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名古屋市営地下鉄 N3000形

N3101N3105

鶴舞線3000形も製造から35年程度が経過、このタイミングから更新改造を始めた乗り入れ先の名鉄100系とは異なり順当に置き換えとなりました。かくして登場したN3000形ですが、第1編成は日立製作所A-trainを採用したアルミ車体、第2編成以降は日車式ブロック工法を用いたステンレス車体で、なるべく外観を近づけようと頑張ったようですが各メーカーの標準工法がベースですからまあ限界があるかなあ、と言った印象。主要機器は桜通線6050形との共通化を図っており、第1編成が出てきた時にはそんな風に思いませんでしたが兄弟形式のような性格を持っています。

年1~2編成とスローペースで増備が進んでおり、平成の内に6連9編成が製造されました。今後も増備が続き3000形を全て置き換えるようです。運用範囲は鶴舞線他形式と同じく鶴舞線上小田井~赤池を軸に赤池から名鉄豊田・三河線で豊田市まで、また上小田井から犬山線犬山までも乗り入れており、平日朝には左写真のように急行運用も設定されています。


N30-車内全景

車内全景です。全体的な雰囲気はN1000形・6050形に似た、白基調としっかりした色の座席モケットの組み合わせです。今回はステンレス車の車内をご紹介しますが、アルミ車体の第1編成も外観の違いとは異なりそこまで大きな印象の違いはありません。

N30-車端部1N30-車端部2

車端部は車椅子スペースの有無で2種類ご覧いただきます。妻窓は1990年台に各線に投入されたVVVFインバーター制御・軽量ステンレス車体の「**50形」で復活したもので、現在に至るまで引き継がれています。貫通扉の取っ手は従来車に比べ大型化、6050形に続き衝突防止のためかガラスには縦ストライプがプリントされています。

左写真の側扉付近には左右とも銀色の箱が設けられていますが、これは名鉄線内で車掌が車両中間部でも扉を扱える扉スイッチです。本形式登場までには無人の小駅にも自動改札が設置されましたが、車掌によっては使用する場面もあるようです。もっとも次の車両は先頭車ですから1両分くらい戻れるのでは、と思わないでも無いですが…

N30-乗務員室仕切

乗務員室仕切です。地上区間も走りますが機器が多いようで窓は小さめ、但し窓は通常の透明ガラスとしています。

N30-床

床敷物は灰色系、見づらいですが座席モケットと同様に有松絞りをモチーフとした模様を入れています。

N30-天井

天井は一般的な構成ながら、6050形とは空調吹き出し口の形状が異なるほか、吊革は扉間の一部を通常より低めにしています。なお照明は2016年度に登場した編成からLED式としています。

この電車には大学4年間お世話になったんですが、何が悪いのかよく分からないものの夏場になると物凄い車内温度・湿度でやってくることがありました。空調が悪いのか換気が悪いのか、はたまた気密性が高いのか、従来車同様車両間の貫通扉が無ければこうはならないのか…など色々考えてしまいますが、全車一様に悪いわけでは無いものの鶴舞線の駅で夏場青白い前照灯が見えると一瞬身構えてしまいます。

N30-扉N30-扉2

扉です。左写真は扉の左側が車端部になっており若干の余裕がありますが、基本的には座席幅が拡大された影響で扉脇のスペースがほぼ皆無となっています。また(詳細は後述しますが)情報案内装置は千鳥配置としており、無い側には路線図と扉が開く向きを示すランプが設けられています。そうそう、右写真の扉脇には小さいながら名鉄と名市交それに相鉄特有の装備と言える「鏡」が設けられています。

N30-LCD2

情報案内装置は6050形に続き液晶式、千鳥配置で1両あたり4か所の設置です。特に広告用モニタの増設を考慮したとの話は聞きませんが、右側に寄って設置されています。

N30-窓

窓は扉間2枚・車端1枚、地上線区も走りますが最近の名鉄電車と同様カーテンはありません。扉間の窓は大半が開きますので、前述のように何ともならない車内環境の場合は開けるのが一番です。

N30-7人掛け

座席を見ていきましょう、まずは扉間の7人掛けです。6050形がJR東日本の通勤車と同じ座席形状だったかと思えば、本形式は第1編成が日立製と言う縁?か東京メトロ10000系と同じ形状のようです。袖仕切はやっとまともな大型袖仕切になったと言うのも変ですが、従来より大きめで内側に窪みも設けています。このあたりの造作は第1編成と第2編成以降で微妙に異なっているようで、また相違点と言うと荷棚の形状(取付け方?)が異なるせいか7人掛けで2本になったスタンションポールの曲がり方も第1編成の方が強くなっています。

N30-3人掛けN30-3人掛け優先

車端部は3人掛け。この形式も窓下端と同じ高さの機器箱が設置されており、今どき珍しく妻側には余裕があります。優先席はN1000形・6050形の青灰色から変更されオレンジ色になりましたが、ここは合わせておいた方が良いような…

座り心地ですが、見ての通りと申しますか扁平で大した沈み込みも無い座面に微妙な形状の背摺りで、長い時間乗る物ではないように思います。1人あたり幅は460mmと従来車に比べ広く取っています。

N30-車椅子スペース

車椅子スペースは各車1か所ずつ設置、窓には何故かベビーカーマークのステッカーしか貼ってありませんが… 非常通報装置や上下2段に設けた手摺りなどは6050形と同等ですが、地上の名鉄線を走行するためか側窓下にパネルヒーター?を設けているようです。

N30-4人掛けms605-車椅子スペース2

先頭車の車椅子スペースは乗務員室直後の扉間に一部座席を削る形で設置されており、座席は4人掛けです。車椅子スペースとの境には上飯田線7000形以降お馴染み?となった感がある、消火器や何やを入れたかなり分厚く大きな仕切りが鎮座しています。

座席系

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