315系

0番代

0番代(8連)

3000番代

3000番代(4連)

315系は2021年に登場した通勤形電車である。同社普通列車用電車としては約20年ぶりの新形式であり、「通勤型」と明確に銘打った車両は同社初。分割民営化後初期に投入された各形式の置き換えを目的としている。また製造元の日本車輌製造としては同社の新ブランド「N-QUALIS」採用第1号の車種となっている。

【車体・車内】

車体はステンレス製、313系のようなビードが無い一方で日本車輌の「日車式ブロック工法」と同様の構造であることから扉周りとそれ以外との間に段差が見られる。連結面間車体長はホームドアに対応するため先頭車・中間車とも20100mmとしている(313系は先頭車のみ)。前頭部は従来車と同様に鋼製で、低コスト化と衝突対策のため後退角のある直線的な形状としている。前面は窓回りから貫通扉下端の高さまで白塗りとし腰部には橙帯を巻き、側面は窓回りに橙と白の太帯を、扉上に橙帯を配している。8連の0番代と4連の3000番代が存在し、後者は他編成との併結に対応して前面に貫通幌(クハ315-3000)や幌座(クハ314-3000)を設置したほか、側面の幕板にはワンマン運転に対応した車外確認用カメラを設置している。

 車内はオールロングシートで扉間の座席は313系より1人多い11人掛けとし座席定員を確保、車椅子スペースは従来の編成に1か所から各車1か所に増強。便所は従来車と同様下り先頭(クハ314[Tc'1])に設置している。側窓は赤外線・紫外線99%カットする情報案内装置は液晶式とし各扉上に設けている。詳細はこちらのページも参照願いたい。

 

【主要機器】

 313系と同様MT比が1:1となるような編成を組み、性能も313系3次車以降に相当するが、4連または8連の単純な組成の為か制御電動車は用意されていない。制御装置は素子にSiCを用いたVVVFインバーター制御を使用、モハ315形0・3000番代[M1]は補助電源装置と一体化している。主電動機は出力220kWの三相かご型誘導電動機を用いる。台車はHC85系と同様に横梁・側梁を一体成型とし、軸箱支持を円筒積層ゴムのタンデム式とした。

 クハ315[Tc1]およびサハ315-500[T2]には大容量のリチウムイオンバッテリーを搭載、長時間停電時でも空調を作動させたり安全な場所まで走行したりすることが可能である。但し2021年度製造車は製造時点では設置されておらず(当該箇所には死重が搭載されている)、後日改造にて搭載している。

 冷房装置は従来車同様1両2基搭載であるが、1基当たりの能力を313系より3000kcal/h増強した24000kcal/hとして近年の猛暑に対応している。冷房制御にはAIによる自動学習・制御最適化を国内で初めて採用している。

 

【運用】

 0番代は2022年3月のダイヤ改正に先立ち7編成を神領区に配属され中央線名古屋~中津川間に投入、その後2023年9月までに23編成の陣容となり同区間の既存形式を一掃した。3000番代は2022年冬に神領区に配属され翌年6月から関西線名古屋~亀山間に投入、2024年1月末時点で12編成が配置されている。2024年3月のダイヤ改正からは東海道線大府~大垣間や武豊線に、6月ごろからは静岡地区にも投入の予定である。8連の投入は終了しており、4連は2025年度までに計42編成の陣容となる予定。

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最終更新:2024/2/4

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