東急5050系(5178F)

写真: toq5178

2004年に登場した東横線5050系は2013年にまとまった増備が終了、これは同時に2002年から続いた5000系シリーズのまとまった増備の終了でもありました。その後も2016年から田園都市線5000系の6扉車置き換え用中間車など散発的な増備はありましたが、編成単位でのまとまった増備は2017年登場の田園都市線2020系に始まる「*020系」シリーズまで間を開けることになります。
ところがそんな中にあって東横線だけは例外で、2016年と2019年に5050系が1編成ずつ増備されています。登場時期からすると前者はともかく後者は2020系に加え目黒線3020系や大井町線6020系も登場した後の増備となり、その異質さが際立ちます。外観の特徴は厳ついスカートでしょうか、これは2016年・2019年登場の2編成のみで見られ、両編成誕生の要因かもしれない2014年の事故が関係しているかどうか…

現在は他の8連車に伍して東横線・地下鉄副都心線はもちろん、その先の東武東上線・西武池袋線にも顔を出します。今回は2019年登場の5178Fの様子をご覧頂きましょう。


toq5178-車内全景

まずは車内全景から。緑系の座席モケットに茶系の床材など、一見すると田園都市線2020系に始まる「*020系」シリーズかと錯覚してしまいますが、細かい部分を見るとどうしようもない部分もあるようで…

toq5178-車端部1toq5178-車端部2

車端部です。化粧板こそ近年の新車に合わせて薄色の木目調としていますが、これまた化粧板を新車並の濃色の木目調とした貫通扉は従来車と同様に片側にしかありません。

toq5178-乗務員室仕切

乗務員室との仕切りです。この編成に近い内装の車両は中間車ばかりとは言え少なくない数が存在しますが、乗務員室があるのは東横線の2編成のみ。従って写真のような仕切は極めて少数派と言えましょう。

toq5178-扉

扉は化粧板張り、中央部には黄色い帯を入れています。

toq5178-LCD

情報案内表示器は液晶式、全扉上に設置しています。左が広告画面「TOQビジョン」、右が列車情報の案内を行う画面です。

toq5178-天井

天井は既存車と同様の構成、照明はLED式のようですが従来車と同様蛍光灯型の灯具を用います。吊革は「*020系」シリーズと同様にE233系タイプ。なお東急では現在でも節電のため各車数か所の照明を外しています。

toq5178-床

床は「*020系」と同様の濃淡木目調。

toq5178-窓

窓は不等二分割、UVカットガラスの代わりにカーテンを省略したのも既存車と同様です。2020系では窓柱の色を窓枠と同じ白系としていますが、当編成は既存車と同様に黒としています。
頑なに網棚を用いていた同社が穴の開いた板状の荷棚を採用したのは2011年の5050系4000番代からですが、この穴の数や向きも製造時期によって相違がある様子…

toq5178-7人掛け

座席を見て行きましょう、最初は扉間の7人掛けです。基本的には田園都市線5000系の6扉車置換え用中間車から扉寄り各2席のヘッドレストを省略したものと言った趣で、金属枠で外側が妻面と同じ化粧板仕上げの袖仕切や濃淡グリーンのモケットは同様です。従来車を踏襲した座面と少し高めになった独自の背摺りの組み合わせは2013年の東横線4110F「Shibuya Hikarie」号に端を発するもの、これは「*020系」グループでも採用され近年の東急電車の標準となっています。

toq5178-3人掛けtoq5178-3人掛け優先

車端部は3人掛け。優先席もモケットによる区別は無く壁や窓のステッカーで区別しますが、一方で通常席と全く同じという訳でも無くスタンションポールが1本追加されています。
掛け心地は以前から硬さの改善が進んでいた座布団に加え、懸案だった背摺り形状も変更されたことで既存車に比べ随分改善された印象。個人的には5000系の6扉車置換え用中間車で設置されていたヘッドレストも蛇足な感があったため、この形が最適と考えます。

toq5178-車椅子スペース

車椅子スペースは各車に設置。従来車は妻壁にも二段手摺を設けていましたが、「*020系」シリーズと同様の腰当に変更されています。


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