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東京メトロ03系(初期車)

写真: TM03101

03系は1988年に登場した日比谷線用の車両です。銀座線01系からのアルミ車体・前面非常口のオフセットなど0x系シリーズの基本スタイルを踏襲していますが、3000系の後継車としてデザイン面は特に意識したとのこと。流石に帯なしは躊躇われたか、帯色は灰色に濃灰色と白で縁取っています。
6年間で42編成が製造され3000系を置き換えましたが、製造途上で制御装置が高周波分巻チョッパからVVVFインバーターに、行先表示機は幕からLEDに、また5扉車の製造もあって製造年数の割にバリエーションが豊富な形式です。東急東横線・東武伊勢崎線に乗り入れていましたが、前者との直通は2013年で終了、今後は車両面の仕様を東武に合わせるようで2017年に登場した後継車13000系は20m級4扉車となりました。今後は2020年度までに置き換えられるようですが、今回ご紹介する初期車(1次車~3次車)は2012年から制御装置の取り換えを実施済み。さてどのタイミングで廃車されるでしょう…


TM03-車内全景

車内全景です。1980年代中盤から90年代にかけての営団各形式に共通した、落ち着いた雰囲気の中に独特の仕様が点在する車内です。初期車は足回りこそ更新しているものの車内は小変更に留まっており、このまま20m級4扉の13000系に置き換えられることとなりそうです。

TM03-車端部

車端部は貫通扉や妻窓付き、窓より下は客室側に出っ張っており機器や消火器などが収められています。

TM03-乗務員室仕切

乗務員室仕切です。先代の3000系は中央の仕切戸にのみ窓がありましたが、こちらは打って変わって大きな窓2枚の開放的な構成です…が、東武線内の地上区間でも遮光幕を閉めていることが少なくないようです。

TM03-扉

扉は両開き、3000系と比べ窓は大きくなり化粧板も貼っています。また幅は1400mmで3000系より100mm広くなっています。もっとも幅を少し広げた程度では気休めにしかならなかったのか、後に5扉車が登場することとなります。その様子はまたそのうち…

TM03-LED

扉上部にはLED式の情報案内装置が設置されています。一段出っ張った構造ですが製造時から設置されているようで、文字サイズは大きめ。

TM03-床

床はクリームとオリーブグリーンの組み合わせでフットラインを形成しています。

TM03-天井

天井です。中央にラインデリア、両側に空調吹き出し口、そして蛍光灯と並びます。吊革は三角形、扉付近は枕木方向にも設けられており、奥には中村主水が控えます。

TM03-窓

側窓は扉間3枚・車端1枚で、扉間の中央窓のみ固定式で他は下降式。カーテンは巻き上げ式でストッパーは2箇所です。荷棚はステンレス線を格子状に組み合わせたもので、デザイン性と実用性を兼ね備えたものと言えそうです。

TM03-9人掛け

座席を見ていきしょう、まずは扉間の9人掛けロングシートから。バケットシートでは無い座席が特徴で、モケットは21世紀に入ってから交換され赤系で着座位置のプリントが入ったものを用いています。袖仕切りは01系以降標準の袖板とパイプを組み合わせたものですが、板の部分が荷棚まで伸びているのが営団スタイルです。スタンションポールは恐らく後年の設置かと思いますが、3人ごとに設置されています。

TM03-4人掛けTM03-4人掛け優先

車端部は4人掛け、優先席は青地のモケットとしています。1人あたりの幅は440mmです。こちらも後付けらしきスタンションポールが設けられています。

TM03-車椅子スペースTM03-2人掛け

さて今回の取材でやってきたのは第1編成、いつ頃設置されたのか分かりませんが車椅子スペース付きの異端車です。車椅子スペースの装備は握り棒と通話式の非常通報装置のみと最低限。その横の座席は7・8次車同等の2人掛けとされ、座席はバケット式でモケットは着座区分プリントの無いもの、袖仕切りは枕木方向のパイプにモケットを巻いたものに変更されています。戸袋部には逆L字のラインが見えますが、これは座席と背の高い袖仕切りを撤去した痕跡のようです。


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