東急5000系(後期型)

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製造から30年弱が経過した8500系を置き換えるべく、2002年に登場したのが東急で2代目となる5000系です。車体はE231系に準拠したステンレス車体とした一方、前面は曲面を描く一昔前の同社では考えられないスタイル。帯色は腰板にコーポレートカラーの赤帯を配しつつ、幕板には田園都市線のラインカラーである緑色を採用しました。
当初は全車4扉車で登場しましたが、混雑の激しい田園都市線に対応すべくJR東日本に続き6扉車を挿入。当初は1編成2両だったところ、収まる気配の無い混雑に対処すべくJRにも無い6扉車3両組込み編成も登場しました。もっともそれに伴う組替えや東横線への投入、更には各駅へのホームドア設置に際し全車4扉化が決まり再度の組替を実施…などその変遷は実に複雑怪奇。しかも置き換え計画の変更もあって8500系は過半数がそのまま残ってしまう形になりました。現在は10連18編成が田園都市線で、8連4編成が東横線で活躍しています。

今回は「後期車」として2008年度以降製造の、車番で言うと5115F以降の車内をご覧いただきます。なお写真は東横線用編成で撮影したもの、残念ながら田園都市線の6扉車は撮影できず、また6扉車の代替で挿入された4扉車の様子も今のところ用意できていないのが残念…


toq5000-車内全景

まずは車内全景から。白系の化粧板に青系の鴨居部や座席モケットなど寒色系にまとめており、暖色系が多いイメージの東急電車にあっては珍しい存在かもしれませんが個人的には好印象。後発の5050系はどうしてああなってしまったかなあ…と思わずにはいられません。

toq5000-車端部2toq5000-車端部

車端部です。濃淡ブルーの化粧板が特徴、妻扉は周囲と同色の化粧板張りになりましたが1両1か所のみの設置は変わりません。優先席は壁の太いテープや黄色い吊革などで識別します。

toq5000-乗務員室仕切

乗務員室仕切です。窓は意外と大きめ、車端部に使用される淡いブルーの化粧板を用います。

toq5000-扉

扉は妻扉と同様化粧板張りに変更され、中央部には黄色い帯を入れています。写真は右側が車端部で、扉と座席のスペースが少しだけ広くなっています。

toq5000-LCD

情報案内表示器は液晶式。左が広告画面「TOQビジョン」、右が列車情報の案内を行う画面で、全扉上に装備されています。

toq5000-天井

天井はE231系並みでラインデリアは所々に設置、蛍光灯にカバーはありません。枕木方向への吊革が多いのは流石都会の電車と言った印象、座席前の吊革は一部を長めにして身長の低い乗客でも捕まることのできるよう配慮しています。

toq5000-床

床は濃い灰色系の柄入り。フットラインがあるわけでは無いのですが、どうも影がはっきりと出てしまうようです。

toq5000-窓

窓は不等二分割、例によってUVカットガラスを用いる代わりにカーテンを省略しています。荷棚はこの時期の車両でも頑なに網棚を用いています。

toq5000-7人掛け

座席を見ていきましょう、扉間は7人掛けです。「E231系そのもの」と言った感の強かった前期車に比べ袖仕切やスタンションポールの形状が6000系に倣って変更され、少しずつ独自色を主張し始めています。モケットはこの形状の座席ではお馴染み?な感もある青の濃淡、JR車に比べると鮮やかな色合いでしょうか。1人当たり幅は3000系に続き450mmと広め。

toq5000-3人掛け

車端部は3人掛け。優先席は前掲した車端部の写真のように壁のステッカーで示しており、座席モケット等による区分はありません。3人掛け席のスタンションポールは前期車だと優先席にしか無かったところ、後期車では通常席にも設けています。
JR東日本のE233系でも優先席のみ本形式のようにスタンションポールを1本入れるようになりましたが、位置が本形式とは異なるのは興味深いところ。

toq5000-車椅子スペース

車椅子スペースは編成中に2か所設置。握り棒とヒーター、非常通報装置を用意しています。


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