えちごトキめき鉄道 ET122形

写真: ET122-2

2015年の北陸新幹線開通では北陸線・信越線の並行区間が第3セクター化され、新潟県の妙高高原~直江津~市振間は「えちごトキめき鉄道」が継承しました。ところが旧北陸線区間は他区間に比べ輸送量が際立って少ない上、電化方式が途中で変わるという非常に悪い条件。JR時代は3両編成の電車が走っていましたが、2両編成の521系でも高価な上に輸送力過剰という状況なことから気動車の投入を決定。新潟トランシス製のいわゆる「NDC」ではなくJR西日本の姫新線で活躍するキハ122形と同型の車両が選択され、ET122形として8両が登場しました。車体は幅広のステンレス製で、「日本海ひすいライン」と命名された同区間に相応しく腰板には波をイメージした青帯を入れています。

基本的にはあいの風とやま鉄道の泊から直江津の間で運用されますが、2018年からは旧信越線の新井まで足を延ばす運用も登場。今回は通常仕様の車両の様子をご覧頂きましょう、イベント兼用車は別項にてご紹介します。


ET122A-車内全景

車内全景です。2扉・転換クロスシート中心の配置はキハ122形と同様、どういう訳か一時方向転換していたことはありましたが2人掛けが日本海側になります。

ET122A-乗務員室仕切

乗務員室仕切は窓を大きく取りつつ仕切戸を引き戸にして通り抜けや運賃箱に対応、521系並みの構造です。化粧板は妻面だけ濃いめ。

ET122A-運賃表

貫通路上にはLED式の情報案内装置と運賃表を設置。運賃表は普段の運用区間に加え、全く入線の無い新井~妙高高原を含めた旧信越線区間も網羅します。

ET122A-トイレ1ET122A-トイレ2

トイレは大型の車椅子対応型。設備自体は扉の無い部分に固まっており、扉を開けても目の前には何もありません。

ET122A-車椅子スペース

トイレの向かいは車椅子スペースとしており、手摺とパネルヒーターを設置。

ET122A-扉

扉は1300mmの両開き、床は電車並みの高さですが走行区間各駅のホームを嵩上げしたためステップはありません。

ET122A-天井

天井です。中央のフィンは321系以降標準となった枕木方向を向いたもの、カバーの無い照明も姫新線キハ122形と同様です。座席の手摺は黄色になった一方で、吊革は変更ありません。

ET122A-床

床は濃いめの茶系、これも姫新線のキハ122形と同様のようです。

ET122A-窓

窓は大半が上3分の1が開くようになっており座席2列で1枚、カーテンは巻き上げ式で4段階の調整が可能です。1列ごとカーテンを設けるための間柱もありませんので、席を選べばJR西日本の近郊型電車には無いワイドな視界が広がります。荷棚はJR西日本の車両が4扉の通勤型でも前飾り付きが標準の中、通常のパイプ式というのは却って珍しい印象です。

ET122A-2人掛け転換ET122A-1人掛け転換

座席を見て行きましょう、まずは転換クロスシートから。登場時期としては座面の高い225系が増備されている時期ではありますが、こちらは223系並みの姫新線のキハ122・127形と同等品のようです。特徴は肘掛ソデ体が白に近い色をしている点、223・225系は灰色です。モケットは阪和線の223・225系と同様の青系で、2列+1列の座席配置と言い着席して動き出すまでは関空快速に乗っているかのような錯覚に陥るような、そうでないような… 肩部の取っ手は最近のJR西日本の車両と同様に黄色く塗っています。

ET122A-2人掛け固定ET122A-1人掛け固定

端部は固定座席です。例によって転換座席共々背・座とも薄めですが、固定座席は座面の傾斜が自然な一方背摺りの薄さが際立っている印象です。

ET122A-5人掛けET122A-4人掛け優先

基本的に直江津方先頭を向いている側にはロングシートを設置、排気管の関係から4人掛けと5人掛けがあります。ここもキハ122形と同等で、321系並みの薄いロングシートに5人掛けの方は謎形状の袖仕切が久々にお目見え。しかも1人当たり幅は321系より随分狭い440mm、全く良い点を見つけることが出来ません。優先席モケットは茶色地にピクトグラム入りのJR西日本標準品です。

ET122A-運転台

運転台はJR西日本標準の2ハンドル式。


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最終更新:2021/6/11

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