名古屋市営地下鉄6000形
6000形試作車製造から2年後の1990年、桜通線は名古屋~今池で開通しました。この際用意された6000形(2次車)は、車体こそ試作車と同様ながら車内は1989年登場の名城線2000形に準じて大きく変更されました。更に1993年の野並延伸の際に製造されたグループ(3次車)は、編成での増備のほか4連を5連にするための増結用車両も製造されました。徳重延伸時には新形式が登場しましたが、機器更新などを受けつつ現在も桜通線の主力として活躍しています。
今回は2次車と3次車をまとめて紹介、相違点は適宜触れていくこととします。同じ角度の写真を2枚載せている部分は左が2次車、右が3次車とします。
車内全景です。配色は試作車と同じですが、前年登場の名城線2000形に準じて座席に板状の袖仕切りが付いたことで印象が大きく変わりました。
車端部です。2次車は試作車に続いて妻窓を設置せず、LED表示機も相変わらず右側の壁に設けられています。一方3次車には名城線2000形や1992年登場の東山線5050形と同じく妻窓を設けました。これ以降の新車は全て妻窓を設置しています。
編成中に1か所だけ貫通扉を設置しています。今回は2次車のみの紹介ですが、試作車と同じく窓は小さめです。3次車は窓が下方に拡大されています。いずれも基本的には開け放たれており、乗客が必要に応じて閉めています。
乗務員室仕切、中村区役所方の様子です。窓があるのは扉と右の運転台側ですが、徳重方先頭は助士席側も窓があるようです。2次車はこの位置にLED表示機は無く、先頭車は連結妻側の1か所のみとなっていました。3次車は乗務員室扉上にも設置、プレート類や後で詳しく見ますが吊革の配置が変更されています。
LED式の情報案内表示機です。左は2次車、試作車に続いて座席の上に設置されています。右は3次車で、このグループでは乗務員室仕切も含めすべての車端通路の上に設置されています。位置は変更されましたが装置自体は同じもののように見えます。
床は両端を赤系、中央をクリームにしたものです。
天井です。2次車は鶴舞線3000形から続く、吊革を支えるパイプが扉付近だけが独立した構造になっていました。3次車は通常の構造に変更、貫通路上に移設されたLED表示機を見やすいようにしています。照明はカバーなしの蛍光灯が2列並んでいます。
扉です。扉付近は2次車と3次車で吊革の配置が大きく異なっていることが特徴ですが、扉自体は全く同じです。
窓は試作車と同様、連続窓風の仕上げです。カーテンレールが見えますがやはりカーテンそのものはありません。
座席、まずは扉間の7人掛けです。写真は2次車のものですが、3次車もほとんど同じです。名城線2000形に倣い袖仕切り形状を変更、パイプと袖板の組み合わせにしたほか、座席もバケット形状に変更。背摺りも名城線2000形と同じく着座位置を示す四角い模様が入ったものになりました。
車端部は3人掛けです。車端側も肘掛として使えそうな高さの機器箱が設けられています。左側2次車には妻窓が無い分広告枠が見えますが、ここに広告が入っているのは見たことがありません。
3人掛けの優先席です。こちらも背摺りのモケットに着座位置を示す四角の模様が入っています。
3次車では両先頭車に車いすスペースが設けられた兼ね合いで、新たに5人掛け席が登場しています。壁に向かって伸びていたパイプは途中で曲げて袖板に伸びています。車いすスペースは握り棒1本のみで必要最小限の設備となっています。
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