115系1000番代(長野地区・リニューアル)|FTN trainseat.net

JR東日本 115系1000番代(長野地区・リニューアル)

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長野地区各線で活躍していた115系1000番代は、今後も当分の使用が見込まれるため1998年からリニューアル工事が開始されました。車体外装は大して変化が無いので非施工車と見分けるのは困難、新潟地区はリニューアル車に対して異なる塗装を施していましたが長野地区はそんなこともありませんでした。2002年度までに6連4編成と3連18編成、それに2連4編成に対し施工され、6連はほぼ中央東線専従、2連や3連は長野地区各線の普通列車のほか、一部の3連は中央西線や飯田線などJR東海区間への乗り入れ運用もありました。

2013年ごろから首都圏で活躍していた211系の転入が始まり、2連は2013年にしなの鉄道に譲渡。3連の定期運用は2015年までに消滅しましたが、北陸新幹線延伸に伴ってしなの鉄道に移った編成や、ATS-P装備を買われて新潟に移った編成も存在します。最後まで残った6連も2015年中には運用を離脱し、しなの鉄道車を除きJR東日本の長野地区からは消滅しました。今回は「長野地区・リニューアル車」と銘打ちつつ、主に新潟地区に転属し生き延びた車両の写真を中心にご紹介します。


ナノN-車内全景

まずは車内全景から。座席配置は基本的にリニューアル前から変更が無く、白くなった化粧板はともかく、従来と同じ青いモケットに灰色の床と、この角度だと正直あまり変わり映えしない…というのが第一印象。因みに新潟地区の更新車も基本的には同メニューだったようですが、モケット色は青緑色でした。

ナノN-車端部

電動車の車端部には雪切室など機器室を設けたため客室に大きな張り出しが登場、ボックスシートを設けることが出来ずロングシートとしています。右側の機器室はレール方向に切り欠きを設けて消火器置き場としていますね。

ナノN-車端部2

制御車にはトイレ付きを設置、雪切室はありませんのでボックスシートを設置する余裕があります。今回のリニューアルで唯一座席配置が変更になっているのは左側、車椅子スペース設置によってロングシートの撤去されています。

ナノN-トイレナノN-車椅子スペース

トイレ自体はリニューアル前から大きな変更はありません。しなの鉄道車は地上側の処理設備が無いことから便所を使用停止としています。車椅子スペースには非常通報装置や壁掛けヒーターが設けられましたが、工事を施工した工場が異なるためか高崎地区のリニューアル車とは形状が異なるようです。

ナノN-乗務員室仕切ナノN-乗務員室仕切2

乗務員室仕切です。左はクハ115・右はクモハ115で、クモハ115は向かって右側が雪切室のため座席配置が異なるほか上部にATS-Pの機器を設けています。いずれも仕切戸の窓が幾分大きくなっているでしょうか、基本的な構造は変わっていないようです。左写真は夜の撮影ですが、壁が多い箇所だと白い化粧板の効果を感じます。

ナノN-天井

天井も構成は従来と変わらず、逆台形の風洞が車内を貫きます。照明の数も変わっておらず、いくら化粧板が明るくなっても近年の新型車に比べれば何となく薄暗い感はあります。吊革は全て三角形に取り換えられています。

ナノN-床

床は灰色ですが、従来とは異なる柄入りです。

ナノN-扉

扉です。高崎地区のリニューアル車とは異なり、窓押さえはゴムのまま。半自動扱いボタンはリニューアルでも設けられておらず、徹底的にボタンを付けて回ったJR西日本とは考え方が違うようです。

ナノN-窓

窓周りも大きな変更はなく、テーブルも残っています。荷棚は変更されており、網と言えば網ですがレール方向・枕木方向に張られたワイヤが直角に交わるような格好です

ナノN-ボックスナノN-ボックス2

座席を見ていきましょう、まずは扉間のボックスシートです。完全な新品に交換された点は高崎地区のリニューアル車と同様ですが、E127系100番代のそれをイメージして長野工場が自作したとのこと。写真では従来と同じにしか見えない青いモケットも、実は細かい柄が入っています。
まず背摺りは従来品に比べ高さが若干低くなっているほか、上下の傾斜角にも違いが見られます。黒塗りの取っ手は従来品と同形状に見えますが、通路にはみ出す従来の造りを嫌ったのか背摺りの上半分を内側に傾けています。座面はバケット形状を採用、傾斜が少な目な印象です。印象的な形状の肘掛は肘当て面の材質を変えており、冷たさを軽減する配慮があります。新品な割には従来の座席とそう変わり映えせず、何となく勿体ないような気はします。

ナノN-2人掛け

ボックスシートの両脇や運転台直後は2人掛け。こちらは座面のバケット化と背摺りの縫込みで着座位置を明確化、背・座とも従来品より薄めの作りです。

ナノN-5人掛けナノN-5人掛け優先

電動車の車端部は5人掛けロングシート、この2枚だけは長野地区で活躍していた頃に撮影しました。優先席はJR東日本標準モケットを使用しています。

ナノN-5人掛け優先2

こちらは新潟地区に移った編成の様子、優先席が拡大されています。

ナノN-3人掛けナノN-袖仕切イラスト

制御車の車掌台側は3人掛け。脚台から変更されたクロスシートに対しロングシートはそのまま使用している模様、袖仕切も従来品ですが透明な防風板を追設しています。長野県花「リンドウ」をあしらったのは長野車の特徴で(新潟車はイラストなし)、新潟転属後もそのまま使用されています。

ナノN-ボックス3

最後にトイレ横のボックスシート、どういった角度で写せば良いか都度悩むところです。妻面寄りの幅が狭いのは昔からですが、取っ手設置部の切り欠きがありませんので尚のこと従来品に見えてしまいます。

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