山陽3200形(リニューアル車)

写真: S3210

山陽3000系列を見ていくと番号が飛んでいて「?」となる場面がありますが、その元凶の場合もある3200形。今回はその中でも1998年に主電動機を交換して3200形に編入され、2004年に初のリニューアル車となった3210Fをご紹介します。元は1967年製の3010Fですので既に製造から35年以上が経過している訳ですが、厳しい台所事情を反映してか経年車でありながらリニューアルを行うこととなったようです。網干線ワンマン運転に対応しているため主な活躍の場は網干線ですが、時には本線の普通に用いられることもあります。

さて写真を撮ってすぐにページを作ればこんなことにはならなかったのですが、本ページの写真の撮影は2013年春と随分前で、ページ作成まで6年近く寝かしていた間に随分情勢が変わっています。流石に初期車の製造から50年が経過した3000系・3200形は新車6000系の投入で編成単位の廃車が開始され、この3210Fは廃車発生品を使用したのか当初装備していた型式の主電動機に再交換して原番号に復帰しています。そして他の3200形が全廃されたため記事タイトル「3200形」自体が過去の存在となってしまいました。リニューアル車の置き換えはまだ先かと思いますが、それでも製造から既に50年を経過しており…


S32N-車内全景

車内全景です。構成を大きく弄ったわけでは無いのでJR西日本や阪急のリニューアルのような大きな印象の変化はありませんが、それでも化粧板や床敷物を張り替えたことで幾分若返ったような気はします。

S32N-車端部

車端部は車椅子スペースが設けられた中間車姫路方をご覧いただきます。妻扉が取り替えられ窓が下方に大きく拡大された他、取っ手も大型化されています。また側窓は2連窓だったところ大型の1枚固定窓に変更しています。

S32N-乗務員室仕切

乗務員室仕切です。運転台側が張り出した構造は従来通り、ただ座席が車掌台側しか無いため化粧板が白くなって随分明るく感じるようになりました。

S32N-床

床材はリニューアルで張り替えられ、以前と同様赤系ではあるものの模様が控えめで目立たないものとなりました。

S32N-天井

天井です。照明はカバー無し、中央は風洞があり幾分低くなっています。

S32N-扉

扉は周囲と同様化粧板張りとしています。

S32N-窓

窓は扉間・車端とも交換されています。扉間は従来に似た印象ではありますが3枚窓を一体型のユニットサッシに置き換えています。この影響でカーテンにも変化があり、以前と同じ巻き上げ式ながら4段階で調整可能だったものが2段階のみになりました。

S32N-8人掛け

座席を見ていきましょう、まずは扉間の9人掛けです。座席自体は従来と変わっておらず、奥行の深いゆったりしたロングシートが健在です。

S32N-5人掛け優先

車端部は6人掛けで、姫路方には優先席を設定しています(通常席は撮り損ねてしまいました)。

S32N-3人掛けS32N-3人掛け優先

車掌台の後ろは3人掛け、ここは1人当たり幅が他より広めになっています。袖仕切り形状は製造時に一般的だったパイプの組み合わせですが、座面奥行が深いことも影響しているのか他ではあまり見かけない形状になっています。

S32N-3人掛け優先2S32N-車いすスペース

車端部でも触れた車椅子スペースは今回のリニューアルで新設されましたが、場所を確保したほかはレール方向の握り棒があるのみと最低限。当該箇所の座席は3人掛けに短縮され、袖仕切りはモケット張りの袖板を用いたものとしています。

S32N-運転台

運転台です。網干線ワンマン運転対応車ということで計器パネルの上に対応機器が並んでいます。


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最終更新:2019/6/14

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