しなの鉄道115系|FTN trainseat.net

しなの鉄道 115系

写真: srS4

1997年の北陸新幹線高崎~長野間開業に際しては、並行する信越線軽井沢~篠ノ井間がJR東日本から第三セクターのしなの鉄道に転換されました。同区間の主力となったのはJR東日本から譲渡された115系1000番代で、順次赤と濃灰色の塗装に変更されています。これとは別に2000年からはリニューアル工事を開始、主に内装の整備が中心ですが補助電源装置の交換等機器類の手入れも実施しています。3連11編成を譲受したうち1編成を除きリニューアル工事を受け、残る1編成は2013年に廃車されました。
一方同年には新幹線開業と同時に譲受した169系の置き換え、また前述のリニューアル未施工編成の代替の意味もあるのかJRから2連7編成を譲受(但し3編成はリニューアル未施工)。更に北陸新幹線金沢延伸時には長野~妙高高原間が同社に加わったため、3連5編成を追加で譲受しています。

近年はスカ色を始め多彩な塗装で話題になりましたが、2020年からはE129系ベースのSR1系が投入され順次置き換えが進行しています。今回はしなの鉄道開業時から所属する編成の、リニューアル工事施工車の車内の様子をご紹介します。なおJR時代にリニューアルされた後譲り受けた編成の様子はこちらで紹介しています。


sr115A-車内全景

まずは車内全景から。従来並みの淡緑の化粧板に灰色系の座席モケット、そして長野地区のJRの普通列車の帯色を連想させるような青系の床という配色は独特で、初乗車の時は驚いてしまいました。車内の構成は基本的に従来通り、3扉のセミクロスシート車です。

sr115A-車端部sr115A-車端部2

車端部です。雪切室など機器室を設けたため客室に大きな張り出しが登場、電動車は機器蓋との兼ね合いかボックスシートを設けることが出来ずロングシートとしています。一方制御車はトイレ付き、雪切室はありませんのでボックスシートを設置しています。

sr115A-トイレsr115A-車椅子スペース

トイレは制御車に設けられていますが、しなの鉄道では地上側の処理設備が無いことから使用停止としています。扉寄りの2人掛けは撤去し車椅子スペースを新設、非常通報装置や壁掛けヒーターを設けています。

sr115A-乗務員室仕切

乗務員室仕切です。運転台側の2人掛け席は撤去され、代わりにATS-P機器の入った機器箱が鎮座。また写真はクモハ115形で、向かって右側が雪切室のためクハ115形とは座席配置が異なります。

sr115A-天井

天井の構成は従来と変わらず、照明も何となく暗めに感じます。吊革の吊り輪は三角形に交換されたJR東日本のリニューアル車と異なり、引き続き丸形を使用しています。

sr115A-床

床は青系の柄入り、通路部は明るめにしています。

sr115A-扉

扉です。扉自体は従来品そのままですが、周りを見てみると鴨居部の広告枠が撤去され液晶モニタが設置されていたり、床の滑り止めが黄色になっていたりと結構手が加えられています。ドアレールヒーターに注意を促す「あつい!」ステッカーは黄色地に赤字で、JRのものより目立ちます。

sr115A-LCD

扉上には液晶モニタを設置。ワンマン化工事の頃に追設されたもので、次駅案内等は行わず専ら広告を流します。

sr115A-窓

窓周りも大きな変更はなく、テーブルも残っています。JR東日本のリニューアル車では交換されていた荷棚も、こちらは網棚のまま使い続けています。

sr115A-ボックス1sr115A-ボックス2

座席を見ていきましょう、まずは扉間のボックスシートです。JRの長野地区で活躍した115系リニューアル車と同様の、フレーム形状が特徴的な肘掛とオリジナルに比べ若干背摺りが低い座席に交換しています。モケットは灰色系の市松模様が入った独自のもの。基本的にはJR車のリニューアルに仕様を合わせつつ、要所で独自色を出した感じでしょうか。

sr115A-ボックス3

車端部にボックスシートがあるのは制御車のみ。妻面寄りは例によって幅を狭くしており、見るからに窮屈そう。

sr115A-2人掛けsr115A-2人掛け優先

ボックスシートの両脇やクモハ115形の乗務員室直後は2人掛け。こちらもJR東日本のリニューアル車と同様座面のバケット化と背摺りの縫込みで着座位置を明確化している一方、袖仕切の風除け板はありません。優先席はJR東日本標準のモケットを使用しています。ちなみにクハ115形の乗務員室直後には3人掛けがありますが、撮り損ねたようなので機会があれば後日…

sr115A-5人掛けsr115A-5人掛け優先

電動車の車端部は5人掛けロングシート。1人あたり幅は変わらず440mm弱と言ったところでしょうか。


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