秩父鉄道5000系

写真: CTK5002

1968年に登場した都営三田線6000形は今後も当分の使用を見込んで1989年から冷房化改造を開始しましたが、東急との直通の詳細が決まると改造費用が相当嵩むことが判明したため一転して廃車することを決定。一方秩父鉄道では1991年に東急7000系を譲受し2000系として使用していましたが、他車とは異なる18m級の4両編成である上非冷房であったため置き換えを検討していました。
そこで1999年に5000系として4編成を導入、2000系を一気に廃車し同社の電車の20m級への統一が実現しました。都営6000形は全電動車編成でしたので1両の電装を解除、中間車にパンタグラフを搭載しましたが車体は青の帯色を含めほぼ変わっておらず往年を偲ぶには十分でしょう。現在は1編成が事故で運用を離脱しましたが、残る3編成は置き換えの話も無く普通列車で活躍を続けています。


CTK50-車内全景

まずは車内全景から。都営時代の様子を実見したわけではありませんが、修繕工事から10年未満での譲受だったこともあって大きく手を加えていない模様。熊本電鉄に譲渡された車両の様子と比較しても、手を加えた箇所はこちらの方が少なそうです。

CTK50-車端部1

車端部です。羽生方先頭車と中間車の間は広幅貫通路で貫通扉はありません。

CTK50-車端部2CTK50-車端部3

中間車の三峰口方には狭幅の貫通扉を設置、これは風の通り抜けを防ぐため都営時代から設けられていたようです。これに対し三峰口方先頭車は元々広幅貫通路だったようで、幅を狭める改造を実施しています。

CTK50-乗務員室仕切

乗務員室仕切りです。都営時代から大きく変わっていないようで、少々高めではありますが仕切戸を含め3枚の窓を設けて前面展望を確保。

CTK50-扉

扉は標準的な1300mmの両開きで無塗装、鴨居部の広告枠には全て路線図を入れているようです。改造でドアチャイムを設置しており、戸袋窓との間にはその配管が見られます。なお冬場は半自動扉扱いをするとのことですが、この取っ手では開閉に難儀しそうです。

CTK50-天井

天井です。秩父鉄道に譲渡されたのは全て都営時代に冷房化された編成で、左右に分かれたダクトは天井に直接取り付けることで工期を大幅短縮したとの由。吊革は荷棚から大きく通路側に伸びたパイプから吊られる、あまり見かけない支持方式です。

CTK50-床

床は薄い茶系の単色。

CTK50-窓

窓は二段式、上段が下降するようですが現在下段は固定されています。熊本電鉄でも同様でしたので、或いはこれも都営時代の改造かもしれません。カーテンは巻き上げ式で5段階と細かな調整が可能、戸袋窓にも抜かりなく設置されています。

CTK50-7人掛け

座席を見て行きます。扉間は7人掛け、背摺りは7人一体なのに対し座面は4人と3人に分割されています。1人当たり幅は420mm程度と現在の感覚では幾分狭め、着座の痕を見ると普段は5~6人掛けで座られているようです。

CTK50-3人掛けCTK50-3人掛け優先

車端部は4人掛け。一部箇所は優先席としており、灰色のモケットを用いています。座面は柔らかめ、製造時には想定されなかったであろう1時間以上の乗車でも特段不満はありませんでした。

CTK50-運転台

運転台です。ワンマン運転を行いますが、運賃収受を行わない都市型ですので追加された機器は少なめ。


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