大阪市新20系|FTN trainseat.net

大阪市営地下鉄 新20系

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1980年代末期の大阪市営地下鉄は50系や30系など非冷房車が幅を利かせており、冷房車は僅かに御堂筋線10系と中央線・谷町線の20系のみ。50系は置き換え時期を迎えていたとしても、製造後25年程度の30系も接客面では10・20系との格差が目立つ形となっていました。非冷房の30系・50系を置き換えるべく1990年に登場したのが「新20系」、足回りは20系と同等ながら見た目がまるで違う電車です。30系以来久々のステンレス車となった車体は割と一般的な外観ながら、「く」の字に曲げた前面は当時流行の額縁スタイルで灯具は飾り帯を設けた窓下中央に、尾灯は両脇の額縁に埋め込むというかなり奇抜なスタイルです。
この奇抜なデザインも各線に大量投入されれば慣れてしまうという物で、1990年に谷町線と四つ橋線、翌年に御堂筋線・中央線・千日前線に投入、最終的には全線合わせて89編成572両の陣容となっています。御堂筋線用は加速度が高く、中央線用は乗り入れ先の近鉄区間での抑速制動に対応、千日前線用は車内信号ATCに対応…と各線微妙に仕様が異なっており、これに対応するかのように新20系からは車番の附番規則を変更。千の位で路線番号を示すことで各車の仕様を明確化、御堂筋線用「21系」谷町線用「22系」…と呼びます。

本項では2018年撮影の23系後期製造車を中心にご紹介していきますが、折を見て2010年ごろに撮影した御堂筋線21系(車番不明ながら写真の23系よりは前の製造)や2019年に撮影した1995年製造の谷町線22系も交えご紹介します。


22-車内全景23-車内全景

まずは車内全景から。1990年ごろの通勤電車の流行を一通り盛り込んだような、まあ205系のように見えないでもない車内ではありますが、従来車と比較すると結構なレベルアップになっています。写真を2枚並べたのはモケット違いによるもの、詳細は後述しますが左写真(22系)の方が製造時のイメージに近いかなあ、といったところ。

23-車端部

車端部です。10系などでは車端に搭載した冷房が屋根高さを下げていましたが、冷房の薄型化が進み一目には架線集電の車両と遜色ないレベルにまでなっています。貫通扉は天地寸法を拡大しています。

23-乗務員室仕切

乗務員室仕切です。仕切戸を右に寄せた構成は従来車と同様ですが、基本的には地下線を走行する車両ながら運転台側の窓をかなり大きく取りました。御堂筋線や中央線など地上を長く走る路線に配慮してのものでしょうか、地下鉄の車両は乗務員室内の搭載機器が多くなる印象もあるだけに、それらの機器類がどこに行ったのか気にならないではありません。

22-天井

天井の見付は20系とほぼ同等ですが、蛍光灯は50系以来随分久々にカバー付きとなりました。但し照明の数自体は変わらないそうで…

21-床s23-床

床材は1995年度車で変更されており、それ以前の車両は左写真のようにクリーム色と茶色の組み合わせ、以降の車両はフットラインを排し幾分明るめにした茶色の単色としています。但し御堂筋線や四つ橋線は丁度編成の増強を進めているタイミングで、後から組み込んだT車については組込先の編成に合わせているようです。VVVF車ながら床下点検蓋を設けているのは大阪市交のこだわりという側面が強いようです。

22-扉23-扉

扉は周囲と同じ化粧板を貼っています。窓は右写真のように1996年度車以降複層ガラスに変更されており、左写真の「従来ガラス+茶色単色床」は1995年度車のみの特徴となります。扉脇のスペースは座席幅の拡大の影響で若干狭まっています。

23-LED

扉上にはLED式の情報案内装置をほぼ全車千鳥配置。新20系の増備末期になってお目見えした設備ですから、大半の車両は改造で後付けしたものです。

23-路線図

情報案内装置のない側には路線図を設けています。

23-窓22-窓

窓は一段下降式、荷棚は関西では珍しく網棚を使い続けています。カーテンは巻き上げ式で2段階での調整が可能、地上区間のある御堂筋線・中央線のほか八尾南駅が地上にある谷町線の車両も設けています。残る四つ橋線・千日前線はカーテンレールのみ設けられており、他路線への転属時には律義に着脱しているようです。

21-6人掛けs23-6人掛け

座席に入ります。左右の写真はモケット違いで左が2009年ごろ撮影の御堂筋線21系、右が2018年撮影の四つ橋線23系です。登場時のモケットはいずれでもなく、色合いとしては左に近いオレンジ色ながら背摺りのプリントは線路方向に連続したものでした。右のモケットは30000系類似で従来に比べ控えめな色合いといった印象。背摺りが6人一体に対し座面は3人毎に分かれているのは従来形式と同様です。1人当たり幅は440mmで従来車より若干拡大されていますが、今日的感覚だとそれでも狭く感じる場面があるかもしれません。

21-優先有6人掛けs23-6人掛け優先

一部区画は半分が優先席になっています。優先席は以前より青系モケットを使用しており本形式でも踏襲、袖板付きとなった袖仕切は内側のモケットもしっかり青色にしています。背摺りは中央で縫い分ける格好になり、一手間掛かってそうです。

21-3人掛けs23-3人掛け

車端部は3人掛け。妻側は窓下に機器箱を設けており、些か高めではありますが肩を逃すことも出来そう。

21-優先3人掛けs23-3人掛け優先

優先席は青系のモケットを使用。座り心地は短距離利用前提といった趣の従来車に対し、バネの効いた柔らかめの座面として長めの乗車にも十分対応するものとなっています。

23-車椅子スペース

車椅子スペースは1992年度製造車から設けられており、それ以前に製造された車両も2002年ごろまでに追設されたようです。手摺りを増設しているほか、壁には車椅子固定装置を設置しています。

23-運転台

運転台は引き続きツーハンドルですが計器類がほぼ全てデジタル表示になっています。本形式が登場したころは阪急やJR西日本あたりもアナログ表示の計器類を排す動きがありましたが、評判が悪かったらしく各社とも一時的なものに留まりました。


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