東京メトロ03系(5扉車組込編成)

写真: TM03128

1988年に登場した日比谷線用の新型車03系ですが、ホーム階段が先頭部に集中して混雑が集中する問題を解決すべく1990年度からは5扉車を投入しました。ご覧の通り基本的には既存の03系同様ながら、前後2両の各扉間に扉を1か所ずつ追加するような格好。他社の多扉車と異なるのは基本の扉位置は変えていないこと、お陰で整列乗車が崩れるようなことは無い一方で扉が矢鱈と固まっているような外観になっています。

5扉車は20編成が登場、1992年度車の途上からは制御装置が高周波分巻チョッパからVVVFインバーターに変更されています。運用面では特に混雑する朝ラッシュ時に北千住を出る列車に集中投入されたとの由、もちろん東武・東急への直通列車にも充当されました。2017年からは後継車13000系投入に伴って廃車がスタート、足回りと修繕工事の兼ね合いもあるのか5扉車から先に廃車されたようで2018年には全廃されています。今回は5扉で製造された最終編成である第28編成の様子をご紹介します。


TM03B-車内全景TM03V-車内全景

まずは車内全景から。左写真は3扉車、基本的な構成は初期車と大きく変わっていません。一方5扉車は京阪5000系のように座席が降りてくるようなことは無く、JR東日本の6扉車のように座席跳ね上げ機構がある訳でも無く、純粋に扉が増えたような格好。

TM03B-車端部

車端部です。他社の多扉車とは異なり5扉車も変更は扉間のみ、車端部は3扉車・5扉車とも同様の構成です。窓下は機器箱のようで、余裕のない5扉車の扉間のことを思うと比較的余裕があります。

TM03B-乗務員室仕切

乗務員室仕切です。この辺りの構成は初期車と同様、東武線内は明るい時間帯でもカーテンを閉めているようで…

TM03B-扉TM03V-扉

扉は両開き、初期車とは窓押さえ方式が異なるようです。左の3扉車は幅1400mmと幾分広めな一方、右の5扉車は数を増やした分幅は通常の1300mmとしています。当初は5扉車でも東武線内で閑散時3扉扱いとする場合があったそうですが、京阪5000系のように座席が増える訳でもありませんのでいつしか日中も全ての扉を開くようになったとの由。なお識別のため当該箇所の扉は化粧板を緑色にしていました。写真は撮り損ねてしまいましたが、冒頭の車内全景でお分かりいただけるかと思います。

TM03B-LED

3扉車の全てと5扉車の常に開く扉の上にはLED式の情報案内装置を設置。文字が切れてしまって見辛くなってしまいましたが、初期車と同様に文字は大き目。一方これまた写真を撮り損ねてしまいましたが、締切扱いになることのある扉の上にはその旨を示す表示機を設置しています。

TM03B-床

床は21世紀に入ってから張り替えられたようで、フットラインの無い灰色系としています。

TM03B-天井

天井は3扉車・5扉車とも基本的に共通の見付。写真は後者で、枕木方向の吊革が扉の分だけ増えています。

TM03B-窓TM03V-窓

側窓です。3扉車は扉間3枚・車端1枚で扉間中央窓以外は下降式。カーテンは巻き上げ式で2段階での調整が可能です。一方5扉車の扉間は全て戸袋窓となっているため、当然固定窓で巻き上げ式カーテンも開けるか閉めるかでの調整となります。ステンレス線を格子状に組み合わせた荷棚は初期車と同様です。

TM03B-9人掛け

座席を見ていきましょう、まずは3扉車扉間の9人掛けロングシートから。通常の座席だった初期車に対し本グループはバケットシートに変更しているのが特徴ですが、1人当たり幅は従来車と同等のようです。モケットは元々茶系だったものが21世紀に入ってから交換されたようで、バケットシートですから初期車の交換後のモケットのような着座位置プリントはありません。袖仕切形状は初期車とほぼ同様ですが、スタンションポールが圧迫感軽減のため弧を描くよう変更されています。

TM03V-3人掛け

一方こちらは5扉車の扉間3人掛け、見た目からして窮屈そうですが1人当たり幅は9人掛けと同等。

TM03B-4人掛けTM03B-4人掛け優先

車端部は3扉車・5扉車とも4人掛け、優先席は青地のモケットとしています。


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