413系|編成別写真集 -FUKUJU TRAIN NET-

413系

413系は、1986年に登場した近郊形電車である。車体の老朽化やラッシュ時の乗降に時間が掛かるなど問題があった急行型471・473・475系の機器を流用し、近郊型の車体を新造する形で製造された。なお本項では2015年の北陸新幹線開業に伴い北陸線の富山県区間を引き継いだあいの風とやま鉄道に譲渡された車両についても紹介する。

【車体】
東北地区に投入された417系などに類似しており、普通鋼製で前面は急行型電車と同様の前面貫通型(但し幌枠周りの造作は153系や415系等と同様枠が突き出ない造り)。塗装は当初身延線用115系と同様のワインレッドに白帯とした。側面は片側に両開き扉を2か所設けたほか、車内は扉間をボックスシートとしたものの扉横や車端は全てロングシートとしてラッシュ時にも対応する。なお座席や荷棚も流用品を用いている。
編成は(←米原)クハ412[Tc] - モハ412[M'] - クモハ413[Mc]の3連を基本とするが、クハ412については一部車両の種車がサハ451であるほか、2編成はクハ412では無くサハ455改造のクハ455-700を組成する。種車が比較的低経年だったことから車体新造は行わず、先頭車化改造や車内のデッキ撤去・セミクロスシート化、413系への組み込みを前提とした機器類の改造を実施している。

【主要機器】
クモハ413に制御装置やCPを、モハ412に主変圧器や主整流器を、クハ412にMGを搭載する。前述のとおり主要機器は流用品で、制御装置(CS15型)や台車(DT32・TR69)、冷房装置(AU13・AU72)をそのまま使用する。一方主変圧器等はPCB対策のため、主電動機は老朽化のため、パンタグラフは耐雪耐寒対策のため、それぞれ交換されている。なお主電動機はMT46からMT54に交換されたが、100番代に区分された車両は種車が473系のため改造前後で不変。また電動車の末尾8の編成は当初MT46のまま出場し、数年後に交換されている。
ブレーキは従来通り発電制動を併用する電磁直通ブレーキ、種車の制御装置をそのまま流用しているため抑速ブレーキは無い。

【増備と変遷】
当初471・473系全車のほか一部の475系を種車にする計画だったものの、実際には国鉄時代の1986年度に8編成、JR化後に3編成の計11編成(内2両がクハ455のため計31両)が改造されたに留まる。結果として471系は3編成が残存し(但し主電動機はMT54に交換、実質473系並み)2011年まで活躍を続けることとなった。塗装は他の北陸線普通電車各形式と同様、JR化後白地に青帯の北陸色となった。

主に北陸線米原~直江津および湖西線近江今津以北、富山港線で運用されたほか、1991年の七尾線電化後は415系800番代の代走を中心に入線があった。2006年に富山港線は路面電車化されたため、北陸線米原~敦賀および湖西線は直流電化に伴う運用変更のため運用が消滅。更に2010年には521系増備に伴い北陸線敦賀~小松の運用も消滅した。なお2012年以降塗装経費削減のため青一色塗装に変更した編成が登場している。
2013年度からは各部に老朽化が目立ってきたことから、延命工事を施工した。対象はクハ455-700を含まない9編成で、内容は腐食部の修繕や通風機撤去、台車枠の交換、吊手・握り棒の黄塗り、転落防止幌の追設などである。

2015年の北陸新幹線開業に伴い、本形式は5編成が北陸線の富山県区間を継承したあいの風とやま鉄道に譲渡された(詳細は後述)。一方JR西日本に残った6編成は予備車確保と老朽化著しい415系800番代の一部取替を兼ねて七尾線用となり、塗装も415系800番代と同様の茜色に変更されている。現在は主に金沢~七尾間を中心に、ラッシュ時には北陸線小松まで足を延ばす。2020年より521系100番代の投入が開始され、415系800番代と共に翌年春までに置き換えられ4両を除き廃車された。

【あいの風とやま鉄道への譲渡車】
北陸線金沢~直江津間の第三セクター化では特急列車が全廃されるため輸送力不足の懸念があったほか、また初期投資額を軽減するため、本形式の内5編成があいの風とやま鉄道に譲渡された。全編成とも前述の延命工事を施工した上での譲渡であるが、塗装は北陸色・青一色の2種類のままで現在に至るまで専用塗装は制定されていない。編成番号は521系と同様、車番順にAM01~05に振り直されている。当初の運用区間は金沢~糸魚川(金沢~倶利伽羅はIRいしかわ鉄道・市振~糸魚川はえちごトキめき鉄道)だったが、2018年のダイヤ改正に伴い糸魚川乗り入れは消滅した(現在は泊まで)。
あいの風とやま鉄道の自社発注車となる521系1000番代による置き換えが決定しており、2021年の(B07編成→)AM04編成を皮切りに廃車が進む模様。2016年には1編成が「とやま絵巻」として車内外を改装、イベント用としても使用可能な仕様とされた。また2019年からは車内で食事を提供する本格的な観光列車「一万三千尺物語」として車内外を改装、一部扉の閉塞や窓の固定化が行われている。

【えちごトキめき鉄道への譲渡車】
北陸新幹線開通に伴い北陸線市振~直江津間と信越線妙高高原~直江津間を継承したえちごトキめき鉄道は、七尾線で使用していた413系の内クハ455を含む4両を2021年に購入。塗装を国鉄交直流急行型塗装に変更の上、同年夏より市振・糸魚川~直江津間の観光用急行列車のほか直江津~妙高高原間の快速列車で使用している。

JR西日本・あいの風とやま鉄道413系

※編成番号下線の編成は1両ずつの写真を掲載
背景黒地は運用離脱or廃車済

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(B01→)AM01

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(B02→)AM02

B03(AM03)

(B03→)AM03

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(B07→)AM04

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B09

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(B10→)AM05

B11R

B11

えちごトキめき鉄道譲渡車

B04ET

急行用編成

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