大阪市20系|FTN trainseat.net

大阪市営地下鉄 20系

写真: 2633

大阪市では地下鉄建設費のコスト削減を狙い、車両の小型化を研究していました。その研究の過程で誕生したのが今回ご紹介する20系…というのは些か無理のある説明ですが、車両小型化に不可欠な三相交流誘導電動機とVVVF制御という新しい技術を既存の路線向けの車両に反映したもの、ということです。1984年に中央線に第1編成が投入され、高速鉄道車両としては前述システムを採用した日本初の事例になりました。翌年から量産車が中央線に、中央線に1989年には谷町線にも投入(30番台)され、6連16編成が製造されました。足回りが刷新された一方でアルミ車体にFRPの前面の組み合わせは御堂筋線10系と同一ですが、アルミ車体も技術進歩で鋼体設計が改められています。
2004年からは制御装置の交換とリニューアルを実施。20年経てば制御装置も取り替えの時期ですが、本形式の場合は延伸開業する近鉄けいはんな線で最高速度が95km/hになることも理由だったようです。このとき谷町線の30番台も中央線に転属、現在は第1編成が廃車されたものの残る15編成が中央線で主力として活躍しています。


20-車内全景20-車内全景2

車内全景です。足回りが刷新された一方、10系の血を強く感じる車内です。製造初年が1984年という割には幾分保守的な造りのような感も無いわけではありません。複数編成に乗車したのですが編成によってモケットが異なっており、左側は以前からのオレンジ系、右側は30000系近似の赤みが強いものです。オレンジモケットの方が車内が明るく感じるような気がしますが、撮影したカメラも違うようで… 30系や10系と同じく18メートル級・4扉の構成です。

20-車端部

車端部、写真は車椅子スペースを有する箇所です。扉は片開き、妻窓も設置しています。枕木方向の蛍光灯というのはあまり見かけませんが、そういえば10系リニューアル車ではここにも情報案内装置を付けていました。

20-乗務員室仕切

暗い写真になってしまいましたが、こちらは乗務員室との仕切り。10系同様に乗務員室扉を右に寄せた構成で、窓が運転台直後と扉の2か所の小さいものだけと言う点も共通。

20-天井

天井です。高さに余裕の無いなか10系では薄型冷房を搭載したのですが、20系登場までの間の技術進歩で更なる薄型化を実現。先ほどご覧いただいた車端部でも写真の通常部と大きくは変わらない天井高さを実現しています。またラインデリアや空調吹き出し口を車両全体で連続させている点も、見栄えの向上に一役買っています。蛍光灯はカバー無し。

20-床写真: 20-床2

床は茶系の敷物で、フットラインの類いはありません。VVVF車ですから床下点検蓋は無くても問題ないはずですが、本形式に限らず最新の30000系まで設置されています。

20-扉

扉は周囲と同じ化粧板を貼っています。左扉の窓横中央寄りには扉位置を示した点字ステッカーを貼っています。

20-LED

扉上にはLED式の情報案内装置が千鳥配置されています。情報案内装置が無い側には路線図を掲出。

20-窓・カーテン

窓とカーテンです。窓は二段式で上段下降・下段固定。地上区間も少なくない中央線ですのでカーテンも設置しています。

20-6人掛け20-6人掛け2

座席に入ります。扉間は6人掛け、背摺りは一体ですが座面は3人分ずつ区分されています。座席形状は御堂筋線10系と同様で、袖仕切りも縦横のパイプを組み合わせたもの。いずれも背摺りにブロックパターンのプリントがあり、着座位置を示しています。

20-3人掛け20-3人掛け2

車端部は3人掛けです。

20-3人掛け優先

優先席は青系のモケットを使用。

20-車いすスペース

車椅子スペースは制御装置の取り換え時に合わせて設置されたものです。握り棒を線路方向に2本増設したほか、案外見掛ける機会の少ない車椅子固定金具が設けられています。

20-運転台

運転台はツーハンドル。


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