の防犯カメラを設けています。

95-LCD295-LCD1

扉上には液晶式情報案内装置を千鳥配置しています。表示内容は従来並みですが、本形式から中国語・韓国語表記も行われるようになりました。この程度であればいずれ3300系など既存車にも反映されるでしょうか。

95-床

床敷物は久々にフットラインが復活。柄は同様、両脇はクリーム色を帯びています。

95-天井

天井です。構成は3150・3300系同様、照明は全てLED式で蛍光灯との共用を考えない形状としています。貫通扉などで見られたクリーム色は天井のラインデリアと冷房吹出口の間にも及んでおり、1200・1800系や3100・3700系2次車に近いものを感じます。

95-窓

窓は引き続き扉間は固定窓、車端は上3分の1が内側に折れて開くものです。カーテンが欲しいところでしたがやっぱりありません。

95-8人掛け95-8人掛け2

ここからは座席を見ていきましょう、まずは扉間の8人掛けから。座席そのものは1人あたり幅470mmのバケットシートで、スタンションポールや袖仕切なども含め3150・3300系と変わらず、掛け心地も同じような感じ。変わった点と言えばモケットで、背摺りは紺地に赤や緑の網目状の模様が入ったもの、座面は灰色無地と3150・3300系の派手さからは一変しています。右写真は4号車岐阜方海側の扉間で、名鉄では初めて座席下に避難梯子を準備しています。

95-5人掛け95-5人掛け優先

車端部は5人掛け。優先席モケットは背摺りを赤系として区別していますがあまり目立っていないのはどうなんでしょう… 優先席位置は長らく各車豊橋方車端部としていましたが、豊橋方先頭車の優先席位置が形式によって異なっているため形式によって・編成の繋ぎ方によって優先席位置が一定しない問題がありました。2018年度の3300系になって前述の問題を解決できる「奇数号車の岐阜方・偶数号車の豊橋方」に統一する流れとなり、新車のみならず既存車に対しても検査の折にでしょうか変更されています。

95-車椅子スペース295-2人掛け2

2号車(モ9550形)の岐阜方および3号車(サ9650形)の豊橋方には新たに車椅子スペースが設置されました。この位置の車椅子スペースは名鉄初、5人掛けの3人分を潰す格好で設けられたため座席は2人掛けに短縮されています。仕切は座席のみならず足の部分まで覆う大きなもので、他社ではあまり見かけない配慮ですが機器箱を兼ねた小牧線300系の3人掛け席に倣ったものでしょうか。混雑時にも周囲を気にすることなく利用することが出来そうです。車椅子スペース自体も従来に比べ装備が強化されていますが、それについては後述します。

95-2人掛け

乗務員室の後ろは2人掛け、早くから埋まっていることが多い印象です。しかし撮り方をもうちょっと工夫しないといけませんね、この写真ではモケットの色合いがさっぱりわかりません。

95-車椅子スペース1

乗務員室直後の車椅子スペースも引き続き設置。非常通報装置や車椅子固定金具はもちろんのこと、従来に比べ手摺を増設したほかパネルヒーターや手摺にモケットを巻いた腰当が新登場、立客に配慮しています。


95-運転台

運転台は引き続き右手ワンハンドル、レイアウトも3150・3300系からほとんど変化ありません。

座席系

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