泉北高速鉄道5000系|FTN trainseat.net

泉北高速鉄道5000系

写真: ns5507

南海高野線の中百舌鳥から泉北ニュータウンへと延びる泉北高速鉄道。南海電車との関係は深く直通運転はもちろんのこと開業からしばらくは車両の整備委託まで行っており、その関係から南海車と同型の車両の投入が続いていました。しかし1988年から鉄道事業の直営化を実施、開業から20周年を機に投入する新形式車両は自社設計となり、1990年に登場したのが今回ご紹介する5000系です。
車体は従来のステンレスからアルミ製に変更、前面は非貫通で左右非対称の半流線形と従来のイメージを覆す外観。加えて南海でも採用して間もないVVVFインバーター制御に南海では当時実績のないボルスタレス台車など、当時の新技術を積極的に採用した点も特筆されましょう。
1995年までに8連5編成を製造、なんば~和泉中央間で主に準急・区間急行で運用されます。8両固定編成は南海含め唯一の存在で、一時は日中の運用が皆無だった時期もありました。2015年から毎年1編成のペースでリニューアルが実施されましたが、本項ではリニューアル前の様子をご覧いただきます。


ns50-車内全景

まずは車内全景から。従来車とは一線を画した外観に対し、内装は従来車のイメージを継承しつつ白の化粧板や暖色系な床敷物のお陰で新たな空間を作り上げています。

ns50-車端部

車端部です。従来は南海・泉北車とも先頭車に合わせた不均等な割り付けでしたが本形式は均等な割り付けになり、以後は南海車も含め、更には偶然なのか類似の配置を採用していた近鉄電車までもが、同時期に配置を変更しています。貫通扉は窓の天地寸法を拡大した当時の流行を反映しています。

ns50-乗務員室仕切

乗務員室仕切です。前述の事情から直後の座席は無くなり、枕木方向の握り棒を高低2本ずつ設置しています。大きな窓が特徴の前面形状に加え仕切の窓も大きめですから、立ってでも良いのであれば前面展望も良いでしょう。

ns50-天井

天井です。照明はカバー付きになりました。

ns50-床

床は3000系の緑色から一転、中央部をオレンジ色・両側をクリーム色として南海車には無いフットラインを形成しています。座席表地は従来車と変わらない中、車内の印象を大きく変える要素になっているでしょうか。

ns50-扉

扉は化粧板張りになりました。床の黄色い滑り止めは近年の施工のようです。

ns50-LED

扉上にはLED式の情報案内装置を千鳥配置で設置。新造時から搭載していますが一度交換されているようで、現在は7000系と同一品に見えます。

ns50-窓

窓は扉間2枚・車端部1枚の一段下降式、カーテンは巻き上げ式で4段階での調整が可能です。ちょっと意外なのは荷棚が網棚という点、3000系ではパイプ式だったはずで何か意図あってのことでしょうか。

ns50-7人掛けns50-7人掛け優先

座席を見て行きましょう、扉間は7人掛けです。従来車からの赤(優先席は灰色)モケット色はそのまま継承していますが、その他パーツのお陰なのか古く感じるようなことはありません。1人当たり幅は3000系より若干広がり440mm程度あるようです。「コ」の字にモケットを貼り化粧板の部分もある特徴的な形状の袖仕切、新国鉄201系以降広まったパイプ+袖板式の亜種と言えるかもしれませんが、新車記事によると「立席者の干渉を避ける」目的があるとの由。

ns50-4人掛けns50-4人掛け優先

車端部は4人掛け。ただモケットの様子を見ると両端はともかく中央の擦れ方が微妙で、3人掛けとして使用される場面も多そうです。この微妙な状況に拍車を掛けているかもしれないのが妻面の機器蓋と消火器で、何れも微妙に張り出しているんですね。ここはバケットシートか着座位置プリントかで何とかしたほうが…と思ってしまう区画ですが、7020系のときに掛け心地を考慮して従来型の座席を選択する会社ですから前者は無く、リニューアル後のモケットも総柄のようで、大きく変わらない状況が続いているようです。

ns50-車椅子スペース

第1編成を除き一部車端部には車椅子スペースを設置。妻面の機器箱にはヒーターが入っているのでしょうか。


FTN trainseat.net>南海電車に戻る

inserted by FC2 system