南海12000系「サザンプレミアム」|FTN trainseat.net

南海12000系

写真: n12001

南海本線の一部指定席特急「サザン」は自由席車が1960年代~70年代前半登場の7000・7100系、指定席車は1985年登場…と言っても足回りは1970年代前半製の10000系で老朽化が進んでいました。自由席車の方は新型通勤車8000系の投入で徐々に置き換えが進む中、指定席車である10000系も足回りを中心に老朽化しているため、置き換え用として2011年に登場したのが12000系です。
特徴は車体・主要機器とも通勤車8000系をベースに設計されている点、足回りはともかく車体までベースが同じというのは珍しいような気がしますが、断面が同じお陰で8000系と併結しても凸凹感が無い綺麗な編成になっています。飾れるところで飾るしかない…という訳では無いでしょうが、前面は吊り目気味の大きなLED標識灯が目を惹き、腰板の大半を太い青帯で覆って車体中央には「SOUTHERN Premium」の大きなロゴ。青や黄色の帯色も10000系や通勤車のそれとは異なるものです。

自由席車側の置き換えと同じペースでこちらも置き換えが進むのかと思いきや、本項作成の2020年になっても2011年製造の2編成のみの存在。全車指定席運用は存在しないので必ず難波方に自由席車を併結して運用されますが、当初8000系で固定されていた併結相手にある日突然9000系が登場、今では日常の光景になっているとの由。休日は運用が固定されているので、狙って乗車する価値はあると思います。


120-車内全景

まずは車内全景です。白を基調にした明るい車内で、50000系「ラピート」のような派手さは無く堅実な造りと言った印象です。なお写真は1号車の様子、右側手前の座席が無い箇所は車椅子スペースです。

120-仕切120-仕切2

デッキ仕切は木目調の化粧板を使用、仕切扉の部分は濃い色を使用しています。和歌山方先頭車の1号車は車椅子スペースを設置したため通常より幅広、扉に合わせて鴨居部の情報案内装置も相応にオフセットしている点は珍しいような気がします。

120-乗務員室仕切

乗務員室仕切には窓を設置、和歌山方面行では最前列が展望席になります。

120-仕切テーブル

仕切テーブルはJR東日本E231系等のグリーン車で見られる小ぶりなもの、下部にはコンセントを設置しています。

120-LED

情報案内装置はLED式で仕切戸上に設置。列車案内を中心としつつ、駅出発後には車内の案内も流れます。優等車にしては文字サイズが小さめで、車両中央より後ろの席からはかなり見辛いのではないでしょうか。

120-天井120-空気清浄機

天井です。照明は所謂「光天井」、肩部に張り出して設けているのは「プラズマクラスター」発生装置です。鉄道車両初の装備として登場時には大きく宣伝された印象がありますが、そういえばシャープは沿線の企業でしたね(旧本社は阪和線の真横でしたが…)

120-窓

窓は2席で1枚、カーテンは横引き式です。荷棚下部には補助照明(けっこう明るい)を装備、この辺りは従来の南海特急車の仕様を踏襲しています。

120-床

床敷物は通路を赤系、両脇はクリーム色です。デビュー時はもう少し鮮やかな色だったような気がするのですが、存外早く汚れてきてしまったようです。

120-座席120-座席展開

南海では目新しい青のモケットを用いた座席は2人掛けリクライニングシートの1種類のみ。シートピッチは1010mmと比較的広めですが、同じ「サザン」の先頭車(980mm)と中間車(1030mm)の中間あたりの数値となります。背摺りは頭部の張り出しを大きくした点が特徴で、頭を預けるのは勿論のこと後方からの視界を遮ることにも寄与しています。肩握りも設置していますがかなり小さめ、あまり役には立たなさそうです。座面は厚めで硬めながら安定した掛け心地と言った印象。背・座とも普通車クラスの座席にしては厚めなせいか、肘掛は端・中央とも華奢に見えてしまいます。

120-座席枕

枕部には背摺りとは別のクッションを設置。両脇の大きな張り出しと併せ、頭部の造りに関しては個人的に結構気に入っている座席です。

120-座席背面1120-座席背面2

座席背面は付帯設備が盛り沢山。テーブルやポケットは勿論のこと、物掛フックやドリンクホルダー、写真では見辛いですがポケット横には傘立て用ホルダーもあります。キックパネル中央部にはコンセントをしっかり1席1個用意、後述する怪しい席はともかく一応全席分のコンセントが設置されています。座席下が今時珍しく(?)空洞になっていない代償と言う意味合いもあるのか、跳ね上げ式のフットレストまで装備しています。

高いサービスレベルを誇る12000系ですが座席指定料金は変わらず\520(小人半額)で、こうなると逆に10000系との格差を感じないでもありません。そろそろ増備を期待したいところですが…

120-車椅子スペース

車椅子スペースに座席は無く純粋な車椅子置場としており、非常通報装置や固定金具などを設置しています。その次の席は和歌山行きなら何の問題もありませんが、難波行の場合はテーブルが窓側の小さいものだけ、最初からあるのに後付け感漂うコンセントは窓側にまとめて設置…とかなり残念な席になってしまいます。

120-荷物置場

南海特急車は原則として奇数号車の難波方・偶数号車の和歌山方に扉を設けていますが、本形式では2号車難波方・3号車和歌山方に扉設置の準備工事を施しています。2号車は手摺りに固定金具をぶら下げ荷物置場としており、青系の化粧板が特徴です。

120-空きスペース1120-空きスペース2

で、この3号車は何なんですかね… 扉の部分には2号車の荷物置場同様に窓を設けていますが、座席は扉を設けた際に戸袋になる位置となるので窓無しとなっています。私鉄特急の窓無し席と言うと現在は名鉄2200系2次車で発生していますが、これは荷物置場に座席を後付けしたが故の事象。また難波行では問題になりませんが、和歌山市行きの場合は前述車椅子スペースと同様にテーブルやコンセントの問題も発生します。基本的には料金の割にレベルの高い特急車なのですが、所々露骨に「え?」と思う箇所があるのが残念なところ。そしてこの扉の準備工事が生かされる日は来るのでしょうか…


■デッキと付帯設備■

写真が少ないのが申し訳ありませんが、デッキは白を基調にした清潔感あるデザイン。付帯設備は1号車・4号車の両先頭車にまとめられています。

120-扉

扉は車椅子対応車の1号車を含め920mmと特急車にしては広め。鴨居部には防犯カメラを設置、新幹線を別にすると比較的早期の採用だったでしょうか。

120-トイレ1

便洗面所は1号車にまとめて設置。写真は車椅子対応便所ですが、男子小用のほか通常の洋式便所も設けています。男子小用便所は同社の駅と同様の無水式です。4両編成ということを考えると編成中央に欲しかったような気はしますが…

120-洗面所

独立した洗面台も設置、自動で水と石鹸が出るだけでなく、ハンドドライヤーまで一体化しています。どこかで見たと思えばJR東日本E5系と同一品のようです。

120-自動販売機

4号車(難波方先頭車)には自動販売機を設置。この向かいには私鉄特急では珍しい多目的室も用意されています。


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