名市交7000形|FTN trainseat.net

名古屋市営地下鉄 7000形

写真: ms7101

2003年開通の地下鉄上飯田線は上飯田~平安通間の僅か1駅、走行区間のほとんどは名鉄小牧線ということになります。そんな路線にも地下鉄側の新車がしっかり入りました、それがこの7000形です。車体はステンレス製ですが、同区間に投入された名鉄300系が日車式ブロック工法を採用したのに対し、こちらは6000形以降続いているビードのある車体。前面は3050形などとは異なり曲面基調、帯色をグラデーションにしている点も目立っています。主電動機や制御装置、それに台車は検査の関係で名鉄300系に合わせてあります。

僅か1駅しかない上飯田線、独立した車庫は無く主な住処は名鉄の犬山検車区です。小牧線~上飯田線の運用は基本的に名鉄300系が充当されており、2編成ある7000形は名鉄車の代走が無ければ朝ラッシュ時と深夜にしか運用がありません。運用は分かれているので、狙えば乗車することも可能です。


ms70-車内全景2ms70-車内全景

車内全景です。左はロングシートが多い先頭車、右はクロスシートが目立つ中間車です。これは小牧線用の名鉄300系と同様の車内配置で、どう見ても郊外電車です。車内の雰囲気は全体的に大人しい雰囲気で、同線の名鉄300系のほか地下鉄各線の車両も比較的派手なモケットを使っていることを考えると、地味という印象すら抱いてしまいます。存在自体が地味と言う話も無いではありませんが…

ms70-車端部

車端部は地下鉄各線の車両に比べて奥が浅く、座席は2人分しかありません。名古屋市交通局では1990年代に復活した妻窓は引き続き設置、扉横の特徴的な形状の手摺りは名鉄300系と同等品と思われます。

ms70-乗務員室仕切

乗務員室仕切は300系とほとんど同一。仕切戸の窓と手摺りの位置が若干違う程度でしょうか。

ms70-床

床は中央と扉付近が灰色系、座席周辺がクリーム色です。床敷物の色を中央部とそれ以外、或いは扉付近とそれ以外で変える例はありますが、これを組み合わせたような形で何とも言えぬ違和感があります。

ms70-天井

天井も300系に近い造りに見えます。三角形の吊革は名古屋の地下鉄では初登場ですが、名鉄300系とは異なり本形式はクロスシート部にも吊革を設置しています。広告枠は設置されていますが、運用数が少ないためか全く使用されていないようです。

ms70-扉

扉です。扉窓は300系とは異なり押さえ金を用いた構造で、大きさも幾分小さめ。扉上の広告枠に掲出されているのは名鉄の路線図ですね…

ms70-LED1ms70-LED2

情報案内装置はLED式、扉上への設置は何気に名古屋の地下鉄では初めて。千鳥配置で、表示内容は名鉄300系と同一です。

ms70-窓1ms70-窓2

窓は300系と同様に扉間2枚・車端1枚で、UVカットガラスを採用しておりカーテンはありません。見た目は同じですがクロスシート部は固定窓、ロングシート部は下降式です。

ms70-転換座席ms70-モケット

座席を見て行きます。まずは地下鉄車では珍しい転換クロスシートです。背摺り・座面は名鉄300系と同等ですが、肘掛は名鉄1200・1800系に類似した座面と肘掛の間に穴が開いている形状です。モケットは柄の入った灰色、他路線がオレンジに緑に青に赤にと比較的目立つ色を使う中では大人しめのチョイスですが、よく見ると名古屋城や金鯱、テレビ塔や星などが描かれています。名古屋城にもテレビ塔にも近づかない電車なのですが、妙な力の入れようです。シートピッチは915mm、名鉄300系と同等の数値です。

ms70-7人掛け

続いてロングシート、扉間の7人掛けからご覧いただきます。座席はバケットシートですが名古屋の地下鉄では初めて片持ち式となり、1人当たり幅は470mm。2-3-2に分割されているのは名鉄300系と同じ…どころか恐らく座席そのものが同一品だと思われます。相違点としてはスタンションポールが無いこと、袖仕切りが独自設計であることでしょうか。特に後者については他では見掛けない形状で、内側に窪みの無い大型袖仕切です。

ms70-2人掛け

車端部は2人掛け、全て優先席となっています。モケットも一応色を薄めにしているとのことですが、差が小さく言われないと気付かない程度です。そして袖仕切りの形状が扉間と違いますが、設置する上で窓と干渉するなどの問題も無さそうで、わざわざ別形状にした理由が分かりません。仮に比較の意味合いがあったなら次の新形式でどちらかに落ち着くかと思ったのですが、その後も暫く迷走が続いたようで…

ms70-6人掛け

陽の当たり方ののせいで見づらい写真になってしまいましたが、先頭車は乗務員室を広く取った関係でその直後の扉間が煽りを受けて6人掛けロングシートを配しました。

ms70-3人掛けms70-車椅子スペース

反対側は3人掛けロングシートと車椅子スペースの組み合わせ。車椅子スペースには妙に分厚い仕切りにヒーターを、壁面に非常通報装置を、加えて固定金具を設置しています。設備としては名鉄300系と同等ですが、意外なことに「妙に分厚い仕切り」は以後の新形式にも引き継がれています。

座席系

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